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008:良心の呵責

ブックマーク、評価、ありがとうございます!

自分の拙い文章に興味を持ってもらえて、幸せです。

 僕のレベルは9に上がり、そろそろクモを踏みつけているのもかわいそうに思えてきた。

 童心に返ったみたいにはしゃいでクモを潰していたが、冷静に考えれば、このサイズ、あのレベルなら生まれてきたばかりなのだろう。生まれたての生き物を潰して回るなんて、本当に幼稚園児の頃に戻ったみたいだ。ついさっきまで自分のしていた行動の幼さと倫理観の無さに、自分でも驚く。

 スキルのレベルも上がったし、ステータスも伸びた。今の僕なら、生まれたてのクモで経験値を稼がなくても、他の動物で良いだろう。


 さすがに良心の呵責を感じ、クモを潰すのはやめることにした。そうなると、何を倒そうか。

 僕が弱いということは、たとえレベルが上がろうとも覆しがたいだろう。今、レッドボアやドラゴンとやり合ったところで勝負にならないのは目に見えている。

 だが、それらを差し置いても、今一番会いたくないのはフォレストウルフだろう。一匹の強さはレッドボアやドラゴンには劣っているだろうが、そんなことは今の僕には大して関係ない。

 あいつら、群で生活してるし、足も速い。逃げるのにも苦労しそうだし、そもそもランクに差があるのだ。一対一でも勝てる見込みはほぼ無いだろう。

 そういう大きい生き物には近づかない方がいいだろうな。絶対丸呑みにされて終わる。


 となると、やっぱり狙い目は、小動物か虫。

 この辺りはフォレストウルフが多く生息している。彼らは肉食だろうし、狩りもするだろう。小動物は恐れをなして近寄らないのではないだろうか。つまり、フォレストウルフの縄張りということだ。オオカミどもはそれで食事は賄えるのだろうか。まあ、遠くまで狩りをしに行くんだろう。

 小動物を探すなら、ここから離れた場所で探した方が良さそうだ。狩りの最中のフォレストウルフに出くわしても厄介だしな。


 草むらの合間や、木に隠れながら移動する。僕が気付かなくても、他の生き物からは僕の存在が察知されている可能性もある。慎重に移動しなくては。

 移動の途中、たびたび、さっきのクモ達の兄弟と思われるクモを見つけた。さっきのクモ達と比べたら大きくなっては居たが、親戚だろうと思うと手を出すことは憚られた。さっきまではあんなにノリノリで潰していたのに、今更だとも思う。都合の良い考えだ。

 人間って、こういうところが自分勝手なんだなあ……いや、僕は今は人間じゃないんだけどね。


 人間という生き物の業の深さを嘆いていると、小川にたどり着いた。

 水だ。今すぐに水が飲みたいほどのどが渇いているわけではないが、水分を補給しておく必要があるだろう。

 今は、蛇口をひねれば水が出てくるわけでも、水をためておける水筒があるわけでもない。飲める時に飲んでおかないと、次に飲めるのはいつか分からないのだ。人間だった頃、のどが渇いたのを感じたらもう既に脱水症状が起こっているのだと聞いたことがある。この体がどうかが分からないが、早めに水分をとっておくに越したことはないだろう。小川に近づき、舌を出し、なめるように水を飲む。すると、


 ぽちゃん。


 と、魚がはねた。

 風流だなあ。涼しげな感じがする。そういえば、今はどんな季節なのだろう。

 日本で僕が死んだ時は、12月の末頃だったが、こちらは雪が降るどころか、緑が生い茂っている。暖かいと言ってもいいくらいの、心地よい気候だ。ドングリの実もなっているし、冬と言うことはないだろう。タマゴの体で感じる限りは、だが。


 そもそも、この体はどうなっているのだろう。

 水に体を映してみるが、やはり、眼球そのものは見えず、暗闇の中に光っているだけだ。

 足は殻から直接生えているようで、指も何もなく、殻と同じで真っ白だ。

 舌は人間のものと似たような色をしているが、異様な長さをしている。

 お腹が減ったりのどが渇いたりはするから、消化器官はどこかにあるんだろうけど、生まれてこの方、排泄はしていない。

 食べたり飲んだりしたものをすべて吸収しているのだろうか?


 ぽちゃん。


 集中して考え事をしていると、また魚がはねた。

 ……あの魚、倒したら経験値もらえないかな?

 【ステータス閲覧】してみよう。


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種 族:フォレストトラウト Lv.10/20

ランク:G


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 お、ちゃんと出るぞ。ランクも僕とそんなに離れていない。これなら、安全に経験値ももらえるんじゃないか?

 それにしても、魚に「フォレスト」って関係ないんじゃ……?




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個体名:なし Lv.9/20

種 族:魔物のタマゴ

HP  :19/37

MP  :8/13

攻 撃:23

守 備:54

魔 力:13

精 神:18

速 さ:15

ランク:G-


スキル:

【ステータス閲覧 Lv.4】【体当たり Lv.4】【踏みつけ Lv.5】


呪文:


アビリティ:

【進化の可能性 Lv.-】【超成長 Lv.-】【食材の見分け Lv.3】


耐性:

【打撃耐性 Lv.4】【毒耐性 Lv.3】


称号:

【異世界人】【採集家】


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