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「なぁ」
「なんだよ」
「君は名前ってなにかあるのかい」
「持ち主は君だろう。名前なんて好きに呼べばいい。ちなみに型番ならIS983......」
「型番なんてどうでもいいから」
僕は、スマホの名前を決めることにした。特段スマホに思い入れがあるわけではないが、この先きっとこいつは僕の味方になってくれると思ったのだ。
しかし、名前を決める作業は難しいものだ。僕の両親は僕の名前をどうやって決めたのだろうか。子供の一生がかかっているかもしれない命名権をどのように行使したのか。いっそのこと漫画のキャラクターとかからつければ良いのではないか。
悩み始めてから実に1時間が経過してしまった。僕は我慢の限界だった。思いつかなすぎた。
「君は今日からブルーだ。よろしくなブルー」
「なんだそのセンスのなさは」
「思いつかなった。で、スマホの色を見たらブルーだった。以上それだけです」
「まぁ、アレキサンダーとかナポレオンとかって命名されるよりかはマシか」
「そうそう」
僕は、少し現状について整理をすることにした。ノートとペンを用意して、現状をつらつらと書き連ねた。
かわいい女の子が僕の前に現れた。
僕は彼女のお願いを聞いて、図書館で映画を見た。
映画を見終えて図書館を出てくると女の子はいなかった。
僕は、顔色を悪くして出てくると猫に喋りかけられる。
家に帰るとスマホに喋りかけられ、死の宣告を受ける。
しんぷる教。あの女の子と関係があるんだろうか。
たった、数行の文章を書いてまとめ作業は終わった。
まずは、しんぷる教がなんなのかを調べないと物語は始まらない気がした。彼らなら、この世界がなんなのかを知っている気がしたからだ。
僕は、明日は大学に行って調べようと思ったのだった。




