2度目の炎のダンジョン2
初めてとなる11階層に転移した。
周囲を見渡して見ても、10階層までと大きくは変わらなそうだ。
タイミング的に丁度良いかと、確認を取ってから鑑定を使用する。
【名:エレナ】【種:ヒューマン】【性:女】【年:5】【レベル:11】
【魔法適正】『光/18』『闇/0』『火/20』『水/0』『土/0』『風/0』『無/20』
【スキル】『光術Lv.1』『火術Lv.1』『短剣術Lv.2』『槍術Lv.3』『算術Lv.2』『家事技能Lv.1』
【幻獣種:アラクネ(幼体)】【名:ハクア】【レベル:9】
【魔法適正】『光/0』『闇/10』『火/0』『水/0』『土/10』『風/0』『無/18』
【スキル】『粘糸Lv.4』『毒牙Lv.3』『麻痺牙Lv.3』
現在の2人のレベルが10前後なので、この階層からは、少し警戒レベルを上げた方が安全だろう。
ここからは僕が前衛、後衛をピエリスに任せる。
遠視のスキルを使って前方を警戒しつつ、見つけたモンスターは鑑定する。
それでエレナとハクアに任せて大丈夫そうなら戦わせる。
あまり過保護すぎると、レベルと実力が合わなくなるので、気をつけないと。
僕の時はレベル1で31階層スタートだったが、2人は普通に攻略してきている。
多少相性が悪くても、レベル的にも無理なモンスターは居ないはずだ。
襲ってくるモンスターを撃破しつつ、次の階層に向けて進んでいく。
自分に熱耐性のスキルがあるので忘れてたが、ニクス以外暑そうだ。
12階層に降りたところで、一旦小休憩を取る事にする。
「私はまだ疲れてませんし、大丈夫ですよ」
「エレナ、ダンジョンでは疲れたら休むのではなく、疲れる前に休むんだよ」
ダンジョンでは、いつ、どこから襲われるか分からない。
休憩中だからと、狙われない保証なんて無いのだ。
だから、こまめに休憩を取る事で疲労を抑え、できるだけ万全の状態を維持するのだ。
1階層進む毎に小休憩を挟みながら進んでいく。
13階層を進んでいる時に、他の冒険者の姿が見えたが、近づかないように気をつける。
仲の良い顔見知りでもなければ、揉め事の1つになりうるからだ。
近づかないのが暗黙のルールではあるが、絶対ではない。
情報収集で声をかける場合もあるし、依頼を達成する為、素材の交換をする場合もあるそうだ。
15階層まで来ると、エレナとハクアだけでは、少し危なくなる場面もある。
なので、ピエリスに戦闘の補助をしてもらい、僕は邪魔が入らぬように周囲の警戒を行う。
こまめに休憩を取ってるとはいえ、暑い中で戦闘を行っているのだ。
あまり無理をしすぎても身体に良くない。
18階層を移動中、開けた場所を見つけたので、今日はここで休む事にする。
僕は土魔法で地面を整えると、ストレージからテントを取り返し、設置は任せる。
その間に、テントの周囲に糸を張り、何かが近づいていたら分かるようにする。
結界も張るつもりだし、それなりに安全を確保できる。
旅の間にも同じ事をするだろうし、良い練習になるな。
もし、改善点が見つかれば、出発前に対応できるかもしれないし。
ピエリスとエレナに食事の用意を任せ、2人から離れる。
テントから離れすぎても危険なので、注意しつつも少し離れた場所を選ぶ。
土壁で四方を囲んで周囲から見えないようにし、地面を整えつつ高低差を作る。
高低差を作ったのは、地面に水が溜まらないようにし、テントのある方とは逆に流すためだ。
土魔法と錬金術を合わせて、大人が足を伸ばせる浴槽を作る。
水魔法で水を入れて、火魔法でゆっくり温めれば、簡易お風呂の完成だ。
僕が入りたかったのもあるが、エレナもきっと喜んでくれる。
今日頑張ったエレナに一番風呂を譲ってあげよう。
「お風呂の準備できたよ」
「「お風呂!?」」
2人にもの凄く驚かれる。
そういえば、お風呂を作るって言ってなかったな。
「うん、汗や汚れを落としたかったし、作ってみた」
「……ユーリオン様、ダンジョンでお風呂だなんて、俺は聞いた事が無いですよ」
「汚れも疲れも取れるし、お風呂が一番だよ。エレナ、先に入っておいで」
「……え、私そんなに臭かったですか?……ダンジョンでお風呂を作る程ですか?」
エレナが涙目になってプルプル震える。
一番風呂を譲ったせいか、お風呂を作った理由を勘違いされてしまった。
この後、エレナの誤解を解くのに時間がかかり、湯は温め直す事になった。
女の子には、あまり気を遣い過ぎるのも良くないのだなと学んだ。




