住民登録と貞操危機
「だからね、私は襲い掛かってきたツバキちゃんを、成敗してたの。正当防衛!わかる?ちゃんとココ、入ってる!?」
そう言いながら、モミジはこめかみを指差す。
うん?眼球と思考能力は関係ないと思うが。
「あぁ、入ってる入ってる。モミジじゃねーからな」
「………………………」
モミジは黙って拳を握りしめる。
ポ○子かお前は。7話あたりでニコ動でオレンジ色の文字で「リリ○ちゃん!リ○カちゃん!」とかコメント打たれるんじゃねぇだろうな。
おっと、この短時間にパロディ(と言う名のパクリ)を2つもぶっこんでしまった。自重せねば。僕の命は危うくないが垢が危うい。
にしてもX、画面広くて使いやすいなぁ。
「で、そのツバキはどうした」
「放置してきた」
「鍵は」
「かけてきた」
「あいつ縄抜けの能力は」
「ない」
「声あげられたら困るぜ」
「手ぬぐいがある」
「なるほど猿轡か」
「そう言うこと」
「物音立てられたら」
「柱に縛り付けた」
「つまり動かないと」
「そゆこと」
つまりツバキは、近隣の方々に通報される危険はないのである。セーフ。
ん、待てよ。これ、モミジが通報されねぇ?
まぁ、いいか。
とりあえず住民登録。ハルマ一行は(誰かさんを放置して)役所に向かった。
「名前は」
「サクラダハルマです」
「住所は」
「すぐ向かいです」
「役職は」
「狩人です」
「名前は」
「何ループ目ですか」
23ループ目だった。
ループを繰り返すごとに質問が減るというオプション付き。質問がゼロになると終わるのだろうか。だるい職員さんだ。
「名前は」
「いい加減しつこいです」
「はいすいません」
職員は、パソコン(のようなもの。少なくとも僕にはパソコンにしか見えねぇ)に向かって、何か作業を始めた。
「はい、住民票?でいいのかな?です」
「ずいぶん適当だなおい」
とにかくハルマは晴れて住民となったのだ。
「んー!んーーっ!」
「……忘れてた」
家に戻ると、柱に縛り付けられたツバキがいた。
「ほどかねぇと」
「ん!?んんんっ!!」
ハルマは、ひとつ手順を踏んで、縄をほどきにかかった。
「な、なんで触ったの!?初めてだったのに!」
「お前それで初めてなの!?大体19くらいだろ!?まぁ俺もだけど!?」
「う、うるさい、それじゃあ人の事言えないじゃん!」
「ていうか触ったとか言うな!揉んだんだよ!!」
「さらに酷いよ!!」
「揉むと増えるって言うぞ!」
「それを信じてるのは男子だけだよ!」
「実践したのか!?」
「したよ!!増えなかった!!」
「説得力がねぇ!!」
そう、ハルマが踏んだ手順とは──って、言わなくてもわかるか。ていうか言わせないでくれ、頼む。
はい、ツバキって意外と身体出来てるんですよ。女子として。
モミジは出来てないんすよ。女子として。
イノは出来てるんすよ。男子として。
ハルマも出来てるんすよ。ニートとして。