深淵迷宮2日目 続き
11層への扉が重々しい音を立てて開ききると、先ほどまでの荘厳な礼拝堂とは打って変わって、ひんやりとした濃密な湿気が肌にまとわりついてきた。
視界に広がったのは、天井から鋭い牙のような岩が垂れ下がる巨大な地下鍾乳洞だった。足元のゴツゴツとした岩肌には、至る所に緑色の不気味な光を放つ沼が点在している。鼻を突くのは、アンデッド特有の腐臭ではなく、鼻腔を焼くような酸と硫黄の混じった刺激臭だ。
【HP:82/100】
鍾乳洞に足を踏み入れると、ジークは即座に近接スケルトン1体を先行させた。毒沼の判定範囲と、潜んでいるであろうモンスターのヘイトを稼ぐための「斥候」だ。ネクロマンサーというビルドの最大の強みは、自身の命を危険に晒すことなく手駒を使い潰せる点にある。
スケルトンが緑色の沼の縁を歩いた瞬間、泥の中から巨大な影が跳ね起きた。
保護色で身を隠していた巨大なトカゲ、マッド・リザードだ。ワニのように長く太い顎が、斥候のスケルトンを容赦なく噛み砕く。バキバキと骨が砕ける不快な音が洞窟に響くが、ジークの表情はピクリとも動かない。
「そこか」
位置さえ割れればこちらのものだ。
後方に待機させていたスケルトンアーチャーが、無音で『影縫いの短弓』を引き絞る。黒い尾を引く矢が放たれ、獲物を噛み砕いて隙だらけになったリザードの巨体に深々と突き刺さった。
ギュルンッ、とリザードの足元に黒い影が泥のように広
がり、その巨体を大地に縫い付ける。
1.5秒の完全なる硬直。
その間に、ジークと残り2体の近接スケルトンが左右から一気に距離を詰める。ジークは右手の『腐食の爪』でリザードの硬い鱗を殴りつけ、防御力が低下した部位へすかさず大剣を叩き込む。
鱗を断ち割り、肉を裂く重い手応え。そこへスケルトンたちの骨の刃が追撃を重ね、リザードは反撃の隙すら与えられずに光の粒子となって消滅した。
直後、倒れたリザードの光の中から、緑色の靄を纏った強化スケルトンが軋みを上げて立ち上がる。『死霊の絆』による蘇生だ。
【召喚数:4/4】
「環境が変わっても、やることは同じだ」
ジークはポーションを取り出して一気に呷り、減ってい
たHPを全快させると、鍾乳洞の奥へと軍勢を進めた。
11層の道中は、毒沼を利用したマッド・リザードの奇襲と、天井から降り注ぐ酸の雫を避ける神経戦となった。しかし、毒も酸も「骨」には大した脅威ではない。肉体を持たないスケルトンたちを盾にし、トラップを強行突破しながら着実に層を踏破していく。
【11層クリア報酬を選択してください】
①『毒耐性(小):毒状態による継続ダメージを軽減する』
②『骨装甲・強化:骨装甲の耐久値が上昇し、展開速度がさらに速くなる』
③『腐食の伝染:腐食状態の敵が他者に接触した際、一定確率で腐食状態が伝染する』
金色に輝く文字が、薄暗い洞窟の中でひときわ目を引いた。
「……レアか。しかも、とんでもないシナジーを持ってきたな」
ジークは迷うことなく手を伸ばした。
「③だ」
【スキル『腐食の伝染』を取得しました】
このスキルの真価は、大群を相手にした時に発揮される。殴ってデバフをかけるという『腐食の爪』の単体攻撃の弱点を、このパッシブスキルが完全に補完してしまうからだ。
◇ ◇ ◇
12層に足を踏み入れると、その効果を試す絶好の機会がすぐに訪れた。
天井を覆い尽くすほどのケイブ・バットの群れだ。一匹一匹は弱いが、数十匹の群れとなって超音波を放ち、プレイヤーの方向感覚を狂わせてくる厄介な敵である。
ジークは慌てることなく、近接スケルトンたちを自身の周囲に円陣を組むように配置し、アーチャーをその中央に置いた。
バットの群れが黒い竜巻のように押し寄せてくる。
