私は、もう大丈夫
大病をして、元気になったとはいえ、やはり、高齢の一人暮らし。
いろいろ問題が、でてきます。
「私は、もう大丈夫だから」
母は、たびたび、口にしていました。
大病をして手術をし、一緒に暮らそうと話しても、一人がいい、嫌だの一点張り。
ですが、体はそう簡単には、元の元気な状態に戻りません。
もう大丈夫というたびに、必ず、問題が発生しました。
最初に、「もう大丈夫だから」と言われたその日、
突然、母が電話口で苦しみ始めました。
「うー、うー」と言って、
今にも死にそうです。
大慌てで、偶然家にいた主人と車を飛ばし、実家へ。
母は、「来なくていい」と、強がっていましたが、
そういう状況では、なさそうでした。
家に着き、合鍵で家に入ると
台所の隅で、母がうずくまっています。
こりゃあ、大変だとすぐに救急車を呼び、病院へ。
診断結果は、腸閉塞でした。
このまま、放っておいたら、死んでしまうところだったとまで言われました。
それからも、何度か、もう大丈夫だからといわれ続けてきましたが、
そのたび、問題が発生し、病院へ。
ある日、実家に寄った際、母が手紙をくれました。
でも、そのすぐ後で、また、具合が悪くなり、病院へ。
家に帰り手紙を見てみると、そこには、
「私はもう大丈夫だから」と書かれていました。
それ以来、「もう大丈夫だから、は、禁句だね」
と母は、笑って言います。
その通りなのか、ジンクスなのか、そのセリフを言わなくなってから、
大きく調子を崩すことがなくなりました。
高齢の一人暮らし。もちろん心配です。
なるべく電話をかけ、安否確認をしていますが。
今は一人が楽しいと言っています。、
いずれは一緒に暮らすようにしようと、
主人とも話しています。
それまでに、せめて母の悪い癖
人の物を勝手に見ることを
改めてもらえると、うれしいなと感じています。