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異世界で理論を極める  作者: gルク
第1章 仲間。
5/12

~第5話~ 幕開けと前兆

それからパルテアの修行をみっちりうけ、あっという間に3日は過ぎていった。



(ひょう)。これが学園の制服だ。」


上の服は純白で、スーツのように前側を全てボタンでとめるタイプ。

下はズボンで激しい戦闘でも邪魔になることはないだろう。

黒地に水色の刺繍を基調とした上着、ブレザーと似たような形だが、腰辺りからローブのように広がっていくのが特徴的だ。


「めっちゃ異世界っぽい!!」


「ふふ、早く着替えてこい。

遅れてしまうぞ」


「わかりました!

…そういえば、学園長ってなんか挨拶とか無いんですか?

こういうのって大体体育館で学園長が話す所から始まると思うんですけど、、、」


「あ、」


「え?」


「ま、まぁ大丈夫だ、朝の会議には間に合わないが挨拶には間に合うし、私の部下たちは優秀だからきっと何とかしてくれるだろう、


と、とにかく着替えてこい

私が遅刻してまで見送ろうとしたのが無駄になってしまう」


「は、はい!」


数分経って(ひょう)が部屋から出てきた

この前少女だと感じていたが、今はどこか大人の余裕さえ感じさせる。


「似合っているじゃないか」


「ありがとうございます!」


「そ、それじゃあ(ひょう)は普通に歩いてこれば間に合うから!焦らず来るんだぞ!すまないが、私は先に行く!」


「わ、わかりました、、」

(学園長ってのも大変なんだなぁ)


一方そのころ、職員室では


「ね〜、今日まだ学園長来てないよね?」


「どーせ、例の弟子だろ

あの人ほんっと昔から弟子の事になるとまわりが見えなくなるっていうかさぁ」


「あーわかるわーそれ2年前もおんなじ事あったよな」


「ありましたね〜、その時も私達に仕事押し付けられて、、、」


「まぁあん時は私達も仕事サボってたから文句言えないけど、」


「それを言ったらおしまいだぜ」


「そうですよ〜!」


この前の三人がそんな話をしているとドアがバンッと音を立てて開いた。


「すまない!!遅れた!!!」


「なーにやってんすか、あんた学園長でしょ今日だって挨拶があるでしょ」


「今回は仕事手伝って貰いますからね」


「そうですよ〜今回ばかりは全部押し付けないで下さいよ〜」


どうやら三人は前回と違ってパルテアに非があるため調子に乗っているようだ。


「くっ、まぁ遅れた私が悪いのだが、」


「朝の会議の話をメモにまとめといたんで

それちゃんと見て行動してくださいよ」


「すまない、ありがとう。」


「いいっすけど、今度飲み行った時パルテアさんの奢りっすからね」


「いぇーい!パルテアさんの奢りだぁ」


「奢られるなら私も行くわ!」


「全く、仕方ないまた今度な」


「マジで奢ってくれるんすか

言ってみるもんすね」


「嘘ぉ、奢らないって言うと思ったわ」


「私も〜」


「お前ら、、、今日は機嫌が良かったから奢ってやろうかと思ったが、やはり奢らない事にする!」


「げ、言い過ぎた」


「もう!奢ってくれそうだったじゃない!

あんた言い過ぎよ!」


「そうですよ〜」


「ん゛ん!

仕事に戻りなさい!」


不服そうに三人は仕事に戻っていく。


「あ、そういえばパルテアさん

ほんとにあの子Sクラスでいいんですか?

貴族連中がうるさくありません?」


「あぁ、大丈夫だろう。

何のために脅したと思ってる」


「え!学園長、脅したの!?」


「学園長に脅されたらなんもできないよねぇ〜」


「それ本当に大丈夫なんすか、、、」


「それにやっぱり黒髪ショートには黒と青が似合うと思ったんだ!

