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いざ テルマエ アリマへ

神戸に数年住んていたことはある。

しかし、当時は行かなかった。

今日は、片道3時間の旅。

最近の酷暑とは違い、心地よい曇り空。

いざ、テルマエ 有馬へ

さあ、旅が始まる。


時を同じくして、神戸市立博物館では、今まさに、テルマエと有馬温泉の特別展が開催されている。

トンネルを抜けると青天が広がっていた。

私の旅の背中を押してくれているかのようだ。

車窓から見える景色に高揚感を覚える。


昨日は五山の送り火だった。

今年の盆休みは、京都、奈良と思い出の地を巡った。

そして、神戸。

満たされた1週間。

これって…まさかの終活。いや、まだ早い。半世紀しか生きてない。


半世紀を過ぎた頃から、徒然づれと書きしたためている。これも、ある意味終活かもね。


嵯峨野線から京都線に乗り換えると、いつも高揚感が高まる。どんどん近づく目的地。やっぱり、神戸は好き。


電車の中の人間模様は実に面白い。

ベビーカーの妹に向かって、座席の姉が、『あんた何食べてんの』すかさず妹が『おにぎりせんべい』

こんな何げない日常が愛おしい。

初対面の赤ちゃん連れ同士の微笑みも、車内の穏やかな時の流れを象徴している。

隣に座っている次男にも、こんな頃があったはず。

いや、少し違う。こんな穏やかに時間は流れていなかったような気がする。

あれっ、まさか初対面じゃなかったのか?

親しげな会話。


岸辺といえば、露伴。 

打出といえば、小槌。

普通列車も急に密度が濃くなってきた。

乗客の服装も千差万別。人の数ほど服がある。

ああ、有馬への道は、まだ遠い。


ふと、電車の中吊り広告に目をやると、『大阪、関西万博で働こう』

大阪駅

『くるぞ、万博』

オリンピックの次は万博ね。


大阪過ぎて、また、普通列車に平穏が訪れる。

着実に有馬へ近づいている。

淀川…桂川や保津川とは違うよね。街の色をしている


甲子園口

疲れ切った表情の母親が座席に座り、娘の髪をとかす。タブレットを見る娘の髪を結い上げる。

そして、ため息をつく。

さて次の駅

靴を脱ぎ座席に向かって座り、ミニカーを走らせる少女。

それぞれの風景

次は芦屋

孫を連れた夫婦のお出かけ

身なりが裕福さを物語っている。


京都線の人間ウォッチングはやめられない。

それぞれの世界に住んでいる人達

この20年間は、周りを見る余裕すらなかったが。


いよいよ神鉄

ローカル感が良いよね

有馬温泉駅から太閤の湯までの温泉街の景色は、湯の花に似ていた

到着。館内着に着替え、花御膳をいただく。

二段重。一の重。鱧の天ぷら、刺し身、茶碗蒸し。様々な味を堪能。二の重。ガトーショコラに、杏仁豆腐。デザートも美味しそう。ふと、リリーに目をやると、一の重の2段重ね。違和感無く食べようとするのを寸前で止めて、変えてもらう。

日帰り温泉の準備は整った。


サウナ、露天風呂、金泉、銀泉。

あっと言う間の1時間。

一人で入湯しても時間が足りないくらい。

湯の花にはない、金泉、銀泉を満喫。

肌にツヤが出ている。


湯治を終えて帰路につく。

夕暮れと共に、物悲しさに襲われる。

列車に揺られて、程良い旅の疲れを感じながら、隣のBOX席から聴こえる幼児の歌声に癒される。


BOXの向かいの席で寝ているリリーの口角から…が顎を伝う。

掌で拭い再び眠る。


嵯峨野線に乗る頃には日も傾きかけ、夕日が眩しい。

片道3時間の旅は終わりを告げようとしていた。

日常に戻るには侘しい。





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