グダグダ異世界生活
「ぶはっ!!!」
モミジは勢いよく起き上がった。
ここは家。そのリビングのソファーの上だ。
あの後、ハルマがモミジをおぶって帰還したのだ。
「……なんかダンジョンの奥で怖いもの見たような」
「どんなのだ」
「骸骨みたいな」
「夢だ夢」
ハルマは思い切りモミジから目をそらしながら、早口で答えた。
いや夢ではないのだが。
「はぁー、まだ頭がズキズキする」
モミジはため息をつきつつ、頭をさする。
「まー、起きた直後って頭痛いことあるよな」
「うん……。あれ、コブ出来てる。何これ」
「知らねーよ」
カタコトになってしまった。怪しまれてしまう。
「……。まぁ、いいや」
モミジはハルマを思い切り疑惑の視線で見た後、ため息をついた。
「ところで、ダンジョンは?」
「もうクリアしたよ。お前が寝てる間にな」
「おお、ありがと」
そう言いながら、モミジはソファーから降りる。
そして、部屋へ向かう。何となくハルマはついて行った。
「着替えよう」
モミジはタンスの中を漁り始める。
「これでいいや」
「パーカーかよ」
ハルマが服選んだ意味。
「だってアレ、洗濯機にぶち込んであるんだもん」
「なるほどな。女子とは思えない言葉が飛び出した気もするがスルーするとしよう」
「まぁ気のせいじゃないかな?」
気のせいじゃないと思う。それは僕だけか?
読者の皆様はどう思う? ……ここで聞いても執筆中の僕には聞こえないか。そらそうか。
「さ、着替えるから」
「あー、分かった」
ハルマが部屋から出ようとすると。
「? 別に出なくていいのに」
「なんだお前。女子かほんとに」
部屋に残ると、ハルマの方が気まずいため、ハルマは部屋を出た。
「ふぁああ……。俺ももうひと眠りするかな……」
大きなあくびを1つして、ハルマがようやくあてがわれた自分の部屋へ入ろうとすると、後ろから「よっ」と声をかけられた。
「なんだよイノ」
「暇だからなんかやろうぜ」
「寝とけ」
「なんでだよ」
「俺が眠いから」
ハルマはそう言うと、自分の部屋へ逃げ込み、扉の鍵をかけた。そのままベッドに直行。寝た。