天と倉間2
『』は英語のつもりです。
「この辺かしら?」
イギリスから帰ってきた私は、桜の家と倉間の家を訪ね、二人を探していた。 家に行っても二人は居らず、秘密基地に言っている、とのことだった。 その秘密基地とは、ビルとビルの間の細い路地の奥の奥にある、人が三人くつろげるぐらいの場所を、勝手にそう言っている。 これは、私たちが小学6年生の時に作った(場所を確保した)ところで、二人の親が言っている秘密基地とは、そこのことだろうと思い、記憶を頼りに探し回っていた。
『天ちゃん、あの人、クラマ?っぽ~い』
そう言ったのはアリサ・ レパルス。 長く、ふわっとした金色の髪の毛がとても綺麗だ。 私のいとこでイギリスから一緒に帰ってきた。 まだ日本語を上手く喋れないので、英語を使う事の方が多い。
アリサの言った方を確認してみる。 そこには確かに、私の知っている倉間とは少し違うが、藤堂倉間がいた。 ちょうど、秘密基地に行くとこのようだ。
「倉間ー」
叫ばない程度の大声で倉間を呼ぶと、すぐにこちらに気がついた。
「おおー! 天かー? 変わってねぇなー」
相変わらずの素直な感想を受け取りながら、倉間の近くへ行く。 近づけば近づくほど顕著になる身長差。 昔は私の方が高かったけど、今では抜かれているようだ。 仕方ないことだが、少し残念だ。
近づいて分かったが、髪の毛を少し金色に染めたようだ。 何かあったんだろうか?
「ええ久しぶり。 元気だった?」
「おおもちろん! ところで後ろの娘は?」
倉間はアリサを見ながらそう言った。 当のアリサは少し緊張しているようだ。
「私のいとこ。 アリサ・レパルスよ」
『よろしくね~』
そう言って倉間を見ると、少し驚いていた。
「英語!? ってことは、イギリス人か!?」
こんな反応を見るのも久しぶりね。 やっぱりこっちの方がむいてるわ。
「まだ日本語に不慣れなのよ、少しずつ教えてるから、そのうち喋れるようになるでしょう」
「はぁーすげー。 …………あ! とりあえず、秘密基地行くか!」
思い出したであろうその提案にのり、私とアリサは倉間について行きながら、秘密基地に向かった。






