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8.慣れない

心が洗われているようで心の洗濯と言われているのも納得…!


お風呂に浸かりながら、すばらしさを噛み締めていた。そして、レオルドさんには先に部屋に戻ってもらい、約1時間のお風呂タイムを楽しんだのだった。



お風呂を出てから髪を乾かし、スキンケアを入念にしてから裏庭を元に戻してから気分よく部屋に戻る。

部屋の扉をノックして入ると渡したケア用品は机においてあり、よく見ると使ったような形跡があった。


レオルドさんは髪を濡らしたまま未だに疲れた顔をして椅子に腰かけて待っていた。


「ただいまもどりました~」

「ああ…そこに置いてあるのを、全種類、言われた通りに、使ったぞ…!」


強調するような区切った言い方に少しの違和感と疑問が浮かぶが、しっかりとケアをしてくれたようでホッとした。


「…?はい、それはよかったです。けど、髪乾かさないんですか?」

「……。普通、自然に乾燥するのを待つもんだろ?」

「乾かさないと髪が痛みますよ?」

「…もう好きにしてくれ…」

「はい!じゃあ、魔法で乾かしますね」


私はレオルドさんの後ろに回り、絡まっているところもあるため、不慣れながらも時間をかけて毛先から少しずつ、ゆっくり丁寧に梳っていく。ある程度梳いた後、火魔術と風魔術を混合させ温風を出し、乾かしていく。


レオルドさんは何も言わず、されるがままになっている。


髪が腰の位置まであるのでやはり乾くのに時間がかかる。

水分を飛ばす魔術もあるにはあるが、水分を全て蒸発させてしまうのか、肌に使うとカッサカサに、髪に使うとキシキシしてしまう。


便利だし、相当練習すればできるようになるのだろうが別にそこまでできなくても困ってないため、そのまま放置し続けている。


時間がかかってようやく髪を乾かし終わり、暗くなってきたからか、そのタイミングでレオルドが動き、机にあるランプに火を灯してまた元の態勢に戻った。「ありがとうございます」と伝え、座ったのを確認してから、ほのかに香る程度に調整したオリジナル香油を髪の毛全体に満遍なく馴染ませていく。


そこまでするとパサついていた髪に艶が少し戻ってきていた。

この成果に私はとても満足した。


だからこそ、長い髪が下したままにしていることが気になり始めた。


「そのままだと髪が邪魔じゃないですか?結びます?」


そうして収納魔術から布を取り出し見せると、「…頼んだ」と投げやりに返されてしまった。


どうしたらと悩んだが、この後は夕食を食べて寝るだけなので凝ったくくり方をしなくてもいいかと思い、髪を後頭部で一つに束ね、布で結わえる。

少し髪が落ちてしまっているが、まあいいかと思うことにする。


「どうですか?これで大丈夫ですか?」

「…少し邪魔だったから助かった」

「どういたしまして」


気が付けば窓の外はだいぶ暗くなっている。

夕食を取るのにいいぐらいの時間なので、レオルドさんを誘い、ランプを消して部屋を後にした。



食堂に行くとすでに半分以上の席が埋まっていた。


レオルドさんが私の代わりにまとめて食事を注文する。

宿屋の人にエールもどうかと言われたが、ここで指すエールは日本でいうところのビターエールに近いお酒で苦みが強い。


この世界の成人が15歳でルナは一度断り切れずに飲んだのだが、おいしいと感じることができなかったので遠慮し、レオルドさんの分は頼んで代金を支払らう。


適当に空いている席に座って待っているとすぐに食事が運ばれてきた。

献立は一般的によく食べられている黒パンに数種類の刻んだ野菜が入ったスープ、タスクラビットという牙のあるウサギ型魔獣のステーキだった。黒パンは水分がなく硬くて噛み切れないので千切ってから塩だけで味付けされたシンプルなスープに浸して食べ進める。ステーキは意外と柔らかく鶏肉に近い味で食べやすいが、臭みが残っていた。


臭みが残っているのもシンプルすぎる味もいつものことなのだが、せめて胡椒だけでもかけさせてほしい…!という思いを捨てることができずにいる。


実際にルナは胡椒と胡椒以外の香辛料もそう多くはないが所持している。旅をする中で見つけては買って少しずつ集めたのだ。何せこの世界で出てくる料理はうまみは強いが、野性味あふれる味のものが多く、匂いに慣れることができないルナには口に合わないものが多い。そのために普段は自炊して自身が食べやすいように工夫をしている。


食べづらく感じる料理を苦戦しながら食べ進めていると、私の前に座って食事をしているレオルドさんからステーキのおかわりを要求されたので今後とも自由にしていいと伝えると、注文をしに席を立った。目の前にある自身のものではない食事はほとんど残っていない。


早く食べないと待たせてしまう、と急いで食事を再開したのだが慣れない味に思うように進められず、結局、ステーキ2枚とエール1杯をおかわりしたレオルドさんを待たせてしまったのだった。



夕食後、だいぶ待たせてしまったことを謝ってから部屋に戻り、軽く明日の予定を話し合っていると眠くなってしまい、今日は色々あったからと理由をつけて早々にベッドに入るとすぐに意識を手放した。


読んでいただきありがとうございます!

安いお肉だと特に血抜きがしっかりできていなくて臭みを感じてしまっています。なのでルナが手料理をふるまうシーンが多くなる予定です。一応作ってくれているものなので顔には出さないし、完食もしています。

レオルドから見るとルナは食べるのがすごく遅い人なのです。


「面白いなぁ」

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