病院でくつろぎモード
母が病院に入院し、大手術をしたときの話です。
うちの母は、大げさなんです。何事にも。
小さいことでも、大きく広げて、おおごとにしてしまうんです。
そんな母が入院することになり、またまた、大変でした。
「あぁ、あれがない」「これがない」
から始まり、ネグリジェから、温かい靴下から、ベッドに置くクッションまで買わせ、
いつのまにか、大荷物になってしまいました。
もともと、入院時の荷物からして、多かったのですが、
さらに追加して買っているうちに、とてつもない量になってしまっていました。
まるでひと世帯分、持ってきてしまったかのよう。
お見舞いには、なるべく行くようにしてましたが、
行くたびにテレビを見て、熱心にメモをとっています。
なんのメモかと思ったら、
テレビショッピングの買いたいものリストだそうで、
「絶対に買う」
と、言い張っています。
しかもそのテレビ、ほとんどのチャンネルが、テレビショッピングだそうで、
テレビショッピング大好きな母には、夢のようなテレビです。
手術が終わったばかりの頃は、さすがにぐったりして
一日中、夢の中にいましたので、
普段ほど悪たれ口を叩いては、いませんでした。
が
回復を少しずつしてきて、起きている時間が増えてきました。
しまいには、「これ便利なのよ」と言いながら
ポンポンあんまのボールの部分で、ベッドの明かりをつけたり消したりしているのです。
そして先生に、「私は死ぬんですか?」と、聞き、
「100%ありません」と、言われても不安な顔でいたりもしました。
それでも、退院の日は近づいていました。
母は、「まだ、回復していないから、出たくない」
と、ごねましたが、結局、出されてしまいました。
病院にいた期間は、一か月です。
それよりなにより大変だったのが、母の大荷物です。
持ってくるのも大変だったけど、帰りも大変でした。
着ないで終わってしまったネグリジェが、未だに母の実家のタンスに眠っています。
着ないなら買わせないで!!!