ジークは前に飛び出し、先頭の一匹を腐食の爪で強烈に殴り飛ばした。緑色の腐食エフェクトがバットの身体を包み込む。吹き飛ばされたその一匹が、後続の密集した群れの中に激突した。
その瞬間だった。
ボワッ、と緑色の靄が波紋のように広がり、接触した周囲のケイブ・バットたちに次々と『腐食』が伝染していったのだ。瞬く間に十匹以上のバットが防御力低下のデバフを受け、動きを鈍らせる。
そこへ、アーチャーの影縫いの矢と、ジークの大剣による薙ぎ払いが炸裂した。
紙切れのように叩き落とされるコウモリたち。そして、腐食状態で死んだ彼らの残骸からは、次々と小さな骨の刃を持った歪なスケルトンたちが蘇生していく。上限の4体に達しても、弾き出された古い骨は消滅し、常に「腐食強化された真新しい骨」が前線を維持し続ける。
圧倒的な蹂躙劇。ほんの数分で、天井を覆っていた群れは完全に制圧された。
【12層クリア報酬を選択してください】
①『召喚上限+1:同時召喚数が増える』
②『魂回収・強化:敵撃破時のHP回復量と身体能力のバフ効果が上昇する』
③『スケルトンメイジ召喚:蘇生時、一定確率で魔法使い型として召喚される』
「マジか、メイジも来たな。③だ」
【スキル『スケルトンメイジ召喚』を取得しました】
続く13層。
ここは装甲の硬いストーン・ゴーレムが徘徊するエリアだった。物理攻撃の通りが悪い相手だが、ここで新戦力が火を噴いた。
倒したマッド・リザードの死体から立ち上がったのは、ボロボロのローブを羽織り、枯れ木のような杖を握ったスケルトンだった。眼窩には青い炎ではなく、赤い魔力の光が宿っている。
ゴーレムが重い足音を立てて迫る中、スケルトンメイジは杖を掲げ、手のひら大の火球を生成した。ヒュンッという風切り音と共に放たれた火球が、ゴーレムの岩の身体に直撃して爆発を起こす。
物理耐性を持つゴーレムも、魔法ダメージには脆い。アーチャーが影縫いで足止めし、メイジが後方から炎で焼き払い、ジークが腐食の爪で防御を削り切る。完璧なフォーメーションが完成しつつあった。
【13層クリア報酬を選択してください】
①『召喚上限+1:同時召喚数が増える』
②『魔力付与:召喚体の攻撃に微弱な魔法ダメージを付与する』
③『アーチャー強化(上級):スケルトンアーチャーの攻撃力が大幅に上昇する』
「①だ。手数が要る」
【召喚上限:5/5】
前衛に近接3体、後衛にアーチャー1体とメイジ1体。これだけでちょっとした小隊規模の火力を叩き出せるようになってきた。
さらに『魂回収』のスキル効果により、敵を倒せば倒すほどジーク自身の身体能力も上昇していく。大剣を振るう腕の速度が上がり、ステップの軽快さが増していくのが自分でもよく分かった。
◇ ◇ ◇
14層は中ボスが待ち構える巨大なドーム状の空間だった。
中央でとぐろを巻いていたのは、全長10メートルはあろうかという巨大な毒蛇『ヴェノム・アナコンダ』だ。鎌首をもたげ、シューッと威嚇音を鳴らしながら紫色の猛毒の霧を周囲に撒き散らしている。
生身のプレイヤーなら、あの霧の中に一歩踏み込むだけで急速にHPを削られるだろう。だが、ジークの軍勢に呼吸をする者はいない。
「行け」
短い号令と共に、3体の近接スケルトンが毒霧の中へ躊躇なく突撃する。アナコンダが巨大な尾を振り回し、2体のスケルトンを一撃で粉砕したが、残る1体が牙の届かない胴体に組み付いた。
その隙に、アーチャーの影縫い矢が蛇の目を射抜き、メ
イジの火球が鱗を焦がす。
「シャアアアアッ!」
怒り狂ったアナコンダが、ジークを直接狙って巨大な顎を開いて突進してくる。
ジークは『骨装甲(中級)』を発動した。残っていた近接スケルトン1体を代償に、分厚い骨のシールドがジークの身体を覆い隠す。
「来い!」
ドゴォォォン!!!
