1.プロローグ
「お前にソロは無理だ。ましてやパーティーなんてもっと無理だ。もう奴隷を買うしかねぇよ」
「はい…分かりました…」
ギルドマスター、ロギレンスの提案は正論過ぎて、俯きながら返事をすることしかルナは出来なかった。
その項垂れている様子を見て、目の前のソファに座るロギレンスは大きな溜息を吐き、呆れている。
「俺だってなあ、まさかこのリズドスの街を魔獣から守ったやつがあんなところで復興作業したり、寝泊まりしたり、炊き出しで腹を満たしてると思わなかったわ。」
「ご迷惑を…おかけしました…」
「まあ、誰が倒したとかギルドが周知するわけでもねぇし、こんな見た目じゃあ魔獣を倒せるなんざ誰も思わないよなぁ」
「はい…すいません…」
その言葉は全くもってその通りであるため、謝罪するしか出来ない。
実際問題、何も説明出来ずに流されるまま人に言われた作業をやっていたところを実力を知ってくれている人に見つかり、ロギレンスに報告がされて、冒険者ギルドのギルドマスターの執務室に案内され、今に至っている。
この事実を再確認するとうつむいたまま身を縮こまらせずにはいられない。
私の反応を見たからだろう、先程よりも大きな溜息を吐かれてしまった。
「お前は気が弱すぎる。冒険者とは思えないくらいにな。パーティーを組んでもどうせ便利に使われて分け前も貰えず、損をするだけだ。」
「はいぃ…」
「お前は時空魔術の収納が使えるし、魔術師としても一流と言っていい実力があるから、前衛が務まって、ある程度交渉ができる奴隷を買うことを薦める。あと、顔がいかつければなおよし。」
過去に何度もそのような被害に遭ってきたため奴隷の購入に納得出来たけど、前衛を熟せて交渉上手な人物を想像してみると、そんなタイプの人とうまくやっていける気が全くしない。それに加えて、多少なりとも気長に過ごせる人でないと無理だと思う。
「そんな人、いますかね…?」
と窺うように尋ねてみたが、
「そこそこいると思うぞ。まあ、うまくやっていけるかは別だがな」
と軽く返されてしまった。
うまくいかない未来ばかりを想像してまた深く俯いてしまったからか、再度大きな溜息が聞こえたのだった。
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