表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心落  作者: とにあ
68/71

おちた

ゆるりと流れ落ちた黒髪は私の手のひらにその感覚を残し消えた。

触れたのは膝の痛みと空を切り自らの爪。

腹にかかる圧迫。

あたしは、あたしは。


「あの時、一緒にとびおりるべきだったんだわ」

「バカなことをお言いなさいますな」


柔らかく、それでいて解けることのない布があたしを縛っている。

あたしがあたしを傷つけないようにの配慮だというけれど、あたしは、きっとあの時にとんでしまった。

どうしてこの身だけ残したのか。

聞こえるのは世話役の声ばかり。

夢見るような闇の中であたしはお役目を果たせという祖母に頷いた。

だって、あたしはもう生きてないから。

あの子と一緒におちたから。

身を縛る布が消えてもあたしはもう逃げられない。

あたしはあの子に追いつけない。

小さなもみじを愛おしく思うのだ。

外れない目隠し。

世界は闇。

すり抜け落ちていった髪の色。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