表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『断罪された悪役令嬢、現代心理学で「虐め」を倍返しする 〜暴力は野蛮ですわ。精神を殺して(愛して)跪かせます〜』  作者: Zacku


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/15

第12話:蛇の正体と、失われた『プロトタイプ』

皆様、第11話での「国家破産ざまぁ」への反響、ありがとうございます。

一国の経済を紙クズに変え、王太子を跪かせたリリアーヌ。

しかし、追い詰められた「蛇」の組織は、最後の切り札を繰り出します。

それは、ニルスがかつて設計し、この世界の物理法則バグを逆手に取った、禁断の兵器でした。

「……私のコードを、そんな汚いことに使わないでくれる?」

かつての相棒・零の魂を継ぐニルスが、自らの過去バグと対峙します。

知略と技術が交差する、第12話開幕です。

王都の地下、かつては王家の緊急避難路だった巨大な空洞。

今、そこは「蛇」の組織による異端の実験場と化していた。

「……リリアーヌ様。この先の魔力波形、異常です。……まるで、空間そのものが『デバッグ』を拒否しているみたいだ」

ニルスが、自作の携帯型モニターを睨みながら警告を発する。

その隣で、ハンスは「……これ、僕が先頭で行くやつですよね。わかってますよ、社長の護衛は僕の『わがまま』ですから」と、不敵な笑みを浮かべて剣を構えていた。

突き当たりにある巨大な扉を開くと、そこには――。

巨大な水槽の中に、無数の神経組織と繋がれた『歪な魔導具』が鎮座していた。

「……あれは……」

私の喉が震える。

それは、前世で一条蓮が開発を凍結させた、フルダイブVRの『軍事転用プロトタイプ』。

対象の意識を強制的に仮想空間に引き摺り込み、精神を破壊デリートする、最悪の兵器の模造品だった。

「……ようこそ、リリアーヌ。……いや、一条蓮」

水槽の影から、一人の男が現れた。

暗殺者の記憶の中で見た、あの「偽物の零」だ。

「……ニルス。これが君の『真の才能』の完成形だよ。……さあ、一緒にこの世界のルールを書き換えようじゃないか」

「……僕の、才能?」

ニルスの瞳が、一瞬だけ揺れる。

魔力を持たない彼にとって、自分の技術が世界を変える「力」として認められることは、かつて抱いた唯一の夢だったからだ。

「……騙されないで、ニルス。……それは『力』じゃない。……ただの『欠陥品バグ』よ」

私は、ニルスの前に毅然と立ち塞がった。

「……ニルス。あなたは言ったわね、私のわがままを形にするって。……私のわがままは、誰かを支配することじゃない。……自分の居場所を、自分の手で作ることよ!」

「……っ……。そうだね、リリアーヌ」

ニルスが、レンズの奥で冷徹な光を放った。

彼は端末を取り出し、猛烈な速度でコードを打ち込み始める。

「……偽物の零。……僕のコードを、勝手に『書き換えた』つもりでいるみたいだけど。……僕のシステムには、僕以外には決して解除できない『バックドア』があるんだよ」

「なっ……! 演算が……逆流している!?」

水槽の中の魔導具が、激しい火花を散らしてショートし始めた。

ニルスが仕込んでいたのは、自己増殖型の『論理爆弾ロジック・ボム』。

自分の技術を汚す者への、技術者としての最大の報復。

「……ハンス! 今よ!」

「おっしゃあ! 社長の奢りで、盛大にぶっ壊してやりますよ!」

ハンスが跳躍し、魔力波形の乱れで防御が剥き出しになった装置の中心部を、一閃。

轟音と共に、蛇の野望が結晶化したプロトタイプが、粉々に砕け散った。

「……馬鹿な……。私の……私の帝国が……!」

崩れ落ちる男を冷たく見下ろし、私は扇子を閉じた。

「……お疲れ様、ニルス。……最高のデバッグだったわ」

(……見てる、零? あなたの魂は、今も私の隣で輝いているわよ)

崩壊する地下神殿。

私たちは、瓦礫の山を背に、再び地上の光へと歩み出した。

第12話、いかがでしたでしょうか。

ニルス(零枠)の技術者としての成長と、ハンス(毒島枠)の覚醒。

そして、リリアーヌ(蓮)の揺るぎない信念が、前世の「負の遺産」を打ち砕きました。

しかし、蛇の組織のトップはまだ健在です。

そして、カレン(サクラ枠)が思い出した、前世の「本当の最期」の記憶が、リリアーヌを更なる衝撃へと導きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