episode3
穏やかな昼下がりの森の中に1人ぽつんと俺はいた。
そこら辺に生える草木はどれも日本でも目にするようなもので実感がわかない。
ほんとに異世界というの物があるだろうか、これは夢の中なのではないか、
色々なことが脳裏を過ぎっては悩ませる。
ガサガサ
草木の茂みから物音が聞こえる。
思わず俺は身構える。
異世界と聞き想像するには見たことの無い獣や獣人、ゴブリン、はたまたドラゴンなどがいるのかもしれない。
ガサガサガサガサッ
茂みの中から1匹の獣が飛び出してきた。
うさぎだ、普通のうさぎだ、俺がよく知ってるうさぎだ
もしかしたら、このうさぎ言葉を喋るのかもしれない。
うさぎは俺をみたまま固まってる。
「お、おはよう…」
俺は小声でうさぎに話しかける
うさぎはしばらく俺をじっと見つめては物凄い勢いで茂みに姿を消していった。
異世界って言われても何も変わらないじゃないかこれじゃただの浮浪者だよと俺は深くため息をつき地面に座り込む。
「おい、お前何をしている?」
後ろから声が聞こえる。もしやさっきのうさぎかと振り返る。
獣耳だ、猫耳だ、しっぽまである。
女の子か?人間?もしや、これが獣人?
短い青の髪に猫のような耳、そして、長いしっぽがある。
まるでコスプレしたような女の子だ
「おい、お前だ、そこで何をしている?」
俺は驚きと感動のあまり声が出ない
「おい、お、ま、え」
「はいっ、な、なんでしょうか子ネコちゃん」
「子、子猫ちゃんだと?!!」
猫耳は明らかに動揺しては怒りの表情でこちらを見つめる
「それは本物?触ってもいいか?」
猫耳は顔を赤らめてはいきなり殴りかかってきた。
俺はその勢いで後ろに倒れる、それからは記憶がない。