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020:VSタヌキ

 20分遅刻です!ごめんなさい!


 諸都合により、今年の更新はこれで最後となります!


 来年以降もぜひともよろしくお願いします。良いお年をお迎えください!


 住みよい住居のため、生活用品、家具の類を揃えることにした。


 とはいえ、森の中で手作り出来る物なんてたかがしれている。素手なら尚更である。ということで、まずは生活用品を作るために必需と思われる、ナイフを作ろう。ナイフと言っても、鉄製の物など用意することは出来ない。素材は石である。


 要するに、「石器」だ。

 日本の小学校高学年、歴史の授業の導入でおなじみ。皆等しくならったように、石器には二種類ある。打製石器と磨製石器。石を割って作ったのが打製石器で、それをさらに磨いて作ったのが磨製石器だった、ような気がする。確か、打製石器の方が切れ味が良くて、磨製石器の方は耐久性に優れているんだったよな。

 うーん、どちらを作るべきなんだろうか。日々の生活に使うのであれば耐久性は欲しいところだけど、刃物が必要だから石器を作るのに切れ味の悪い方を選ぶというのもどうかと思うなあ。

 まあ、両方作ってみて使い勝手の良い方を採用しよう。どうせ時間は有り余ってる。過密なタイムスケジュールに支配されたような生活は日本に置いてきたんだ。のんびり行こうじゃないか。


 そう意気込み、ちょうど良い大きさの石を探しに外へ出かける。住処の横穴を掘っているときにも石は出てきたが、ちょっと小さい。砕く前で既に手のひらサイズで、投石にちょうどよさそうなものばかりだった。持ち出せないほど大きいのも一つあって、それは居室に転がっている。あ、あれを加工してテーブルに出来ないかな。帰ったら試そう。


 ぶらぶらと歩いて石を探す。都合のよさそうな石をいくつか見繕い、殻に仕舞い込み拠点へ戻る。さっき見つけたテーブルにちょうど良さそうな石を作業台としても使う予定だ。ふと気付いたが、この辺りではフォレストウルフを見かけない。逃げ回って随分と歩いたせいか、縄張りの外まで来たようだ。レッドボアも見てないな。ちょっと傾斜がきついから、生息する動物の種類も変わるのだろうか。川上へ上ってきてからこちら、虫は見かけても動物には出会していない。


 と、思った矢先に出てきた。タヌキだ。ビックリ。相手も僕の存在を認識していなかったようで、お互いビックリ。とりあえずステータス見よう。


---------------------------------------------------------------------------------


種 族:ウェンジラクーン Lv.8/30

ランク:F


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 ウェンジってなんだ? いや、名前はどうでもいい。ランクはFか。レベルはそんなに強くないな。大きさも僕と同じくらい。頑張れば勝てるかも。距離を取りつつ、殻の中から木の槍を取り出す。


 ウェンジラクーンはすかさず僕に向き直る。すると、地面から蔦が伸びてきた!

 予想外のことに、これまたビックリして、避け損なう。直撃を食らってしまった。


《耐性【土耐性】を獲得しました。》


 ぐ。ちょっと効いた。何だこれ? タヌキが蔦を操ったのか?

 HPはどれだけ残ってるだろうか。とりあえずステータスを確認しないと。


---------------------------------------------------------------------------------


個体名:なし Lv.6/30

種 族:魔物のタマゴ+1

HP  :91/112

MP  :39/39


---------------------------------------------------------------------------------


 まだいけるな。

 僕は体制を立て直し、【投石】で牽制する。

 四、五回投げていると、一発良いのが入ったようでウェンジラクーンは一瞬怯んだ。


《スキル【投石】がLv.4に上昇しました。》


 今だ! 僕はその一瞬の隙に一気に駆け寄り槍を叩き込む。

 避けようとするウェンジラクーンだったが、初動が遅かった。槍は首元に突き刺さり、ウェンジラクーンは事切れたようだった。最後にまた蔦を鞭のようにして僕に抵抗してきたが、ダメージもしれた物だった。


《レベルが上がりました。》

《各種ステータスが上昇しました。》

《熟練度にボーナスがつきます。》

《スキル【殴打】がLv.3に上昇しました。》

《スキル【気配遮断】がLv.3に上昇しました。》

《耐性【土耐性】がLv.3に上昇しました。》



 それにしても、さっきの攻撃はいったい何だったんだ? 木を操る動物なんて聞いたことないぞ。


 とりあえずウェンジラクーンを戦利品として持ち帰ることにして、家路を急ぐ。


 帰ってきて、早速作業に取りかかる。

 石を平たく割って、テーブルにする予定の作業台に立てて他の石で叩く。

 破片が舞うが、気にしている暇は無い。


 何せ、この世界に来て初めて肉が食えるのだ。楽しみで仕方がない。



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個体名:なし Lv.10/30(4↑)

種 族:魔物のタマゴ+1

HP  :71/129(17↑)

MP  :39/43(4↑)

攻 撃:133(26↑)

守 備:237(35↑)

魔 力:43(4↑)

精 神:51(6↑)

速 さ:83(16↑)

ランク:F-


スキル:

【ステータス閲覧 Lv.5】【体当たり Lv.6】【踏みつけ Lv.5】【集中 Lv.4】【回し蹴り Lv.4】【殴打 Lv.2→3】【気配遮断 Lv.2→3】【不意打ち Lv.3】【見切り Lv.3】【投石 Lv.3→4】


呪文:


アビリティ:

【進化の可能性 Lv.-】【超成長 Lv.-】【食材の見分け Lv.4】【消音 Lv.3】【槍術 Lv.3】【暗視 Lv.3】


耐性:

【打撃耐性 Lv.5】【毒耐性 Lv.4】【水耐性 Lv.4】【土耐性 Lv.1→3】


称号:

【異世界人】【採集家】【釣り師】【穴掘り名人】


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