ユーリオン、風邪をひく3
アメリアがユーリオンの看病をしていた頃、ニクスとハクアは街の外にいた。
ニクスはユーリオンの側に居たかったのだが、ハクアが何かしたいと言ったからだ。
ハクアだけでは危ないので、ニクスが仕方なく付き合う事になった。
現在は、ハクアがニクスの足に糸を巻き、ブランコのような形で空を飛んでいる。
「ニクス、あそこは?」
「人が育てている物は、勝手に取ったら駄目よ」
「この辺、主様の縄張りなんじゃ?」
「縄張りって……間違ってはいないけど、領民が困るとユーリオンも困るわよ」
「主様困らせたくない」
「そうね、だから少し離れた場所に行くわ」
1羽と1匹は、離れた位置にある山に向かった。
山なら人が少なく、木の実や果実が取れると思ったからだ。
予想通り、見た目が奇麗な果実や食べられそうな木の実を見つけられた。
その事に1羽と1匹は喜ぶ。
ただ、ここで1つ問題が発覚した。
自分達が食べられても、ユーリオンが食べられるのか判断できないのだ。
ユーリオンのように、ストレージに仕舞う事もできないので、持ち帰れる量はそう多くはない。
持ち帰った物全てが無意味になる可能性だってある。
「……どうしようニクス……」
「考えても答えが出ない事は考えない。少しずつ色々持って帰りましょ」
「ニクス賢い!」
「当然よ!」
1羽と1匹は手分けして、食べられそうな物を集める。
30分ほどで色々と集めたが、また問題が発覚した。
どうやって持ち帰るのかだ。
カゴのような物は持ってきていないので、せっかく集めた物を入れる物が無い。
「ハクア、糸で編めない?」
「やってみる!」
ハクアは以前背負ったカゴをイメージして挑戦するが、結果は失敗だ。
形が悪いのは仕方ないにしても、穴が空いていたりするので、落ちてしまいそうだ。
ニクスは大きな葉を利用する事を思いつく。
葉で形を作り、それをハクアの糸で補強する形だ。
こちらは糸で固めるだけなので、成功する。
できた即席カゴに、ハクアが集めた物を入れようとするのを、ニクスが止める。
「ハクア、入れる順番を考えないと駄目よ」
「順番?」
「そう、硬い物を下に、柔らかい物は上にしないと潰れちゃうでしょ?」
「ニクス賢い!」
「当然よ!」
目的を果たした1羽と1匹は山を飛び立つ。
大好きなユーリオンの元へ戻る為に。




