試し切りはキャベツを千切り。
包丁が刻むリズムは軽快に
細かいビートを刻んで響く
もちろん包丁が新しくなったからって、料理の腕前が上がる訳はないのです。でも気分は上がりますから、なにか作ってみたくなる。
なにはともあれ、新しい包丁の切れ味を知りたい。野菜室にあったキャベツで試してみましょう。
一応ね。主婦業も長くなったので、千切りもそこそこのスピードで刻めるのよ。
16ビートあたり? まな板の上に軽快なリズムが響きます。
なんということでしょう。双子マークの包丁は、嘘みたいに切れ味抜群でした。怖いくらいに、切れる。むしろ、気を付けないと指まで落としそう。
その後、トマトも肉も魚も試してみたのですが、どれも気持ちよく刃が入るんです。
も~快感。感動。
さすが世界に名を轟かせる某社のプレミアムブランド、双子マークです。大人の事情により、持って回った言い回しで申し訳ありませんが、刃物関係では有名なメーカーさんなので、どんな商品なのかは連想できる方が多いと思います。
大きさも、重さも、ハンドルの握り具合も相性が良いようで、これは良い品に当たりました。なんといっても、デザインが好みだったのよ。
ハンドル部分が握りやすいようにアーチ型で、パッカーウッド使用。オールステンレスだと、極度の冷え性のわたしにはちと辛いのですわ。
そして墨を流したようにきれいに入っているダマスカス紋様。
ビジュ最高。
輝きと墨流し紋様は研いでいるうちに消えてしまうので、これは今だけのお楽しみ。存分に愛でておかなくては。
わかっています。わたしの腕前でしたら普及品で十分。でも運よく超特価品を見つけてしまったのですもの。分不相応とか思いながらも、「これはチャンス!」と思い切りたくもなるではありませんか。
でなければ手は出しません。出せません。
お道具って大事です。またン十年わたしの腕にお付き合いいただくために、というか高級品だったら造りもしっかりしているし、丁寧に扱うから結果長持ちするでしょう。必需品で使用頻度も高く、長い年月使うものですから、貧弱なものでは困るのです。
初期投資が多少お高価めでも採算は絶対に取れるわよ!――などとあくまでポジティブな胸算用をしつつ。
良いお道具をゲットできたことに満足顔のわたしを見て、わが娘は追加の一言。
「やっぱり山姥じゃん」
まあ。お望みならば、あなたも切り刻んで差し上げましょうか?
ご来訪、ありがとうございます。
ちなみに古い包丁も、研ぎ直しに出してまだまだ大切に使っていますよ。




