天と倉間1
改訂中
「かっこつけんじゃねーよー」
これはまだ、私が小学生だったころ、倉間は私にそう言ってきた。 自販機でブラックコーヒーの缶を買い、飲んでいたときのことである。 その時の私は、小学3年生であったにもかかわらず、ブラックコーヒーをこよなく愛する女の子だった。 小学生からすれば、とても苦くておいしくないものと感じるのが、ほとんどだろう。 無理して、かっこつけていると思われても仕方ないと思った。
そこで私は、ブラックコーヒーをもう一本買い、倉間に渡した。
「飲んでみなさい」
? という表情をうかべながら、倉間はコーヒーを飲んだ。 そして途端に顰めっ面。
「にがぁ………。 よくこんなのへーきでのめるなー」
それを聞いた私は、微笑み、倉間の目を見ながらこう言った。
「かっこつけてなかったでしょ?」
その時の倉間は、何故か私を、尊敬の眼差しで見ていた気がする。
これが、私と倉間が仲良くなるきっかけとなった。
小学生の間は桜と三人で、仲良く遊びまわった。 でも中学生になる時に、イギリスに行くことになって、しばらく会えなくなった。
次に会ったのは、17歳の時。