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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
第8章 フェニックス領編
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フェニックス領への道中


 side:ユーリオン


 フォレスティアからフェニックス領の街までは、馬車で2日ほどの距離にある。

 なので、何度か休憩をしつつ、進んでいる。


 今はエレナとアイリスが御者台に座っており、エレナは手綱の扱いを教わっている。

 魔道具であるチョーカーのおかげで、安心して人前に出られるようになったからだ。 


 車内から窓を覗いていると、畑が見えてきた。

 畑が見えたという事は、そろそろ村が近いのだろう。


 だけど、今は昼なのに、なぜか畑に人の姿が見えない。

 皆でお昼休憩なんだろうか?


 まだ村まで距離があるが、耳の良いエルフには争うような喧騒が聞こえてくる。

 御者をしていたアイリスとエレナが馬車を止める。


「何かあったようなので、確認してきます」

「俺も行こう」


 アイリスの言葉にピエリスが続く。

 大丈夫だとは思うが、念の為、ニクスも連れて行ってもらう。

 

 5分もしない内にアイリスが1人で戻ってくる。


「どうだった?」

「……それが…」


 アイリスの説明によると、僕らが来る少し前に、村に数人の賊が来たらしい。

 村には子供と年寄りが多く、抵抗はしなかったので、怪我人はいないようだ。


 問題なのが、賊をどうするかだ。

 フェニックス領まで連れて行くにもまだ距離があるし、歩きに合わせれば到着が遅れる。

 しかし王国の法に則れば、怪我人もおらず殺すほどの罪は犯していない。


 確かにこれは判断に困る。

 安全確認が済んだので、とりあえず馬車を村に入れる。


 縛られた男が8人いた。

 以外にも暴れたり叫んだりもせず、無抵抗で静かにしている。

 すぐにやられてしまったので、荒事に慣れていない素人だったんだろうな。


 どうしようか悩んでいると、ピエリスに離れた位置に連れてかれる。


「どうしたの?」

「ユーリオン様、『支配』のスキルで自首させる事は可能ですか?」

「……なるほど」


 彼らには自主的に街に向かってもらい、そのまま自首してもらえば誰も困らない。

 非人道的なスキルなので、あまり使いたくは無いが、今回は仕方ない。


 早速試してみると、8人全員支配下に置けた。

 彼らを出発させようと思ったが、その前に罪滅ぼしをさせよう。

 

 村長に話を聞き、子供と年寄りでは辛い部分、力仕事などをやらせる。

 奪った食料で腹は膨れているだろうから、食った分以上に働いてから自首してほしい。

 賊はお金を持っていなかったので、このまま自首させれば村が被害に遭っただけで終わるからだ。


 村人達は賊に対し、当然疑いの目を向けていたが、文句も言わずに働くので、任せる事にした。

 仮に逃げたり暴れたりしても、僕達がいれば何とかなるからだろう。


「助けて頂き、本当にありがとうございました」 

「いや、偶々通りかかっただけだ」

「他種とあまり関わらないエルフの方々が何用でこの村へ?」

「この村が目的ではなく、俺達はフェニックス領の街に向かっている」

「……近々新しい領主様が来るそうですが、どんな方なのか分かりません。

 お美しいエルフの方々であれば、街には近づかない方が安全かと」


 村長が僕達を心配してくれるが、その領主が僕だ。

 今ここで名乗ったら、恐縮させてしまいそうで嫌だな。

 でも、後から知って、困惑させる方が不味いか。


「そのぅ、僕が領主になるユーリオン・フェニックスです」

「「「…………………………」」」


 姿は知らずとも、流石に名前は知っていたのだろう。

 村長だけでなく、話を聞いていた村人も無言で困惑する。

 段々と村人達の顔色が悪くなってきた。


「「「~~~も、申し訳ございませんでした!!!!」」」


 村人全員が土下座で謝罪をしてきた。

 良く分かっていない小さな子供も、周りの大人に無理矢理頭を下げさせられている。


「いえ、あまり気にしな」

「どうか! どうか私1人の命でお許しください!! お慈悲を、どうかお慈悲を」


 村長さんが地面を掘るように頭を擦りつけているのが、怖い。

 怒っていないし、罪を問う気も無いので、みんな頭を上げてほしい。


 ……賊よりも領主の方が怖がられている気がする。

 時間をかけて、クリーンなイメージを作っていくしかないかなぁ。


 なんとか理解してもらう頃には夕方になっていた。

 空き家もあるとの事なので、今日はこの村に泊めてもらうのだった。



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