表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/25

010:乱獲

 魚くんは予想以上に美味しかった。

 鱗も剥がしていなければ、頭も落としていないが、美味しかった。

 甘いとか塩辛いとか、そういった味覚とは関係なく美味しかった。

 格上の生き物の肉体だからか、魚類だからか、魚くんが特別美味しいだけなのかはわからない。

 しかし、それを味と呼ぶべきなのかはわからなくても、体がそれを欲しているのが感覚で分かった。

 だから、体の求めるがままに、さらなるフォレストトラウトを探し回った。


 まずは下流側を探した。段々と地形が開けたようになり、川沿いから木が生えているところまではちょっとした道路のような幅がある。これなら人間が二人並んでも歩けるんじゃないかな。

 しばらくの間歩いたが、魚影はいっこうに見つからなかった。


 だめか。こっちじゃないのかな? 反対側へ行ってみようか。

 下流側をあきらめて、来た道を引き返す。

 すると、魚くんと出会した辺りからさらに10分ほど上流に歩いたところで、魚影を目にする。

 見つけた。急いで【ステータス閲覧】を使う。


---------------------------------------------------------------------------------



種 族:フォレストトラウト Lv.11/20

ランク:G



---------------------------------------------------------------------------------


 ラッキーだ。魚くんよりもレベルが高い。経験値も多くもらえるだろう。相手はまだ僕に気がついていない。奇襲のチャンスだ。忍び足で近づく。

 射程圏内に入った。自分に【集中】をかけて、フォレストトラウトを舌で捕らえる。

 ……成功だ!陸に揚げられてぴちぴちとはねるフォレストトラウト。水鉄砲を躱して、【体当たり】をお見舞いする。

 すると、さっきよりもレベルが高い相手のはずが、一撃で息の根を止めることができた。

 レベルアップによるステータスの上昇の影響か?それとも、スキルレベルが上がったからだろうか。フォレストトラウトの個体差かもしれない。いずれにせよ、手早くすむのは悪いことじゃない。簡単に済んでよかった。


《レベルが上がりました。》

《各種ステータスが上昇しました。》

《熟練度にボーナスがつきます。》

《スキル【集中】がLv.4に上昇しました。》

《耐性【水耐性】がLv.3に上昇しました。》


 スキルは、レベルの低いものから優先的に上げられるのかもしれない。Lv.4のものはなかなか上がらないけど、それより低いレベルのものはおもしろいように上がる。ここら辺の仕組みがよく分からない。説明が不足しすぎていやしないか。どうせ転生させるなら、しっかりと面倒を見てほしいところだ。


 またフォレストトラウトを見つけたので、ここで一つの実験をしてみた。フォレストトラウトを倒すとき、【体当たり】を使わなかったのだ。

 さっきは【体当たり】で一撃だったフォレストトラウトだったが、適当に蹴っているだけではいっこうに死にそうにない。蹴った回数が二桁に達したあたりで、スキル【回し蹴り】を新しく獲得した。

【回し蹴り】を使わずに何度か蹴ると、ようやく死んでくれた。

 これで確信した。さっきのフォレストトラウトを一撃で倒せたのは、【体当たり】のスキルレベル上昇の恩恵だったようだ。

 Lv.4から先は上がりにくいように感じていたが、上がりにくい分、威力の増加も大きいということか。必要なスキル経験値が増加しているのかもしれない。

 こうなってくると、有用なスキルを使い込むことが重要になってくるのではないか。攻撃手段は多い方がいいけど、スキルレベルを上げた方が強くなるし……悩むところだ。


 さらに3匹のフォレストトラウトを捕まえた時、新しく称号を手に入れた。

 【回し蹴り】といい、先ほどから調子がいい。


《称号【釣り師】を獲得しました。》


 別に釣ってたわけではないんだけどね。


《称号【釣り師】により、アビリティ【消音】を獲得しました。》


 お、新しいアビリティだ。

 アビリティを手に入れたからか、僕の足音が若干小さくなったような気がする。【消音】は、文字通り僕が出す音を押さえる機能があるようだ。

 アビリティは、おそらくスキルのように意識的に使う必要はなく、常時発動型の能力のようだ。発動させる手間を省けたり、発動させ忘れたりがないということになるな。これは助かるぞ。

 さて、つり上げたフォレストトラウトにトドメをさそう。

 【体当たり】で、難なく倒す。


《レベルが上がりました。》

《各種ステータスが上昇しました。》

《熟練度にボーナスがつきます。》

《アビリティ【消音】がLv.2に上昇しました。》

《レベルが最大となりました。進化が可能です。》


 やっと、進化だ。


---------------------------------------------------------------------------------


個体名:なし Lv.20/20

種 族:魔物のタマゴ

HP  :19/76

MP  :8/24

攻 撃:54

守 備:116

魔 力:24

精 神:29

速 さ:33

ランク:G-


スキル:

【ステータス閲覧 Lv.4】【体当たり Lv.5】【踏みつけ Lv.5】【集中 Lv.4】【回し蹴り Lv.3】


呪文:


アビリティ:

【進化の可能性 Lv.-】【超成長 Lv.-】【食材の見分け Lv.4】【消音 Lv.2】


耐性:

【打撃耐性 Lv.4】【毒耐性 Lv.4】【水耐性 Lv.4】


称号:

【異世界人】【採集家】【釣り師】


---------------------------------------------------------------------------------

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