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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
第8章 フェニックス領編
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オークに転生した者との交差4


 side:ユーリオン


 さ、寒い。

 早朝の冷たい空気の中、濡れた服で戦っていたので、余計に冷えてしまった。


 とりあえず暖まろうと、落ちてる枯れ枝を拾って燃やす。

 風魔法も使って温風で服を乾かす。


「……朝飯まだだろ、魚食うか?」

「良いね!」

「ちょっと待ってろ」


 新鮮な魚を焚火で焼いて食べる。

 凄く美味しそうだ。


「あ゛ぁぁぁぁぁーーー!?」

「どうしたの!?」


 おそらく魚が入っていただろうバケツは倒れていた。

 そして魚は真に残念ながら、猫たちに美味しく頂かれていた。

 

 あまりのショックに土下座のような姿勢になっている。

 なんて声をかけたら良いのか。


「……なあ……異世界の猫って食えるかな?」

「……仮に食べられたとして……食べられるの?」

「絶対無理」


 予定していたより早く来ていたので、まだ少し時間はある。

 なので、彼の泊まっているいる宿で朝食を一緒する事にした。

 念話でニクスに声をかけ、一緒に連れて行く。


 こんな早朝に、店がやっているのかと思ったが、港町なので開店も早いそうだ。

 あまり食べ過ぎると、戻った時に朝食を食べられなくなるが、せっかくなので魚は食べたい。

 中に入ると、魚をさばいているのか血生臭い。

 エルフよりオークの方が鼻が効くのに、気にして無いのは、種族的な差かな。


「あ、いらっしゃ……魚を釣りに行ったのに、なんで少年と鳥?

 うちは鳥の解体はやってませんよー」


 それを聞いた腕の中のニクスが暴れるので、大人しくさせる。

 あぶなく店が、物理的に炎上するところだった。


 焼き魚と、温かいスープをもらう。

 スープから臭みをまったく感じなかったので、美味しく頂けた。

 お代わりしたかったし、なんなら他も食べてみたかった。

 

 しかし、自分だけここで朝食を済ませるのは気がひけた。

 先に味見するくらいは、お土産を買って帰るので許してほしい。


「これからどうするの?」

「どうすっかなぁ……1回暴れてそんで負けて、なんかもう、どうでもよくなっちまった」

「今、旅の途中なんだけど、次にやりたい事が見つかるまで、一緒に来る?」

「お前と一緒にかぁ?」

「そんな嫌そうな顔しなくても」

 

 これでもかというくらい、不満そうな顔を見せてくる。

 その表情は、もはや顔芸の域に達している。


「俺に何をさせる気だ? お前が思っているよりも、俺は役に立たねーぞ」

「……う~ん護衛?……力仕事……とか?」

「なんで誘ったお前が疑問形なんだよ」

「あんまり考えずに言ったからね」

「……まぁ、いいか。ムカつくけど嫌いじゃないしな……ほんとムカつくけど」


 

 ムカつくって2回も言われたのは気になるが、時間も無いのでスルーする。

 とりあえず簡単に必要最低限な事を話し、こちら側の事情の説明を済ませる。


「……屋上行こうぜぇ……久々にキレちまったぜ……」

「いや、ここ屋上無いし、砂浜でもキレてたじゃん!?」


 そろそろ戻らないと心配されてしまうので、お土産を買い僕とニクスは先に戻る。

 流石に身体の大きいヴィルトは、ニクスでは運べないので、後から合流してもらう事になった。


「クシュンッ!」 

「大丈夫?」

「う~ん、ちょっと身体を冷やし過ぎたかも」

「翼を燃やせば暖かくなると思うけど?」

「目立っちゃうから大丈夫だよ」

「んー、それならせめて急ぐわね」

「ありがと、でも無理はしないでね」


 ユーリオンとニクスは海を背に飛び立って行くのであった。



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