episode5
「おはようございます、何か問題等々はありますか?」
男の1人が話し始める
「分かりました。それでは失礼します。」
俺が思った以上に巡回というものは単純だった。家の中片っ端から調べられ怪しい物は連れていかれるのかと思い込んでいた。
「もう大丈夫!」
猫耳はそう言いながら箱に近づいてくる
俺は見つかったら殺されるのもだと思ってたのだ安堵で涙がこぼれそうだ。
「大国の巡回はいつもこんな感じなのか?」
猫耳に尋ねる
「いつもこんな感じ、抜き打ちで来るのだけは勘弁だけど…あと…以前…」
猫耳は言葉を濁す
「やっぱりなんでもない、忘れるにゃ」
取り繕った笑顔だ、猫耳は分かりやすい。
きっと以前に何かあったのだろう。
「そ、そう言えば猫耳はやっぱり語尾はにゃの方が合うと俺は思うぞ」
猫耳はまた少し怒った表情をした
俺は少し安堵した、この世界で出会ったばかりの猫耳、なぜ耳があるのか、なぜ素性の分からない俺に優しくしてくれるのか、なぜ、なぜ…色んな事が気になるがとにかく猫耳は笑ってる方がいい。俺もその顔を見ると少し安心できる。
「明日、この町でも案内するよ」
猫耳は笑顔をまた見せてくれた
ぐぅぅう
おなかの音だ、そういえばこの世界に来てからまだ何も食べてない。
腹が減っては何たらと言うものだ
「お前腹減ったのか?特製の美味しいご飯でも食べるか?」
ご飯までご馳走してくれるらしい、猫耳は優しいやつだ
「ちょっとまってろ」
猫耳はスタスタと別の部屋にいく
「じゃーん!栄養満点だぞ、食え食え」
俺は目の前に出されたものに驚いた
虫だ、どう見ても虫だ、バッタみたいな虫だ
「どうした?食べないのか?猿種は虫は好まないのか?」
罰ゲームだと思った。猫耳をからかった罰だと
「食べないならいただくぞ」
猫耳は皿に盛られた虫に手を伸ばす
衝撃の光景だった。
見た目も可愛らしい猫耳が生きたままの虫をそのまま食べている。
何より笑顔だ。おかしい、異世界では見たことの無い美味そうな料理が出てくると思っていた。
「おい、食べないと死ぬぞ」
猫耳は笑顔で虫を差し出す。
「あ、お、俺は今日は体調悪いや…あ、明日町で何か見つけるとするよ」
いまだに動揺が隠せない。かわいい女の子耳がが付いてるといえ虫を食べているのだ
俺はもう寝ることにした。ショックだ、これから生きてくのに虫を食うかと思うとおなかが痛くなってきた。病はなんたらと言うやつだ。
「お前、もう寝るのか?それじゃまた明日!美味いもの食わせてやるから楽しみにしとけ」
猫耳は虫を頬張ったまま満足気な顔でこちらを見ている
「それじゃ、おやすみ」
俺は引き攣った顔で猫耳に手を振る