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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
第6章 2度目の炎のダンジョン
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2度目の炎のダンジョン7



 帰還を決め、21階層の転移装置に向かい移動する。

 

 移動中、感知系スキルに反応があったので、皆に伝えて警戒を強める。

 地面が揺れるのを感じたが、ここはダンジョン内である為、通常の地震はありえない。

 つまり、地中にモンスターがいるという事だ。


 僕達を狙って地中から飛び出してきたのは、赤茶色の大きなミミズだった。

 8mはありそうで、人など簡単に飲み込んでしまいそうなモンスターだ。


 飛び出してきたのは1匹だが、地中に2匹隠れている事は分かっている。

 繭になったハクアをエレナに預け、ミミズに向かう。

 

 ミミズもこちらに向かって突進してきたので、好都合だ。

 すれ違いざまにソウルイーターで首を刎ねる。

 

 刎ねた後も暴れていたが、少しして動かなくなる。

 地中の2匹が出て来るかと警戒するが、離れていくのが分かる。


 蛇系は気持ち悪いとは思わないのに、ワーム系はちょっと苦手だ。

 魔石を取り出すと、ソウルイーターを念入りに奇麗にする。

 

 この戦闘を最後にダンジョンから帰還した。


 外に出ると、1日経って次の日の昼過ぎくらいだった。

 また、あの揺れる馬車に乗るのかと思うと、憂鬱だ。


 馬車が来る前に、ジャックが憑依する縫いぐるみを作る。

 戦闘時は良いが、鎧姿では場所を取るし、馬車で揺れれば、ガシャガシャうるさい。


 ジャック・オー・ランタンをデフォルメにし、30㎝くらいで再現する。

 我ながら良い出来だ。


 ジャックに憑依してもらい、具合を確かめてもらう。


「おー、これは居心地が良いですね」

「居心地とかあるんだ」

「意識のある者に憑依すれば、内部で戦いになり消耗しますし、

 命の無い物でも、なんとなく居心地があるのです」


 憑依のスキルが使えない僕では、正確な事は分からない。

 でも、居心地が良いのなら良かった。


 冒険者を乗せた馬車がやってきた。

 彼らを降ろし、今度は僕達を乗せて街へ向かってもらう。


 冒険者達はすれ違いざま、みんなピエリスを見て怪訝な表情となる。

 僕がニクスを、エレナが繭のハクアを抱いている。

 つまり、大人の男が縫いぐるみを抱いていた為、不思議に思ったのだろう。


「……ごめん、ピエリス」 

「……いえ」


 ピエリスが繭のハクアを、エレナが縫いぐるみのジャックを抱いて移動する。

 街に到着する頃には、やはりお尻が痛くなっている。


 少し休んでから、冒険者ギルドへ向かった。

 依頼は無事に達成できたし、外傷が魔石を取り出した際の傷だけだったので、最高評価を貰えた。


 2人も特に欲しがる物は無かったので、不要な物は全て換金した。

 僕は魔石を貰っているので、お金は2人に渡す。

 

 ピエリスは受け取ってくれたのだが、エレナが受け取りを拒否する。

 

「エレナ、何かあった時の為に、お金は絶対に必要だよ」

「私はユーリオン様の側に居られれば十分です。このお金はユーリオン様が使ってください」


 困った。

 冒険者カードは通帳代わりにもなるので、こっそり振り込んでおく事はできる。

 でも、エレナには自らの意思で受け取ってもらいたい。


 どう説得するか悩んでいると、ピエリスがエレナを連れて僕から離れる。

 5分ほど2人が話すと、説得されたエレナがお金を受け取ってくれる。


「凄いねピエリス、どうやって説得したの?」 

「……秘密です」


 ピエリスが目を逸らしながら言うので、若干不安になる。

 だけど、エレナがお金を受け取ってくれるのは喜ばしい。

 

 僕は、人が唐突に死ぬという事を身をもって知っている。

 僕に何かあった時、エレナを守ってくれるものは、あまりにも少ない。

 

 お金が全てだとは思わないが、お金があればエレナの助けにはなる。

 だからエレナには、お金を貯金しておいてほしい。 

 

 冒険者ギルドを出ると、少し市場を回ってから帰る事にする。

 屋敷で待つ母様に何かお土産を用意したい。

 それに、ジャックにとって、ダンジョンの外は初めてだからだ。


 野菜や果物、木の実に動物の肉類と大量に買い込んでいく。

 端の方へ行くと、珍しく鶏の卵や牛乳を扱っている露店があった。

 

 この世界で畜産を行っている者は少ない。

 地球に比べれば治安が悪いので、家畜は盗まれたり、モンスターに狙われたりもする。

 更には魔獣の肉の方が栄養があり、美味いらしい。

 なので、職業としてはリターンより、リスクが大きいのだ。


 鶏の卵なんかも本来なら、貴族や商人向けに用意するもので、露店に並べるものではない。

 現に値段も、一般人が気軽に買えるようなものでは無い為、閑古鳥が鳴いている。


 卵1つで小銀貨1枚、牛乳は1リットルで小銀貨1枚と銅貨2枚もする。

 日本円換算すれば、卵1つで1000円、牛乳は1リットルで1200円だ。


 店主の顔色が悪い事から察するに、取引相手から急遽キャンセルされたのだろう。

 仕方なく露店を開くが、高すぎて誰も買えず、しかし簡単に値段も下げれないって感じかな。


 店主に話を聞いてみると、当たっていた。

 よほど愚痴りたかったのか、あまり言わない方が良い事まで口走っている。


 鑑定してみると、本来は商人に売る予定だったので、鮮度にも品質にも問題は無い。

 プリンかアイスでも作ろうかと、全部買う事にする。


 卵30個、牛乳3リットル、ついでにチーズやバターを購入すると、涙ながらに感謝される。

 少し、おまけもしてもらえたので、こちらも良い買い物ができた。

 

 買い物を終えると、屋敷へと帰っていった。










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