骨が軋むけたたましい音と共にシールドは粉砕されたが、ダメージは完全に相殺された。ジークはその勢いを利用して前に踏み込み、アナコンダの顎の下へ腐食の爪を思い切り叩き込んだ。
緑色のエフェクトが爆散し、分厚い鱗が急激に脆くなる。
「終わりだ!」
振りかぶった大剣が、防御を失った首筋を深々と両断した。巨大な蛇の身体がドスンドスンと痙攣し、やがて光の粒子となって崩れ落ちていく。
【14層クリア報酬を選択してください】
①『死霊術の開花:スケルトン蘇生時、対象にランダムな強化バフ(攻撃力UP、速度UP、属性付与など)が確率で付与される』
②『不死の烙印:一度だけ死亡時にHP1で耐える(所持上限拡張)』
③『死体の爆破:フィールド上の死骸を爆破し、周囲に大ダメージを与える』
不死の烙印のストックを増やすのも魅力的だが、道中の殲滅速度と突破力を上げる方が、結果的に生存率に繋がるとジークは判断した。
「①だ」
【スキル『死霊術の開花』を取得しました】
倒れたアナコンダの巨大な光の中から、新しいスケルトンが這い出してくる。そのうちの1体、強化型のスケルトンナイトの骨格が、ボワッと赤いオーラ(攻撃力大幅UP)を纏い始めた。
腐食によるステータス強化に加え、開花によるバフまで乗った個体。もはやその辺のプレイヤーよりも単体スペックが高いかもしれない。
◇ ◇ ◇
15層から18層にかけて、風景は再び一変し、壁に無数の棺が埋め込まれた『地下墓地』エリアとなった。
出現するモンスターは、スケルトン、ゾンビ、レイスなどのアンデッド系ばかり。ネクロマンサーであるジークにとって、ここは「同族対決」の泥沼の戦場になるはずだった。
しかし、現実は一方的な蹂躙だった。
敵のスケルトンとジークのスケルトンが激突するが、質が違いすぎるのだ。『腐食』によって防御を削られ、『伝染』によって次々と連鎖的に弱体化していく敵陣に対し、ジークの軍勢は倒れるたびに『死霊術の開花』の恩恵を受けて、炎を纏ったり、雷のような速度で動くバフ持ちの特異個体となって蘇ってくる。
数が同じでも、戦力比は圧倒的だった。
15層の途中、隠し通路で待ち伏せていた2人組のPKに遭遇した。彼らはアンデッドに紛れて背後から奇襲をかけてきたが、ジークは焦ることもなく、全スケルトンを反転させて彼らを包囲した。
腐食によるデバフと影縫いによる足止め、そしてバフを盛られたスケルトンナイトの一撃が、彼らを一瞬で光の塵へと変えた。
【『死者の恵み』が発動しました。最大HPが6上昇します】
【HP:106/106】
「ご馳走様だな」
対人戦での強さが、このビルドの完成度の高さを証明している。各層をクリアするごとに、ジークは迷わず最適な報酬を選び取り、軍勢を精鋭化させていった。
15層では『魂回収(強)』を選び、敵を倒すたびに目に見えてHPが回復し、自身のステータスが激増するようになった。
16層では『召喚上限+1』を選び、同時召喚数を6/6に。
17層では『スケルトンナイト召喚(確定)』を選び、蘇生する近接個体がすべて高火力のナイトに固定された。
18層では『骨装甲(上級)』を取得。装甲の耐久値が跳ね上がり、ちょっとやそっとの攻撃ではジーク本体に傷一つ付けられない要塞と化した。
◇ ◇ ◇
19層。20層のボス部屋を前にした前哨戦のフロア。
待ち構えていたのは、漆黒の鎧に身を包み、大剣を構えた4体の『デス・ナイト』だった。通常のアンデッドとは格が違う、純粋な戦闘マシーンたちだ。