現に似合っていたしな」


「なーにニヤニヤしてんすか

なんかキモいっすよ」


「確かに〜」


「似合う制服の為にSクラスに入れたんですか、、流石に引きます」


「なっ、お、お前たち流石に酷くないか、」


「そんなんで入れちゃって、苦労するのは

あの子自身なんですよ?」


「そうっすよ」


「Sクラスでついて行けるの〜?」


「あぁそれに関しては大丈夫だ

実力は私が保証する。」


「ふ〜ん、学園長がそういうなんて、相当強いんですねその子」


「それならいいっすけど」


「私神力の教師だけど、その子と会えるかな〜」


「多分会えるだろう、あいつはまずガムネッドの弟子だったからなぁ、いろいろ教えてるだろ」


「げ、ガムネッドの弟子なの?まさかその子も変な子?」


「ははは!(ひょう)は常識的な方だと思うぞ」


「なら安心ね、もし変な子だったらSクラスの担任辞めようかと思ったわ」


「確かにガムネッドちゃんは変な子だったからね〜」


四人がそんなことを話している時。

(ひょう)は丁度校門についた頃だった。


(やっぱり人多いなぁ〜

まぁこんなにでかいもんね)


門の前に集まった生徒とその保護者達を誘導するため、数人の先生が門の近くまで来ていた。


「皆さーん!!少し早いですが!!

かなり集まって来ましたので!!体育館に案内します!

門を開けるので少し離れてくださーい!」


流石有名な学園であり門も立派である、

ゴゴゴと地響きのような音ともに門が開く。

用水路の水のように整って生徒と保護者達が流れ込んでいく。

体育館の中にはたくさんのイスが並べられていて、既にその過半数を埋める生徒が集まっている。

数分もしないうちに椅子が全て埋まった。


パルテアが舞台の上に登る。


「えぇ、本日はご入園おめでとうございます。……」


中央剣魔上級学園の教育理念、未来、予定などについて解説する。

学園長の称号に恥じぬ素晴らしいものであった。


「……これで終わります。

他に何か質問はありますか?」


1人、高身長でいかつい男性が手を挙げる。

そうかと思うと席を立ち上がり、舞台の方まで来る。


「席にお戻りください。ムカール様。」


「何を仰るのですか。まだ話していないことがあるではありませんか。」


そう言うとパルテアの手元から勝手にマイクを奪い取り話し始める


「えぇ、入園された生徒とその保護者様、

まずはおめでとうございます。

ですが、納得がいっていない方も多いでしょう。何故家の子がこんな下のクラスなのか、

試験では調子が悪かっただけなのにと、

様々あると思います。

そこで私は学園トーナメントを行おうと思います。」


「ムカール様、その件は先週の議会で却下されたじゃないですか!」


その男はパルテアの耳元で囁く


「いいんですか?再来年度の予算、足りていないのでは?」


「ですが、今更却下された事を言われましても!」


「では皆様に聞いてみましょう。

このトーナメントに賛成だと言う方は!

手を挙手していただきたい!」


Sクラス以外のほぼ全ての生徒、保護者の手が挙がった。


「では、そういうことですので、学園長。」


その男は先程よりも気色悪く囁く


「学園長のお気に入りの子、Fクラスに落ちないといいですねぇ?

ではこれで失礼します。」


その後、体育館は入園式が終わるまで、歓声に包まれ続けた。


式が終わったあと、予想外の出来事に学園の教員たちは会議を行う。

「なぜとめなかったのですか!学園長!」


「そうです、無理にでもとめるべきでした!何故しなかったのですか!?」


パルテアに非難が集まる。だが朝話していた三人が口を開いた。


「いや、どうやってとめるんすか」


「それは、取り押さえるでもなんでもあるでしょ!?」


「そんな事したら逆に大変だよね〜」


「なにせムカール家は大貴族な上にこの学園の予算額の40%を提供してくれていますからね。そんな事してやっていけるとでもお思いで?」


面倒な老害達はようやく己の無知さを理解できたのか、不服そうに黙った。


「ただ、学園長としてなにもしないわけには行かないだろう。トーナメントは開催せざるを得ない。だが、私は弟子に賭けてみようと思う。」


「は?あの子がそんなに強いわけないでしょう!?弟子だからって優遇しすぎでは!?」


「黙れ。誰のお陰で今甘い汁を吸えていると思ってるんだ。」


「っ、、、」


三人はコソコソ話していた


「やっぱ怖えなパルテアさん」


「だよね〜私もビビっちゃったよ」


「やはり学園長の名に相応しい人ですね」


会議も終わりとりあえずはトーナメントを開催することとなった。


パルテアはトーナメントの予算額やその他諸々の仕事を終え、ようやく帰路についた。


そもそも入園式だけだった為、残業をしても夕日が沈み始める頃に帰る事が出来たのは不幸中の幸いと言った所であろうか。


パルテアは自分の家に近づくと、何やら裏側の広い空き地から声が聞こえたので、表から行かず、裏から入っていった。


(ひょう)。こんな時にも修行か?」


「あ、パルテアさん!お帰りなさい!

