神々の宴
side:創造神
ちょっと前に転生させた子が良い仕事をしてくれた。
この世界でトランプを作ってくれたのだ。
もう100年くらい玩具が増えてなかったので、久しぶりに楽しく遊べる。
私なら地球でトランプを作った人、遊び方を考えた人達を聖人認定しちゃう。
これ1つで色々な遊び方ができるなんて、人の発想力は神をも凌駕するわ。
私は今か今かと待っていると、彼からの祈りが届く。
お礼の言葉を言いたいけど、起きている状態では彼に負担がかかる。
月神のように条件を設定すれば神託もできるが、今は止めておこう。
今度、麻雀を贈ってもらった時にでも、夢で感謝を伝えよう。
トランプだけでなく、お酒とお菓子も供えてくれたようだ。
こちらもありがたく頂いておこう。
私は早速、他の神を緊急案件で呼び出す。
最初に太陽神と月神が同じくらいのタイミングでやってくる。
「創造神様、緊急だなんて何事ですか?」
「他の星の神でも攻めてきましたか? それなら、俺的には大歓迎だ!!」
月神は心配そうなのに太陽神は楽しげだ。
2人の両極端な性格が良く分かる。
「全員集まってから話すわ。心配はいらないから、のんびり待ちましょ」
少し遅れて、火神、水神、土神、風神の4神が集まり、最後に魔神が来た。
みんなにキャラ付けするなら、こんな感じかしら。
魔神 :見た目は9歳くらいの幼女だが、私と同格の力がある。
太陽神:競う事や戦いが好きな偉丈夫。
月神 :静かで争い事が嫌いな、凛とした雰囲気を持つ美女。
火神 :ズルや卑怯な事が嫌いで、真っ直ぐな熱血漢。
水神 :落ち着きがあり、皆の意見を纏めてくれるお姉さんタイプ。
土神 :熊のように大きな体格を持ってるが、穏やかで優しい。
風神 :流れに任せたり、その時で変わる気分屋だ。
「全員集まったわね」
「ちょっと前に集まったばかりでは?」
「今はやる事も無いので、集まるのは別に良いんですが」
「……そうね、最近は大きな事件も無いし」
「この紋所が目に入らぬかぁーーー!!」
私は某時代劇みたく、トランプを印籠のように持つと、みんなに見せつける。
「そ、それはまさか!?」
「ついに作れる異世界人が!」
「これなら、確かに緊急で呼ばれたのも納得できるわね」
もう皆の目線はトランプに集中している。
リバーシやチェスも面白いが、1対1でしか遊べない。
それに運要素がほぼ無いので、やる前から結果がもう分かってしまう。
その点トランプは運要素があり、多人数で遊べ、これ1つで色々な遊び方がある。
例えば、ポーカーなら、やろうと思えば初手ロイヤルストレートフラッシュも可能だ。
だが、確率操作やイカサマなど、無粋な真似をする者はいない。
「フハハハハハ! 我を崇めるのだ!!」
「おぉ、貴女こそ、まさに神だ」
「ゴットオブゴットよ」
みんな神だし、ゴットオブゴットって何か馬鹿にされている気がする。
「……凄いのは異世界人では?」
「「「…………」」」
熱気が止み、静まり返る。
……確かにちょっと調子に乗ったかもしれない。
「まあ、気を取り直して遊びましょう」
「そ、そうだな」
「なにやる?」
「ポーカーが良い」
「ダウトやりたい」
皆それぞれ、やりたい遊びが違うので、まとまらない。
でも、こんな時こそ頼りになる水神だ。
「2つのグループに別けて、最初はババ抜き。勝った者が次の遊びを決めていくのは、どうかしら?」
「さすがは水神だ。それは良い」
「そうと決まれば、飲み物と食い物を用意せねば」
皆それぞれ用意し、2つのグループの中央に持ち寄る。
私も今回貰ったお酒とお菓子を置いておく。
まだ、食べて無かった事を思い出し、クッキーの方をつまむ。
サクサクした食感に、甘さ控えめなので、いくらでも食べられそうだ。
甘い物が好きな魔神はキャラメリゼに夢中だ。
逆に甘い物が苦手な月神でも、彼のクッキーは気に入ったのか、珍しく沢山食べている。
男神達は彼のお酒を気に入ったようだ。
飲食しながら遊んでいると、次は大富豪になった。
「じゃあ、ハートの3からね」
「え、スペードの3からでは?」
「………」
「今縛られているのでは?」
「縛りってなに?」
「………」
「8流しは有りよね?」
「有りだと思う」
「7渡しは?」
「なにそれ?」
どの神も異世界人の記憶から、トランプの遊び方は知っていた。
だが、大富豪の基本ルールは共通でも、最もローカルルールが多いのが大富豪だ。
別々の異世界人から知識を得ているので、それぞれルールが違う。
例え、神であろうとも、大富豪あるあるからは逃れられない。
大富豪とは、プレイするメンバーが変わる度、ルールの摺り合わせが必要なのだ。
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