013:進化による変化
お久しぶりです。
亀更新でごめんなさい。最近忙しくて、、、ちっともまとまった時間がとれずに居ます。
それでも、「エタる」ことだけは絶対にしたくありません。細々とでも、亀更新でも、続けていきたいと思っています。
手が生えて、出来ることが広がった。特に、戦闘面。
人間だった頃の僕にとっては、喧嘩や格闘なんてものは縁遠い存在だった。そもそも日常生活に必要なものでは無かったし、喧嘩が強くても僕にメリットなんて無かっただろうから。物騒なことは嫌いだったから、意識的に避けていた部分も、今思えば多かったような気がする。友人同士が喧嘩になれば、割ってはいったものだった。あいつら、今は何してるんだろうな。社会人になってから、どんどん疎遠になっていった。ここ二年くらいは旧友とは会っていない。
こんな状況になっちゃって、あいつらに挨拶もしないまま死んじゃったな……
感傷に浸っている場合ではない。今の僕は弱く、常に生命存続の危機に瀕しているといっても過言でない。それくらい、ここは危険な世界なのだ。気を引き締めないと。
僕の今すべきこと。それは、手が生えて出来るようになったことの実践。生き残るために最初に必要なのは、強さだ。すぐに出来そうなものから、順に試していこう。
まずは、投擲。自分の体を危険にさらすことなく、一方的に相手に攻撃できる手段だ。どれだけの重さの物を、どれだけ遠くまで、どれくらいの強さで投げられるのかを確認しておかなければならない。
現代日本なら、投げる物などいくらでもあるだろうが、ここはただの森だ。投げて威力を期待できる物など、石くらいしかない。というか、石には困らないというほどたくさん落っこちている。手頃なサイズの石を拾い上げ、投げる。
手があるのが久しぶりだからかな? うまく動いているのかよくわかんないや。早く慣れなきゃ。
いくつか石を投げてみて感覚を確かめたところ、どうやら、直径6センチくらいの石が、投げられる中では一番ましだろうということが分かった。届いて5~6メートルといったところだが、威力はある程度なら期待できそうだ。
次に、武器。今まで打撃しか出来なかったのだ。武器があれば、攻撃のバリエーションは増えるだろう。まあ、体のサイズからして、あまり大きな物はもてないけれど……
ここで調達できそうな武器といえば、まあ木の枝程度だろう。そこいらに落ちている小枝のような細い物ではちょっと心許ないので、木に登って、ある程度しっかりした枝を折る事にする。
木登りも、手が無ければ出来なかったよなあ。と、するすると木に登りながら思う。体が小さく軽いからか、人間だったころよりもずっとスムーズに木に登ることが出来る。指なんて親指しか存在しないのに、だ。馬鹿げた話である。
登り終えて、武器になりそうな枝を選ぶ。そんなに太かったり長かったりはしなくて良いのだ。ただ、丈夫であれば問題ない。どのみち大きすぎればもてないのだから、欲張っても仕方がない。
ちょうど良い枝を見繕って、つかみ、引っ張る。しなってなかなか折れなかったが、何度も試すうちに折ることが出来た。反動で木から落ちそうになったのはご愛敬である。
折った枝を放り投げ、木を降りる。僕は子猫じゃないから、登った木から下りられない何てことは無い。断じてない。落ちそうになったことが怖くて暫く動けなかったなんてことは無いのだ。
適当に薄い石を探し、枝を削る。
刃を作るつもりは当然ない。少しでもとがらせて、槍のようにして戦おうと思っているのだ。突きなら、上手く行けばフォレストウルフのような大物達にも致命傷を負わせることが出来るかもしれない。あいつらに打撃で対抗するにはサイズが足りないのだ。
三時間ほど削り続けて、ようやく納得できる物が出来た。背丈ほどもある槍の穂先から、きれいに対象に削った、お手製の槍だ。つまるところ、凝り性なのである。
しかし、ここで問題が発生した。せっかく作った槍だが、持ち運びに困るのである。
ずっと持っているわけにはいかないし……さっきみたいに木に登ることもある。そうなると、地面において登らなきゃいけなくなるし……どうしよう。
あ、そうだ。殻の中にしまえないかな。槍。
目の部分が開いてるから、そこに突っ込んで……
入っちゃったよ。
背丈ほどもある槍が、殻の中に。全部。
僕の殻の中どうなってるんだ? 不思議空間だな。
まあ、細かいことは気にしない。入った物は入った。デメリットは今のところ無い。なら、問題ない。
気を取り直して、最後に、格闘、槍を含めた戦闘訓練だ。
今までは足しか使えず、戦闘らしい戦闘はしてこなかった。危ないからだ。僕は二本足だから、片足を上げて蹴っている時は移動、すなわち回避や逃走が出来なかった。つまり、攻撃を受けるような相手には手を出すリスクが高かったのだ。
今では手を使うことが出来る。槍による攻撃、徒手による攻撃といった、攻撃手段の広がりだけでなく、槍をフェイントにした蹴りや、フットワークを取り入れた連続攻撃など、戦術と呼べる物を使うことが出来るようになった。これなら身体能力で多少劣る相手にも通用するかもしれない。所詮、相手は獣なのだ。頭脳では僕の方が勝るはず。
そんなことを考えつつ、木の幹をサンドバッグ代わりに様々な攻撃を練習する。
槍が欠けたら嫌だから、徒手による攻撃しか試していないけど、それでも今までよりも確実に手応えを感じる。体が大きくなったこともあってか、動いている感触がすでに力強いのだ。拳が木の幹を叩く感触も、攻撃として十分通用するように実感する。これ、いけるんじゃないか?
しばらく続けていると、新しくスキルを得た。
《スキル【殴打】を獲得しました。》
格闘術のスキルであろうことは名前から判断できる。試しに木の幹にスキルを使ってみると、今まで以上に鋭い攻撃が出来ている。
《スキル【殴打】がLv.2に上昇しました。》
ちょっとくらいなら、冒険してみても良いかもしれないな……。
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個体名:なし Lv.1/30
種 族:魔物のタマゴ+1
HP :91/91
MP :34/34
攻 撃:74
守 備:156
魔 力:34
精 神:39
速 さ:48
ランク:F-
スキル:
【ステータス閲覧 Lv.5】【体当たり Lv.6】【踏みつけ Lv.5】【集中 Lv.4】【回し蹴り Lv.4】【殴打 Lv.2】
呪文:
アビリティ:
【進化の可能性 Lv.-】【超成長 Lv.-】【食材の見分け Lv.4】【消音 Lv.3】
耐性:
【打撃耐性 Lv.5】【毒耐性 Lv.4】【水耐性 Lv.4】
称号:
【異世界人】【採集家】【釣り師】
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