桜田春馬の料理教室
「あっつ!! でも美味しい!!」
「ほんとだね! イノの緑色のやつとは大違い!!」
「比べんな!!」
「緑色って……何入れたんだ一体……」
イノが叫ぶと、ハルマが呆れる。
グリーンカレーの派生版だろうか。なんだグリーンシチューって。
味は悪かったとしても健康には良さそう。食いたくない。
「加熱しすぎたみたい」
「それは黒くなるはずだ」
「じゃあ原因違うみたいだね、イノ君」
「え!? 焦げたから緑色になったんじゃないのか!?」
「違うわ!!」
極端なやつ多いな。
なんで焦げたら緑色になるんだ。炭というものを知らないのかな、こいつは。
「ねぇハルマ君」
モミジが口を開いた。
「料理教えて」
「え? ……まぁ、いいけど」
「あ、じゃあ僕らにも!」
結局、3人全員に教えるハメになった。
「包丁の使い方はさすがに分かるよな?」
「投げる」
「さすが、脳ミソ論外野郎は違うわ」
「刺す」
「イノのことは唯一の常識人だと思ってたよ」
「叩き斬る」
「惜しい」
バカが多すぎる。
なんだこれ。
「じゃあ、包丁の使い方からかよ……。じゃあキャベツの千切りでも作るか。まずキャベツをまな板に置く」
「まな板って何」
「ほんと殺すぞお前」
脳ミソ論外野郎は一周まわって天才なのかもしれない。
「じゃあ、キャベツを、指を曲げて、猫の手みたいにして抑える」
片言になってしまった。仕方あるまい。
「こう?」
「よく出来たな」
「ボケが思いつかなかった」
「今までのはボケだったのか。そうは見えなかったが」
ツバキは実際、かなり必死だった。
まな板という単語を聞いた時も、はてなマークが頭の周りを飛び交っていた。
「で、こうする」
言いながら、ハルマは目にも留まらぬ速度で千切りを作った。
「……………」
「簡単だろ?」
3人は、顔を見合わせると、揃って首を横に振った。
「もう料理担当でハルマ君でいいじゃん」
「雑だな」
あの後結局、一緒にゆっくりと千切りを作ったのだが、危うく指を切りそうになるわ、太すぎるわ、包丁に怯え出すわで、3人が料理に関して無能すぎることが判明しただけだったので、ハルマは諦めた。
ちなみにキャベツの千切りは僕が美味しく頂いた。キャベツ美味い。2玉くらいの量を使っていたため、さすがに食い切れるか危うかったが。
「さて、もう暗いな」
「寝る?」
「寝るか」
寝ることになった。
あれ? ハルマはどこで寝るの?
「じゃあ俺リビングのソファーで寝るよ」
「いいよ遠慮しなくて。私の部屋で寝る?」
「そっちの方が遠慮します!!」
モミジに誘われテンパった挙句、日本語が迷子になってしまった。ドンマイ。
「ふーん……。変なの」
「変じゃないよ!? そこで『はいそうします』とかいう方がおかしいから!!」
「イノは喜ぶ」
「……………………」
ハルマはイノに振り向いた。それも、ものすっごい冷たい視線で。
「……勘違いだろ」
「どんな勘違いだよ」
「とにかく僕はおかしくない」
「いやおかしいわ。付き合ってはないんだろ?」
「うん」
イノの代わりにモミジが答える。
「……おかしい」
「……………………気のせいだ」
「違う」
はーい、無駄に長い井戸端会議!(自覚あり)
本日のゲストはモミジさんでーす!!どうぞ!!
モミジ「やっほー」
りぺあ「やっほー」
モミジ「やまびこじゃないんだけど」
りぺあ「しってる」
モミジ「まぁいいや。ところでハルマ君ってなんであんな料理上手いの?」
りぺあ「本人に聞いた方が早いと思うが……まぁいいか。家庭科で習ったらああなったらしい」
モミジ「家庭科でシチューって習うの……?」
りぺあ「いや習わん。多分。……ところでそっちにも家庭科ってあるのか?」
モミジ「んー、ないよ?」
りぺあ「あー、こっちの知識ね」
モミジ「うん。そゆことそゆこと」
りぺあ「対極に僕は料理苦手なんだよな。作れて味噌汁とスクランブルエッグくらいか」
モミジ「朝ごはんだね……でも私よりかはマシじゃない?」
りぺあ「そうでなきゃ困る」