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012:手

書きながら寝落ちしてしまいました……


閲覧、ブックマーク、評価、ありがとうございます!

最近忙しくてなかなか更新できずに居ますが、隙間時間を見つけて更新していきたいと思っています。


 目を開けると、僕は草むらの中で横たわっているのだった。

 ……ん。寝てたのか。一体、何があった……?

 朦朧とした意識で状況を確認しようとする。


 確か、進化可能になって、でも進化先が不満だったから進化をキャンセルして、そしたら体が熱くなって眠くなって……そうだ。僕の種族名に〈+1〉がついたんだった。何か体に大きな異変があったようだ。進化をキャンセルすると言っても、ただの現状維持という訳では無いみたいだな。

 とりあえず、体調は悪くない。そこはまず安心だ。実際に進化した時はどうかまだ分からないが、進化キャンセルするだけなら、動けなくなったり死んだりすることはないみたいだ。今のところは。キャンセル可能回数とかが設定されてたら嫌だなあ。一定回数を超えると寿命が縮まる、だとか、一回キャンセルするごとに体に不可が掛かっていつか耐えられなくなる、とか、そういうのが無ければいいんだけど。


 心配しながら立ち上がる。すると、いつもよりも視点がだいぶ高い事に気がつく。おや? 進化キャンセルのタイミングで成長したのかな? それなら、僕の不気味な外見が多少なりとも改善されているかもしれない。可能性は大いにあり得る。そうとなったら、さっそく外見チェックだ。

 この体の不便なところは、上半身、下半身などといった区別がないことだ。つまり、上体だけをひねったり、丸まったり反ったりといったことができない。後ろを振り向く時だって、体ごと旋回しなければならない。つまり、自分の姿を確認しようと思ったら、何かに姿を映して、それを見なければならないのだ。最初に確認したときのように、水面を使おう。

 すぐ近くに川は流れているが、上流に来すぎたのだろう、水面が安定しておらず上手く姿を見ることができない。近場で済めば楽だったのだが、仕方がないのでこちらの世界で生まれてすぐに立ち寄った、あの池まで戻ろう。ここからなら、東に進めばすぐに池につくだろう。


 移動を開始する。体が大きくなったことを、再度実感する。移動速度が速くなっているのだ。今までよりもぐいぐい歩ける。これは思わぬ収穫だな。遠出するのも多少は楽になるだろう。


 気分良く歩いていると、池までたどり着いた。さてさて、僕の体はどんな感じになっているのかな? 期待を込めて水面をのぞき込む。


 見た目は、やはりタマゴだった。

 大きさは以前よりも五割増し程度大きくなっている。しかし不気味さは以前と変わりない。白い殻の中央あたりはギザギザに割れていて、その中の暗闇から二つの眼光が覗く。足も殻と同じ色をしていて白く、指も何も無く、つるっとしている。全体的にサイズアップはあるものの、不気味な造形は一部を除いてそのままだった。

 そう、一部を除いて。

 胴体部分のタマゴの殻の側面から、手が生えているのだ。殻と足と同じ色。白くてつるっとした手が生えている。形としてはミトン状である。親指と思しきものは有るが、人差し指から小指に該当する部分は一つにまとめられていて、あまり器用なことは出来なさそうだ。


 しかし、手が生えたのはありがたいぞ。今まで出来なかったいろんな事ができる。


 まずは草むしり。ついさっきまでは、地面に生えている草は硬すぎて舌では千切れなかった。手が生えたことにより、それをむしって食べることが出来る。つまり、飢えて死ぬ心配をしなくても良くなる。これは助かる。

 ということで、いただきまーす…………まっず。

 硬いばかりで、味も何もしない。無味乾燥というやつか。ちょっと違うか。柔らかい方の苦い草ほどではないが、よほどでない限りこんな物食べようとはしないだろう。ドングリの実や魚くん達の方がよっぽど美味しいし、食べる気になる。まあ、ほんとにお腹がすいた時の非常食にしよう。栄養があるかもわからないし。


 気を取り直して、手があることで出来ることを確認する。

 戦闘に際して、単純に攻撃手段が増えたのは嬉しいことだろう。

 戦闘らしい戦闘などまだしていないが、ステータスを見る限りランクが上がっている。進化のためにレベルを上げるには、強い生き物とも戦う必要性が今後は出てくるのだろう。


 手があることで戦闘に役立つこと。一番は武器を使えることだろう。今は何も持っていないけど。将来的に剣なんかを拾ったりして、基本は剣で戦い、斬撃が効かないような相手には打撃で応戦すればいい、というようなバリエーションが出る。足と舌とだけではこうはいかないだろう。

 剣とまで行かなくても、木の枝を持つだけでも身の安全は確保されるだろう。リーチが伸びる分、攻撃を受ける危険も少なくて済む。ただの木の枝では強度が不安だが。

 それに、手があれば格闘術のようなものも使えるのではないだろうか。今までみたいに蹴ったり体当たりするだけじゃなくて、殴ったり、相手を投げたり、関節を極めたり、絞め技を使ったり、いろんな事が出来るようになる。


 今後の可能性が開けたような気がする。よし、頑張ろう……人間になることを目指して!

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個体名:なし Lv.1/30

種 族:魔物のタマゴ+1

HP  :91/91

MP  :34/34

攻 撃:74

守 備:156

魔 力:34

精 神:39

速 さ:48

ランク:F-


スキル:

【ステータス閲覧 Lv.5】【体当たり Lv.6】【踏みつけ Lv.5】【集中 Lv.4】【回し蹴り Lv.4】


呪文:


アビリティ:

【進化の可能性 Lv.-】【超成長 Lv.-】【食材の見分け Lv.4】【消音 Lv.3】


耐性:

【打撃耐性 Lv.5】【毒耐性 Lv.4】【水耐性 Lv.4】


称号:

【異世界人】【採集家】【釣り師】


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