ユーリオン、風邪をひく5
side:ユーリオン
再び目を覚ますと、夕方の5時を過ぎた頃だった。
周りには、昼間起きた時にはいなかったニクスとハクアの姿もある。
ハクアはあまり外に出たがらないので少し心配だったが、無事な姿に安心する。
朝は熱で頭がちょっとボーっとしていたが、今は寝過ぎでボーっとしている気がする。
部屋の中に母様が見当たらないので、席を外しているようだ。
「起きたの?」
「うん」
「主様、無事!?」
「大丈夫だから安心して」
「主様、山でお土産沢山」
「?」
「ハクア、落ち着きなさい。主殿は起きたばかりなのですから」
ジャックがハクアを落ち着かせる。
その間にニクスが簡単に説明してくれた。
なるほど、ニクスとハクアは山に行っていたのか。
自分の為に取って来てくれたと思うと、嬉しくなる。
上の方には「カマツカ」「コケモモ」っぽい食べられる物と、
「ヒョウタンボク」っぽい毒性の危険な物が混じっている。
これはニクスの言う通り、鑑定を使って確かめないと大変な事になりそうだ。
「これ、僕が寝ている間に誰か持っていってたりしないよね?」
「それは大丈夫よ。やっぱり危ない物もあった?」
「うん、だけど、ちゃんと食べられそうな物もあるから大丈夫だよ」
「なら良かった」
「ありがとう」
「どういたしまして」
ニクスの頭を撫でていると、ハクアが飛び込んでくる。
「ニクスずるい! ハクアも!!」
「ハクアもありがとう」
ハクアも撫でてあげると喜ぶ。
「ジャックもありがとうね」
「? いえ、私は行ってませんよ」
「2人を行かせて、あえて残ってくれたんでしょ」
「……やはり、主殿には敵いませんね」
血のつながりどころか、種族も全員バラバラだ。
だけど、長女(?)のようなニクスに末っ子のハクア。
そして一歩引いた位置から、長男のように大人な対応をしてくれるジャック。
僕たちは良い関係なんじゃないかな。
静かにドアが開かれて、母様が入ってくる。
「起きてたの?」
「はい、つい先ほど」
「夕食は食べられそう?」
「頂きます」
「わかったわ」
夕食を待つ間にお土産の整理をしておこうかな。
万が一の為にも、危険物は取り除いておかないと。
何が入っているか分からないので、手袋をしてから分別していく。
8割くらいは食用に使える物で、2割に毒があった。
そのまま食べられる物もあったが、ジャムや酒に使った方が良い物もある。
何か作ろうかと思ったのだが、残念ながら母様に止められた。
もう大丈夫だと思うのだが、今日は大人しくしていよう。
また風邪がぶり返して、皆を心配させる訳にはいかない。
夕食を頂き、身体を清潔にし、部屋のベッドに戻る。
しかし、1日寝ていたせいで眠気が全く来ない。
眠くなるまでと思い、ハクア達と遊んでいたら騒ぎ過ぎたようだ。
母様に寝なさいと怒られた。
添い寝と子守唄が必要?とまで言われてしまったので、無理にでも眠る事にする。
風邪のせいで皆には心配をかけてしまった。
だけど、皆の優しさと愛情を特別に感じられる1日でもあった。




