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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
第8章 フェニックス領編
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オークに転生した者との交差3


 side:ユーリオン


 ヴィルトシュヴァ……長い!

 ヴィルトが僕の間合いに入ったので、両手から出した魔糸で身体を縛る。

 力を出しづらいように、ぐるぐる巻きにしてやった。


 まずは一発殴り返してやろうと、勢いをつけて前方にジャンプし、体重を乗せて顔を殴る。

 だが、剛毛に覆われた頬は硬く、殴った僕の方がダメージを負ってしまった。


「いっだぁぁ……」

「全然効かねぇなぁ」


 強がりでも何でもなく、本当にダメージになっていないのだろう。

 おそらくスキルすら使ってなさそうだ。

 もし硬化のスキルを使われていたら、折れていたかもしれない。

 

 分かってはいたけど、エルフとオークで殴り合うのは分が悪すぎる。

 結界でヴィルトの顔を覆い、そこに水魔法で水を入れて溺れさせようとする。

 だが、ヴィルトは最初こそ慌てたものの、まさかまさかの水を飲み切ってしまった。


「ごふぉっ……はぁ……はぁ……可愛い顔して、エグイ事するじゃねーか」

「飲むなんて対処法は初めてだよ」

「縛られて喜ぶ趣味は無いんでな、そろそろ外させてもらうぜ……ふんぬ!」

 

 無理に身体に力を込めるので、糸がその剛毛に覆われた身体に食い込んでいく。

 血が流れるのも気にせず、力任せの無理矢理な方法で糸を引き裂いた。

 満身創痍に見えるが、『自己再生』のスキルにより傷口が徐々に塞がっていく。

 

 ただでさえ身体能力に差があるのに、こちらの『自己再生』は〝小〟で相手は〝中〟だ。

 だらだらやっていたら、こちらの方が不利だ。


 繰り出されたパンチを避けて背後に回る。

 糸を巻いた腕を引っ張って後ろに回させ、今度は両腕を後ろに回した状態で腕を拘束した。

 これなら、先ほど以上に力が入れづらいだろう。


「今度は無理に引っ張れば、腕が取れるよ……」

「なめんなよ!」 


 そこまでするつもりはなかったのに、また無理に外したせいで左手首が切断された。 

 だが、左手を右手で掴み、左腕につけるように握っていると、くっついたようだ。

 いっそ種のある手品であってほしい光景にちょっと引く。


 こうなってくると、気絶させるか、さもなくば……。

 

 まだ完全にはくっついていないのか、左手首を押さえた状態で突進してくる。

 僕は背を向けて逃げるように走り出す。


「てめっ逃げんじゃねー!!」


 目的の位置までたどり着いたので、走るのを止めて振り向く。

 タイミングがズレると、防御できず僕もただでは済まないのでちょっと怖い。

 ベストなタイミングでしゃがみ、両手を砂浜につける。


 そして戦いが始まってから少しずつ集めていた砂鉄を使い、鉄柱を作って鼻に当てる。

 猪の武器である鼻は同時に最大の弱点でもある。

 オークもイコールであるかは不明だが、突進する相手の顎を狙うよりは狙いやすい。


 ヴィルトがふらつきながら、仰向けで倒れる。

 油断ならない相手なので、両手両足をそれぞれ縛ってから近づく。


「生きてる?」

「……頭がぐらぐらして気持ち悪いがな……

 けっ、油断して近づいてきたなら、最後に一発殴りたかったが……あぁ気持ちわりぃ……」


 まだ殴る気力があったとは……油断しなくて良かった。

 一応何かあっても躱せるくらいの距離までは近づく。


「……辱めを受けるくらいなら、くっ殺せ!」


 実は元気なんじゃ?

 

「もう襲ってこないなら、それで良いよ」

「……なぁ、同じレベルの相手を殺しても、相手によって経験値が違うのは知ってるか?」

「?……うん、極端な話、スライムLv.10とドラゴンLv.10では全然違うって」

「なら最強は龍種だとして、実際に倒せる範囲なら、何を相手するのが一番効率が良いと思う?」

「……ダンジョン?」

「それも悪くないが、違う。正解は転生者や転移者、つまり異世界人だ」

「……………」

「本当に知らなかったみたいだな。で、どうする?

 自分で言うのは何だが、俺は美味しいぜ」


 最初はいきなり何の話かと疑問に思ったが、それは知らなかった。

 だからといって、同郷者を狙ってまでレベルを上げたいとは思えない。

 縛っていた魔糸を解く。

 

「はっ最後の最後に油断しやがったな! 死ねっ!!」


 土魔法で砂を操って足を掴み、逃げられなくしてからの、強烈な右ストレートが飛んできた。

 だけど、その拳は僕には届かず、目の前で止まる。

 僕が何かしたからではない、彼が自分の意思で止めたのだ。

 もう殴るつもりなんて無い事は分かっていたので、あえて何もしなかった。


「ちっ、ほんとムカつくな……てめぇどこ中だよ?」

「聞いてどうするの!? というか、言っても分からないでしょ……」

「お前まだ本気じゃ無かっただろ?」

「それはお互い様でしょ」

「んだよっ、アイテムボックスに加え鑑定スキルまで持ってんのか……やっぱ死ね」

「そんな気軽に死ね死ね言わないでよ、もうお互いに一回死んでいるんだから」

「まさかワープまで使えるんじゃないだろうな?」

「使えたら便利だろうけど、存在するスキルなの?」

「過去に使えた奴はいたらしい。

 まぁ、既に羨ましいが、異世界3種の神器スキルが揃ってなくて何よりだ」


 後1個未開放のEXスキルがあるのだが、ワープの可能性もあるのかな?

 この事を言えば、また文句を言われそうなので黙っておこう。

 

 

 

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[良い点] …ユーリオンが勝ったこと!…オークが…色々悪だが、最低最悪じゃあ無かったこと! [気になる点] “自分にもっと文才があれば、文字だけでも上手く世界を表現できるのですが、 実力と努力が足りて…
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