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14.護衛依頼

「C級パーティー、〈火焔の聖剣〉のリーダーを務めている剣士のパルレだ。よろしくな。」

「盾士のジグリードだ。何かあれば頼って欲しい。」

「弓術士のセルジオです。よろしくね」

「拳闘士のセバンだ。よろしくな!」

「戦斧士バンダル」

「俺たちはD級パーティー〈閃光〉です!で、俺がリーダーで剣士やってます!ブリジオです!」

「私はフラーラと言います。魔術士をしています。よろしくお願いします。」

「短剣士で斥候のライラだよ!よろしく!」

「ダリです。拳闘士です。よろしく、です。」


北東の門の前で他のパーティーとの顔合わせをしていた。レオルドさんと話をして王都までの道のりで護衛依頼を熟すことにしたのだ。


そして自分たちの番が回ってきた。レオルドさんの顔を見ると、お前から言え。という圧を感じた。


「は、初めまして。ルナです。ええっと、C級冒険者です。よ、よろしくお願いします。」

「A級冒険者、拳闘師のレオルドだ。で、ルナは魔術士だ。俺のことはルナの付き添いだと思ってくれ」


ここでもやはりA級冒険者という言葉にみんな驚いているが、その後は普通に護衛位置の確認をして雑談をする。皆いい人そうでよかったと心の底から思う。


「おおーい!自己紹介は済んだか?もうそろそろ出発するぞ!」


依頼人である商人の声にみんなが先程話し合った位置に着いていく。買った馬に私が前で横座りになり、それを支えるようにレオルドさんが手綱を握っている。そして、馬を操り、商隊の前方右側に移動する。


「よし!じゃあ、出発するぞ!」


その掛け声とともに荷馬車が動き出す。それに合わせて馬を進めてリズドスの街を後にした。



商隊の道程は予定よりも早く進んでいた。


レオルドさんに乗馬スキルを習得してもらうために馬を買ったので、魔獣が出てくる前に魔術でサクッと仕留めて風魔術で回収し、収納魔術に入れる。これを繰り返していたので商隊は休憩以外で一度も止まることなく、今日泊まる街に予定よりだいぶ早い時間に到着した。


そしてレオルドさんは乗馬スキルを獲得した。



宿屋の食堂で夕食を食べ終わった後、商人がみんなに聞こえる大きな声で今後の予定を説明し始めた。


「今日はご苦労様!特にルナのおかげで早く進んだ。だから、明日からは野営をしながら進んでいこうと思う!というわけで、今日はしっかり休んで明日も頑張ってくれ!」


各自思い思いの返事をして部屋に戻り、明日に向けてそれぞれ身体を休めたのだった。



「さあ!今日もしっかり頼むぞ!」


今日も商人の掛け声とともに進み始める。

昨日同様のスタイルで馬に乗り、魔術でサクサクと魔獣を狩る。


「ほんと、快適な道程だ!最近は魔獣も多くなってきて大変だったんだがなぁ。それが嘘みたいに進んでいくな!嬢ちゃん様様だ!」

「そ、それは、よかったです」


御者をしている商人がこちらを向きながら機嫌よく笑う。


確かに最近、魔獣が多くなったと誰も彼もが不安を零していたが、何か原因があるのだろうか。

答えの出ない問いを悶々と考えながらも魔獣を倒していった。



今日も順調に進み、整備された開けた場所に荷馬車が近づいていく。


「もうそろそろ日暮れが近い。今日はここまでにして野営をするぞ!」


その場所に荷馬車を止め、各々野営の準備を始めていく。自分たちもテントを出すなどの準備をしなければならない。


「じゃあ、俺たちも準備するか。道具を出してくれ」

「大丈夫です!任せてください!」

「…。本当に大丈夫なんだよな…?」

「大丈夫です!!」


この時のルナは心に闘志を燃やしていた。



ベッドを野営に必要ないと馬鹿にしたレオルドさんを絶対にぎゃふんと言わせてやる…!



彼からすれば馬鹿にしていないし、常識で考えた結果の結論を言っただけなのだが。


そんなことは知らないルナはやる気を漲らせて野営準備を始めた。



まず、収納魔術から今まで使っていた狭い一人用のテントではなく、彼に内緒で買い、空間拡張の付与を行った、中は7m×7m四方の外から見ると何の変哲もない二人用のテントを取り出す。その中にベッドを二つ置き、間にはサイドテーブルとその上に魔道ランプを設置する。


空いている空間に寛げるように一人掛けのソファを二つとテーブル、魔道ランプを設置すると少し寂しい感じがした。そのため、クッションをバランスよく置いて、完成である!


この野営を体感すれば、きっと…!という希望を抱きながら、お披露目をする。


「できましたよ!!さあ、いかがですか!すごいでしょう?!」

「…。野営って、何だろうな…」

「どうですか?!ベッド、必要でしょう?!」

「…そうだな…。これなら必要だな…」

「そうでしょうそうでしょう!」

「はあ…」


寝具が必要だと認めさせたことに大満足していたが、レオルド自身は「俺にはもう、どうすることもできない…」と無力感に苛まれていたのだった。


「あとはお風呂とお手洗いも作らないとですね!待っててください!」

「待て待て待て待て?!風呂?!どんだけ快適にする気だ?!」

「え?必要じゃないですか、どれも」

「ルナの中での野営ってなんだ?!」

「野営は野営ですよ?何言ってるんですか?」

「なんで俺がおかしいみたいに言われないといけないんだ…?!」



レオルドさんが騒ぎ立てたことで注目を浴びることになり、結局快適なテント空間は他の人たちにバレてしまった。羨ましがられたが、その代わりに皆で使う用にお風呂とお手洗いを作ると、とても喜んでもらえて不満は出なかった。

読んでいただきありがとうございます!

『術』という文字が入った役職は魔術を戦略によく組み込みますよっていうアピールです。

『士』と『師』は見習いと熟練くらい歴然とした差があります。ルナは魔術師として、レオルドも拳闘術師として一流。面倒事を押し付けられないために『魔術士』や『拳闘師』を自称してますけど、ルナは早々に「魔術士レベルじゃなくね?」ってバレてますよ!


「面白いなぁ」

「続きが見たいなぁ」

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