今日皆の事をみてやっぱりまだ足りないなって思いまして!」


「修行熱心なのは良いことだ。

だが、入園式で疲れているだろう。こういう時くらいゆっくり休みなさい。」


「わかりました!」


そうして(ひょう)とパルテアは屋敷の中へ入っていった。



その時何やら東の小さい街の近くでおかしな事が起こっていた。

それは(ひょう)が初めに行った街の近くでもあった。





──辺りは暗い。月がよく輝いて見える。

焚き火が燃えている。

火が揺れている。

風が吹いている。


遠くから何か聞こえる。

馬車であろうか?にしては少し速すぎるような気がする。

いや、馬車の音だけではない、少し後から4本足?いや6本足だろうか。

それとも2、3体いるのだろうか、いずれにせよ何か鈍重な足音が異様に速い馬車の数十メートル後からそれと同等の速さで迫っている


気づけば火は消えている。

誰かが消したのだろうか?風で消えたのだろうか?

火が消えてしまっては寒くて仕方がない。


そういえば先程の馬車の音は消えている。

その代わりなにか悲痛な声が聞こえてくる。

木が折れる音もする。馬が暴れ狂っている。

でもすぐに馬も静かになった。


こんなに暗くて寒いところでそんな音が聞こえてきてしまっては、怖くて仕方がない。

また火をつけ直そうか、そう迷っている時。


何かが木をなぎ倒している音が聞こえる。

右側、数キロメートル先?いや、数百メートル、いやもう数十も無いか、


その音は止まった。というより聞こえなくなったのほうが正しいだろうか?

良かった。あれは知らぬ間に何処かへ消え去ったのだ。きっとそうだ。

落ち着いて火をつけ直そう。


でもなぜ火をつけたかったのだろう?

あぁそうだ寒かったんだ。

 でも今は何か生温かいし、別にいいではないか。

あぁそうだ光が欲しかったんだ。

 でも今は日が丁度昇り始めているし、もうわざわざ火に頼る必要はないだろう。


でもなぜ日が昇り始めているのだろう?

そんなにも時間が経ったのだろうか?


話声が聞こえてきた。よかった私は1人ではない。一緒に語りながら飯でも食べようじゃないか。でもなぜだろう、声が出ない。

でも大丈夫だ、その2人がこちらに来てくれた



「これは、、酷いな」


「あぁ、おそらくこの被害規模からしてA+級の魔獣が出たと考えるしかない、」


「最悪だ、、、ここ数十年平和だったのに」


「しかもここだけで済んでいるということはリーダー的な存在がいるのかもしれない。」


「お、おい、変な事言うなよ、、

それじゃあまるで伝説上の大災害と一緒じゃないか、、、」


「俺も信じたくはないさ、でも実際に起きちまってる。」


「上にはなんて報告するんだ?」


「そのまま言うしかないだろう、、

でもここからすぐに送っても向こうに着くのは5日後か、、、間に合うといいな、」


「そうだな、、俺だって家族がいるんだ。

事が起きる前に対応してくれよ、、、」


「それは上次第だな。最近1人学園長だったか?がその実績を認められて中央特殊会議に出れるようになったとか。

今の上は腐ってるからその人に期待するしかない」


「でもよ、1人だけなんだろ?会議は10人だし、なかなか厳しいんじゃないか?」


「そうかもな、、、でも俺らができるのは報告書を書いて送って、あとは祈るだけだ、


それじゃあさっさと帰って報告書書くぞ」


「あぁわかった。


……今なんか音しなかったか?」


「やめてくれよ、、なおさら早く帰るぞ」


「だな、こんな不気味な場所いたくねぇよ」


「この雰囲気じゃ不気味だからよ、お前の今度3歳になる子供の話でもしてくれよ。」


「わかった。まずかわいくてなぁ、

それで2歳なのに素振りをしてるんだ」


「将来有望だな。」


「だろ?将来は勇者とかになっ




──その森から音は消えた──

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