クマが人里に降りてくる理由 悲しいけど駆除しなくてはいけない理由(2025年版)
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は2023年に書いたhttps://ncode.syosetu.com/n5064im/ を25年版にアップグレードして情報をお届けできたらと思います。
何と23年よりも死者数が多く、秋田県からは自衛隊への出動要請が10月末に出たほどですからね。近年では無いレベルの害獣被害であることが言えると思います。
質問者:
2023年版をご覧になっていない方のために簡単に要約しますと、
1 シカの増加に伴い殺処分しきれずに埋めたのをクマが掘り起こして食べて肉の味を覚えてしまったこと(本来はドングリなどの木の実が主食)。
2 都市計画や高齢化で山と人里が曖昧になったこと。
3 太陽光パネルのために山を切り開いてしまったこと。
の3点を挙げられていましたね。
筆者:
主要な理由については変わりませんが追加理由と補足をしておこうと思います。
◇「森の状況」の悪化
筆者:
まず、以下の図はクマが食べる木の実の豊凶指数が分かるのですが(1以下が大凶作、3.5以上が豊作)、今年は東北では軒並み大凶作になっているんですね。
23年と25年は大凶作な一方で24年は豊作だったために目撃情報があってもそこまで人的被害についてはそんなに無かったと思います。(23年人被害198、死者6、24年人被害45、死者0)
やはり木の実の状況と里に下りてくることが相関関係があると言えます(環境省のHPなどでも書かれている)。
質問者:
でも、平成28年とかも「大凶作」に見えますけど、そんなに話題に上がった記憶なかったんですけど……この10年で何か変わったんでしょうか?
筆者:
太陽光パネルを山に敷き詰める反対派からすると、やはり太陽光パネルが集中しているから――としたいところなんですけど、それに加えて自生していた広葉樹林を広く伐採して針葉樹(主にマツ、スギ、ヒノキなど花粉の要因)を植えている国の施策にも問題があることが調べていてわかりました。
質問者:
花粉症の要因ばかり植えてどうするんですか……。
筆者:
これは針葉樹は成長が早いので、効率のいい木材の生産を期待して植え替えているんです。
しかも、人間の花粉症の問題だけでなく伐採してしまった広葉樹林にしかクマの好物はなく、
「緑だけはあってもクマの食べ物が無い」
という状況を生み出してしまっているのです。
結局のところ目先の利益のために生物多様性や人体を害して来たのが日本の樹木政策なのです。
つまりは太陽光パネルを山に容認したのもそうですが、国の施策の複合的な失敗の結果今の惨劇があると言っても過言ではないのです。
質問者:
山に木が生い茂っているからって必ずしも食べ物があるわけじゃないのは悲しいですね……。
筆者:
ただ、この問題には影で気づいているのか最近では、広葉樹と針葉樹の混合植林というのが進められているそうですけどね。
しかし、すぐに広葉樹が育つわけでもなく、混合植林の効果が出るのはまだまだ先のことになるでしょうね。
◇本当に悲しいけど増えすぎれば駆除するしかない
質問者:
23年のエッセイでは人里に下りてきたクマは駆除するしかないというお話を聞いたんですけど、
どうにか共存する方法は無いんでしょうか?
筆者:
長野県は23年のデータですがクマの捕獲数310体で6位(目撃数も6位)ですが、クマ放獣数はトップの57でした。(23年 人被害24、死者1)
それもただ単に何もせずに山に帰してしまうわけではなく、小さいクマに関してはゴム弾や花火を使って教育し、「人間の怖さ」を教え込んでから山に帰す「学習放獣」を長野県全体で行っていたそうです。
しかし、25年3月の長野県の決定で、新たに創設された「クマ特別警報」が発令されれば「学習放獣」がその期間中は中止され、捕獲・駆除を優先されることになりました。
質問者:
共存を目指している県でも増えすぎた場合は駆除が優先になるんですね……。
筆者:
流石に、クマの命のために人の命を失ったら本末転倒ですからね。
ただ、軽井沢町から2000年より委託を受けてクマの個体管理に取り組むNPO法人「ピッキオ」という団体ではゴミ捨て場にクマが開けられないゴミ箱を設けたり、畑への電気柵の導入を促進したりと、クマを市街地に寄せ付けない取り組みを行っています。
更に、クマの匂いを察知する特別な訓練を受けた犬で、大きな声で吠え立てることで人里近くにいるクマを森の奥に追い払う「ベアドッグ」と言った方法も編み出しました。
こうした取り組みによって軽井沢町の人里に限っては2010年以降クマの人身被害が起きていないそうです。
将来的には全国各地で軽井沢町のような対策をし、餌を山に増やした上での共存が不可能ではないとは思いますけど、現状は厳しいと思います。
質問者:
中々ベアドッグなどのノウハウを実践することは難しいでしょうからね……。
筆者:
23年に長野県で亡くなった方も捕まったクマを檻から出そうとしたときに襲われたそうですからね。
”殺すことを前提”だったら失わなくていい命だった可能性も高いことを考えると、いたたまれませんね。
また、福島県福島町三岳で25年7月12日に25歳男性が死亡した事故を起こしたクマがDNA鑑定によると、2021年に同町白符で女性=当時(77)=を襲って死亡させたクマのDNA型と一致したことが分かりました。
このように特に人の肉を味わった後に一度山に帰ってもまた降りてくる可能性はかなり高いと思われます。
また、里で育った熊が山で餌を取れる可能性は低いために「いたいけな子熊」であっても涙を飲んで苦渋の選択になったとしても駆除するしかないというのが僕の見解です。
今は山林の環境改善まで辛抱するしかない過程の段階だと考えます。
◇クマのために自衛隊出動について
質問者:
政府の施策の失敗の融合の結果ですから責任を政府は取って欲しいですよね……。
ところで、自衛隊がクマを駆除するために出動するそうですが、それについてはどう思いますか?