ジークはスケルトンナイト3体を前衛に配置し、後衛にアーチャー2体とメイジ1体を並べる完璧な陣形をとった。
デス・ナイトの踏み込みは速く、その剣撃は重い。前衛のスケルトンナイトが次々と砕かれるが、ジークは即座に『骨装甲(上級)』で自身を守りつつ、腐食の爪で強引に殴りかかってデバフをばら撒く。
砕かれた味方は『死霊の絆』ですぐさま蘇生し、『開花』のバフを纏って再びデス・ナイトへ組み付く。アーチャーの影縫いが敵の剣を鈍らせ、メイジの炎が鎧を焼き焦がす。
ジーク自身も『魂回収(強)』で蓄積された異常な身体能力バフに任せ、デス・ナイトの重い剣撃を真正面から大剣で弾き返し、力でねじ伏せていった。
10分に及ぶ激戦の末、4体目のデス・ナイトが崩れ落ちた。
【19層クリア報酬を選択してください】
①『王の威圧:周囲のレベルの低いアンデッド系モンスターの動きを止める』
②『蘇生限界突破:一定時間、召喚上限を超えて死体を一時的なスケルトンとして召喚できる(効果終了後、超過分は消滅)』
③『魂回収(極):敵撃破時の回復量とバフ効果が最大化する』
ジークは思わず息を呑んだ。
「……ここで、これを引くか」
上限を超えて軍勢を作り出せる、文字通りの『限界突破』。ボス戦を前に、これ以上ない切り札だった。
「②だ」
【スキル『蘇生限界突破』を取得しました】
◇ ◇ ◇
20層への扉は、これまでのどの扉よりも巨大で、禍々しい装飾が施されていた。
扉の隙間からは、凍りつくような冷気と、圧倒的な死の気配が漏れ出している。目標としていた20層。昨日は1層で犬死にを晒した自分が、たった1日でここまで辿り着いた。
「行くぞ」
重い扉を押し開けると、そこはすり鉢状になった広大な地下円形闘技場だった。
中央の玉座に深く腰掛けているのは、黄金の王冠を被り、豪奢なマントを羽織った巨大な骸骨。20層ボス『スケルトン・キング』だ。
その周囲には、デス・ナイトやスケルトンメイジ、さらには骨の巨獣など、ざっと見積もっても50体以上の強力な配下が整列し、侵入者であるジークを見下ろしていた。
圧倒的な数的不利。
だが、ジークの口元には自然と笑みが浮かんでいた。
「数の暴力なら、俺だって負けてない」
ジークが闘技場に足を踏み入れた瞬間、キングがゆっくりと立ち上がり、手に持った宝剣をジークへと突きつけた。それを合図に、50体以上のアンデッドの軍勢が怒涛の地鳴りを立てて雪崩れ込んでくる。
ジークは大きく息を吸い込み、叫んだ。
「『蘇生限界突破』ッ!」
スキルを発動した瞬間、ジークの身体からどす黒い魔力の波動が爆発的に広がり、闘技場全体を包み込んだ。
ジークは自軍のスケルトンナイトたちを囮にして敵陣のど真ん中へ突撃させた。当然、圧倒的な数の暴力の前に味方は一瞬で粉砕される。だが、それでいい。
ジークは群がってきた敵の先頭にいる巨獣へ向けて跳躍し、腐食の爪を容赦なく叩き込んだ。緑色のエフェクトが炸裂し、『腐食の伝染』によって周囲の数十体のモンスターへ一瞬にして防御力低下のデバフが連鎖していく。
「薙ぎ払え!」
後方に配置したアーチャーとメイジが、弱体化した敵陣へ向けて一斉射撃を開始する。影縫いの矢が敵の足元を黒い泥で縫い留め、メイジの火球が密集地帯で大爆発を起こす。
次々と吹き飛び、倒れていくスケルトン・キングの配下たち。
そして、ここからが真骨頂だった。
倒れた敵の死骸から、ジークの魔力を帯びたスケルトンたちが次々と立ち上がり始めたのだ。
