超巨大スライム
「んじゃ、そろそろ依頼行くか?」
「おう」
イノの呼びかけに、ハルマが答える。
ここで、装備でも確認しておこうか。
ハルマの武器は、相変わらず折り畳み傘。そして防具は、パーカーにジャージ、スニーカー。
モミジは、短剣に、なんて言ったらいいかよくわかんないけど軽装。
ツバキは、大槌、そして、頭の防具のない甲冑。
そしてイノはと言うと。
「カマ?」
「そう。死鎌。厨二くせーけどな。今んとこの僕の最強の武器だよ」
「で、防具は俺とほぼ同じかよ」
「はは。素材なくて……」
「なんでや」
「武器作るのに回しちゃって……ガチャ要素強いからね……」
「あー、艦○れみたいな?」
「??」
「伝わらねぇのか……」
そんな会話を交わしつつ。
ハルマたちはクエストへと向かった。
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スライム。
それは世界共通認識の雑魚モンスターだ。
打撃武器所持者にとっても。
ツバキがスライムを殴りつける。
飛沫が飛び散る。
そして、それをハルマたちが回収する。
「スライムの雫ゲット!!……ってこれ、何に使うんだよ」
「粘着性強いから。主に革装備なんかに使われるよ」
「うーわ、着たくねぇ」
「ははは……同意」
モミジは意外と博学だった。
「てかスライムってやっぱ基本ワンパンなんだな」
「そりゃあそうだよ。ああいうのじゃなければ」
「ああいうの?」
「あれ」
モミジが指さした先には、超巨大なスライムがいた。プルンプルンで有名なスライムなど、見る影もない。そいつはもはや、巨大な山だった。
「……は?」
「おっかしいな、ボードには緊急来てなかったハズだけど……」
「今、出現か?」
「よし行けハルマゲドン!!」
「なんだそれ!?」
「ハルマ君のあだ名」
「ぜってぇー嫌だ!!」
そう叫び、ハルマは折り畳み傘を投げる。
えい╰( ^o^)╮-。・*・:≡【傘】
────パァン────
弾け飛んだ。スライムが。
「……うわぁ」
「強い……」
「バケモノ……」
「悪ぃな俺は人間だ」
「「「嘘つけ」」」
「人間だッ!!」