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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
第8章 フェニックス領編
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異世界転生したらオークだった件2


 side:ヴィルトシュヴァイン


 こちらの世界に転生してから5年の月日が流れた。

 前世では1人っ子だったが、今世では兄弟姉妹が沢山いる大家族に生まれた。

 服の御下がりや、おかずの取り合いに憧れた事があった事は認める。

 だが、流石に大家族過ぎる。


 前世では全くモテなかったが今世は違う。

 近所では評判の美人姉妹も、隣に住む幼馴染も俺に優しいし、良く構ってくる。

 どうやら俺はかなりの美形に見えるらしく、家族以外の周囲もみんな優しい。

 土臭い田舎の村ではあるが、作物は良く育つし良い場所だと思う。


 ……いや、現実逃避はもう止めよう。

 周囲は全員オークだし、何度自分の姿を確認しても、自分もオークだ。

 見た目がオークでも、こちとら中身は人間だ。

 オークにモテても、全然嬉しくない。


 なんなら、兄弟が『羨ましいぜ』なんて言って来る度、ぶっ飛ばしたくなる。

 なんで転生先がオークなんだよ!?

 オークにモテるスキルとか、もはや呪いじゃねーか!!


 ひと気の無い場所まで移動し、周囲を確認してからもう一つのスキルを使用する。 

 せめて『スマートフォン』があれば、異世界知識で金持ちになれると思っていた。

 金さえあれば、オークでも幸せになれる。


 しかし、現実はいつだって残酷だ。

 スマホがあっても、電波は無く常に圏外だった。

 当然インターネットは使えない。


 アラームや電卓、カメラ機能なんかは使えそうだが、それくらいだ。

 ネットの使えないスマホなんか意味ねーじゃん……。


 転生先→オーク

 貰ったチート:魅了【オーク限定】、スマホ【圏外】


 なめてんのか!?

 これなら普通に鑑定かアイテムボックス、強い武具か魔力を貰えば良かった。

 

 夢も希望も無い異世界転生だが、生きている以上は生活していくしかない。

 せめてもの救いは、ここがファンタジー世界である事だ。

 大人になったら村を出て冒険者になり、エルフや獣人の女の子を見に行こう。


 それから更に7年の月日が経った頃、平和な村に問題が起きた。

 オークの男女比は7:3で男の方が多く、女が少ない。

 全く嬉しくないが、俺狙いの者が多く、男が余りまくっているのだ。


 村長に1人選ぶなり、なんなり、どうにかしてほしいと懇願される。

 たとえ身体はオークにされても、人の心は失ってはいない。

 つまり端的に言うと、オークは守備範囲外だ。


 父親と兄弟に別れを告げ、村を出る事にした。

 母や姉妹に言わなかったのは、絶対に引き留められると思ったからだ。

 

 近くの町で冒険者登録をしたところ、運良くオーク3人のパーティーに拾って貰えた。

 女が1人いるのは気がかりだったが、リーダーと幼馴染で良い仲だというので安心した。


 せっかくの異世界なのに、魔法はあまり得意では無かった。

 残念ながら派手な魔法は使えず、地味なスキルばかりだ。


 なかなか良いパーティーだと思っていたのに、半年くらいで問題が起きた。

 唯一の女性メンバーが俺の事を好きだと言い始めたのだ。

 結婚を考えていたリーダーは心を病み、パーティーから追い出された。


 もう女がいるパーティーは駄目だと学んだので、今度は男2人のパーティーに加入した。

 だが、しばらく経つと、2人がモテる俺をひがみ、ギスギスしてきたので抜けた。


 サークルクラッシャーみたいな噂も立つ中、誘ってくれる者もいた。

 そこはオッサン3人のパーティーで女っけが無く、安心できた。

 

 ちょっとボディタッチやスキンシップが多い気もしたが、冒険者ならこんなもんかと思った。

 ある日、風呂に入っているとリーダーが入ってきた。


 タオルで隠し切れないほど、リーダーの『ゲイ・〇ルグ』が大変な事になっていた。

 リーダーはホモだった。


「分かっている。お前も女が嫌いなんだろ?」 


 女が嫌いなんじゃない。

 オークの女に興味が無いだけだ!!


「大丈夫だ、安心して俺に身を任せろ」


 身の危険を感じて鳥肌が立つ。

 力では絶対に敵わないし、絶体絶命のピンチだ。

 このままでは童貞を捨てる前に処女を散らす事になる。

 ああ、汚い薔薇が咲いてしまう……。


「背中流してや……リーダー、なにやってんだ!?」

「うるさい! 邪魔をするな!!」

「抜け駆けは禁止だって誓ったじゃないか!?」


 お前もか!!


「背中流してや……お前ら、なにやってんだ!?」


 今確信した。

 このパーティーはホモの集まりだったのだ。


 オークのオッサンズラブだ。

 汚い絵面で、まさに地獄絵図である。


 3人が揉める中、こっそりと全力で逃げ出した。

 もうこんな生活嫌だ……。


 なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ。

 そうだ、あの黒い光のせいだ。

 絶対に許さない!!


 レベルを上げて、必ず強くなってやる。

 狙うなら異世界人が集まりやすいヤマトか?

 ……いや、あそこは魔王の膝元だし、無理だな。


 魔大陸以外に行ってみるか。


 



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