筆者:
自衛隊のクマのための出動について法律に規定がなく憲法違反だという話がありますけど、
そもそも猟銃使用許可が「武力」かどうかの方を先に訴えを起こした方が良いと思いますよ。
「反自衛隊」的な思想なのだと思いますけど、的外れな指摘だと思います。
その猟銃使用許可についても環境省によると、
(1)クマやイノシシが人の日常生活圏に侵入していること。その恐れが大きいことを含む
(2)クマやイノシシによる人命または身体への危害を防止するため、緊急に対応が必要であること
(3)銃猟以外の方法では的確かつ迅速な捕獲等が困難であること
(4)住民や第三者に銃猟による危害を及ぼすおそれがないこと
といった4要件を満たしている必要があるために、むやみやたらに殺傷しているわけではありません。
また、自衛隊には直接的なクマ駆除のノウハウが無く、そもそも東北の自治体がクマ対策の予算をカットしていることから人員が不足しているので、今のところは輸送や物資補給などバックアップのための要員のようです。
質問者:
自衛隊の方の銃の発砲はそもそも許可されていないんでしたっけ?
筆者:
仮にクマと自衛隊が抗戦することになっても銃剣の剣の部分だけを使って戦うようです。
200キロの体重で最速時速50キロもあるクマが相手だと大丈夫なのかなとも思ってしまいますけどね……。
都市伝説の界隈では「自衛隊を慣れさせて緊急事態を日常化」といった話も出てきていますが、
その可能性もゼロではないかなとも思います。
質問者:
確かに自衛隊の方が街を歩いていたら「緊急事態感」がありますものね……。
猟銃許可に関しては外国籍の方もとることができるというのは本当ですか?
筆者:
これは本当みたいです。
警視庁の猟銃・空気銃の所持許可申請のページに行きますと『外国人の方は、住民基本台帳法に規定する国籍等の記載ある住民票の写しが必要です。』とあるので、申請はできるようです。
質問者:
なんだか怖い気もするんですけど……。
筆者:
「キチガイに刃物」という言葉がある通り精神的に問題がある方であれば、
国籍問わず銃所持は危険だと思いますよ。
外国の方が先ほどの要件に合わない発砲をすればビザ取り消しなどにもなりかねませんからね。
ただ、中国に関しては「国防動員法」に基づいて一斉に日本国内にいる中国人の方に「武装蜂起」を促す可能性があります。
海外にいるのに中国本土の言うことなんて聞くのか? と思われるかもしれませんけど、中国にいる家族を「人質」に取られればやらざるを得ない可能性もありますからね。
そういったリスクを未然に防止する必要性はあるのかなとは思います。
質問者:
中国って自由そうに見えて実は自由じゃない感じがありますからね……。
筆者:
話は飛びましたけど、やはり太陽光パネルにせよ広葉樹を伐採し、針葉樹を植えたことにせよ、「政策の失敗」という人為的な原因で自然や生態系が破壊されてクマが人里に下りてきたことは間違いありません。
政治の責任は非常に大きいと思います。
しかも、危機を自ら作り出してそれをドヤ顔で対策する「マッチポンプ」であることはほぼ間違いないことだと思います。
最低でも以前の政策を反省し、未来に向けて動くといった姿勢でなければいけないと思います。
海外では太陽光パネルと生態系について悪影響が起きているという研究が行われているようですが、日本では行われていません。
そういった周辺の研究についても進めていくべきかなと思います。
ということで今後もこのような政治や社会問題について個人的な意見を述べていこうと思いますのでどうぞご覧ください。