『蘇生限界突破』の効果により、上限の6体を超え、10体、20体と、倒した敵がそのままジークの配下として寝返っていく。しかもそれらは『腐食』の恩恵で強化され、『開花』によって炎や雷のバフを纏った化け物たちだ。
闘技場は瞬く間に大乱戦となった。
敵を倒せば倒すほど、ジークの軍勢が増殖していく。圧倒的だった数的不利は数分でひっくり返り、逆にスケルトン・キングの配下たちが、強化されたジークの骨の津波に飲み込まれていった。
「おおおおおッ!」
ジーク自身も『魂回収(強)』のバフを極限まで溜め込み、凄まじい速度で戦場を駆け抜ける。立ちはだかるデス・ナイトを大剣の一振りで両断し、道を切り開く。
目指すは中央の玉座に立つ、スケルトン・キングただ一人。配下をあらかた失ったキングが、怒りの咆哮を上げて自ら大剣を振り下ろしてきた。闘技場の床を叩き割るような一撃。
ジークは『骨装甲(上級)』を展開し、その一撃を真正面から受け止める。分厚い骨のシールドに亀裂が走り、衝
撃で膝が折れそうになるが、ジークは耐え抜いた。
「もらったァッ!」
シールドが砕け散る反動を利用し、ジークはキングの懐へ深く潜り込んだ。
右手の『腐食の爪』を、王の胸の肋骨へ全力で叩き込む。パキンッ、と硬質な音を立てて緑色の腐食エフェクトが玉座の主の身体を侵食した。
防御が崩れたその瞬間、ジークは両手で大剣を握り直し、下段から渾身の力で斬り上げた。
「これでも喰らっとけ!!」
――ズガァァァァンッ!!
大剣が骸骨王の胸骨から顎までを一直線にカチ割り、王の巨体を空中に大きくかち上げた。
宙を舞う王へ向けて、残存していた数十体の味方スケルトンたちが一斉に飛びかかり、その骨の刃を突き立てる。
空中でズタズタに引き裂かれたスケルトン・キングは、ついに巨大な光の柱となって闘技場に散華した。
【20層フロアボス『スケルトン・キング』の討伐を確認しました】
【プレイヤー『ジーク』が20層突破しました】
【システムより、特別な報酬が授与されます】
静寂が戻った闘技場。
『限界突破』の時間が切れ、一時的に召喚されていた大量のスケルトンたちが、役割を終えたようにサラサラと灰になって消えていく。残ったのは、最初からジークに従っていた精鋭の6体だけだ。
ジークは肩で息をしながら、ポーンと軽快な音を立てて目の前に現れた金色のシステムウィンドウを見つめた。
【20層クリア特別報酬を選択してください】
①『王の玉座:自身の領域内にいる味方アンデッドの全ステータスを永続的に2倍にする』
②『死の軍勢(神話級):召喚上限を撤廃し、魔力が続く限り無限にアンデッドを召喚・維持可能になる』
③『死霊術の極致:自身がアンデッド化し、完全な不死性と絶大な魔力を得る』
「……レジェンド、だと?」
ジークは震える手を抑えきれなかった。どの選択肢も、これまでのバランスを根底から覆すぶっ壊れた性能だ。
彼の目指すビルドの終着点は最初から決まっていたのだ。無数の骸骨を率い、戦場を蹂躙する圧倒的な「死の軍勢」の支配者。
ジークは口元を歪め、確かな熱を帯びた声で宣言した。
「②だ。俺は、本物の軍隊を作る。そしてアイツらを蹂躙する」
【スキル『死の軍勢』を取得しました】
深層へ向かう重い扉が、ゆっくりと次の階層への道を開いていく。ジークは錆びた大剣を肩に担ぎ直し、配下の骨たちを引き連れて、暗闇の奥へと足を踏み入れた
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