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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
第8章 フェニックス領編
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異世界転生したらオークだった件


 side:ヴィルトシュヴァイン


 気が付いたら薄暗い暗闇の中にいた。

 ここがどこなのか分からないのに、なぜか不安にはならなかった。 

 むしろ、自分の部屋にいるかのように落ち着く。


 いつの間にか黒い光がそばにいた。

 周囲は暗いのに、その黒い光は不思議と良く見えた。


「あなたには異世界に転生してもらうわ」 


 少女のように甘い声が、眠いのか気怠げに話しかけてきた。

 色々と聞かなきゃいけないはずなのに、それを頭の片隅に追いやってしまう。

 俺はラノベやアニメが好きなので、ついに俺の時代が来たかと舞い上がる。

 

「喜んで! チートはもらえるんですよね!?」

「……う~ん、内容に寄るけどぉ、2つくらいならぁ?」


 2つか……多いのか少ないのか分からん。

 だが、自分で選べるなら良いか。


 何が必要だ?

 敵を倒す武器か、身を守れる鎧か、いや最も大事な事はモテる事だ。


 どれだけ強くてもモテなければ意味が無い。

 逆に言えば、モテさえすれば勝てる。


 ふと、思い出す。

 とあるラノベの主人公が女の子にモテたいと願った結果、

 ゴブリンやオーク、ゴリラみたいなものまで、全ての種族に狙われて悲惨な目に遭った事を。


「自分と同じ種族限定でモテたいです!」

「同種限定の魅了ね、わかったわぁ。あとは?」


 後必要なものは金を稼ぐ手段か?

 よくある異世界ものだと、紙や砂糖なんかを作って稼いでいる。

 だが、普通に生活してきて、そんな知識が必要になる事なんか無かった。 

 

 知識があれば戦って危険な目に遭わなくても、金を稼いで生きていける。

 スマホがあれば困ったらゴーゴル先生や、ヤッホー知恵袋に聞けばいい。


「スマホを持って行く事はできますか?」

「すまほぉ?」

「……駄目……ですか?」

「……………」


 無言なので、別のものを考え始めると、黒い光の隣にスマホが現れる。

 その浮いているスマホは見慣れた機種で、おそらく俺の物だ。


「データを全部消すなら良いわよぉ」

「…………」


 あの中には、俺の好きな絵師が描いた画像が沢山入っている。

 そのコレクションが全て消えるだと……。

 ……しかし、スマホを持って行く為なら泣く泣く耐えよう。


「それで構いません」

「もういい?」

「あ、スマホは充電がきれず、盗難防止に亜空間とかに仕舞えたりはできますか?」

「……んー、なら魔力で充電可能、貴方の意思で亜空間に出し入れ可能にしとくわ」 

「ありがとうございます!」

「それじゃ、送るわね」


 黒い光は彼の願いを可能な限り叶えた。

 ただ、彼は自分が次も人間になると信じて疑っていなかった。

 聞かれれば、答えられたかもしれないのに。


 むしろ、最初に転生先を確認していれば、魅了なんて望まなかっただろう。 

 



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― 新着の感想 ―
[良い点] …ヴィルトシュヴァインは異世界転生や転移の反面教師やな!…まず異世界に行くにあたって、自分は何者になるか?…これ確認が大事ですな!…自分は…性別は変わりたく無いですし…ゴブリンや虫に転生す…
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