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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
第5章 旅への準備
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初めてのトランプ



 目が覚めて窓の方を見ると、もう夕方だった。

 ちょっと仮眠を取るつもりが、ガッツリ寝てしまった。


 時間が勿体無いので、今度から難しい錬金術を使う時は夜にしよう。


 ニクスも流石に夕方になれば起きていたようで、ハクアと何か話している。


「あら、起きたの」

「うん、ニクスはもういいの?」

「昼過ぎくらいには回復したわ」

「もう、お酒は程々にね」

「わかったわ」


 夕飯の時間には少し早いが、お昼を食べていないので、お腹が空いてしまった。

 何か食べさせてもらえないかと、厨房へ向かう。


 厨房の方を覗くと、屋敷で働く使用人の人達が夕飯の仕込みをしている。

 その中に野菜の皮むきをしながら、料理を教わるエレナの姿がある。


 屋敷に来た当初は敬遠されていて、一緒に仕事どころか会話も難しかった。

 それでもエレナは、無視されても話しかけ、教われない事は見て覚えた。

 そんなエレナの努力が実を結び、今では普通に会話し、一緒に仕事もできている。

 全員と仲良くなんて事は不可能だが、そんな姿を見ると、エレナの強さに尊敬の念を抱く。


 やはり、夕飯の時間には、まだ早かったか。

 邪魔をしてもいけないし、ストレージに入れてある果物を食べて待とうか。


 部屋に戻ろうかと思ったが、その前に母様に相談しておきたい事がある。

 母様の部屋へ向かうと、中に入れてもらえる。


「どうしたの?」

「旅の前に、僕の事をピエリスとアイリス、エレナの3人には話しておこうかと」

「……情報は知る人が増えれば増えた分だけ、隠すのが難しくなるわよ?」

「今後の事を考えると、あの3人に隠すのは難しく、知られてた方が動きやすいと思いまして」


 打算的な気持ちもあるが、長い付き合いになるので、自分から話しておきたい。

 今回の旅は良い機会だと思えたのだ。


「……ニクスの事は?」

「そっちは本人の意思に任せます」

「わかったわ」


 止められるかもと思ったが、母様は僕の意思を尊重してくれた。

 今日の夜にでも、トランプで遊びつつ話そうかな。


 部屋から出る為、ドアの方へ向かうと、後ろからそっと抱きしめられる。


「前世の記憶があろうと、特別な力があろうと、貴方は貴方よ。3人もきっと、受け入れてくれるわ」

「……ありがとうございます」

 

 それから自室へ戻ると、ニクスとハクアと一緒に果物を食べる。

 果物も大分減ってきたので、補充したいな。


 夕食の準備ができたと、エレナが呼びに来る。

 今日の夕飯はシチューだった。

 ローリエやベーコンを使って臭みは消えているので、エルフでも食べられる。


 食事とお風呂を済ませたので、リビングに集まってもらう。

 他の人には話を聞かれたくないので、結界で部屋を覆う。

 これで声が結界の外に漏れる事は無い。

 

「それで、皆を集めてどうしたんですか?」 

「うーん、遊びながら話すよ」

「遊ぶ?」

「これはトランプって言うんだ」

 

 僕はトランプについて説明する。

 裏面が全て同じであり、4つのマークにそれぞれ1~13までの数字がある事。

 それ以外にジョーカーという特別なカードがある事を教える。


 最初は簡単なものから始めよう。

 ババ抜きから始めて見たのだが、5人いるので、話すほど時間がかからない事に気づく。

 

 もう少し時間がかかるものにしよう。

 ダウトならルールは簡単だし、なかなか終わらないので丁度良い。


 初めての遊びだからか、盛り上がり、場の雰囲気が暖まる。

 そろそろ切り出しても良い頃合いかな。

 場には7枚置かれているので、『8』を宣言してカードを置きながら話す。


「皆には言ってなかったけど、実は僕、前世の記憶があるんだ」

「ダウト!」


 ……嘘じゃないのに。

 宣言が失敗したアイリスが場のカードを手札に加える。

 

 アイリスが『1』を宣言し、再開される。


「ユーリオン様、転生者だったのですか?」

「うん」

「転生者ってなんですか?」


 エレナは転生者について知らなかったようなので、簡単に説明する。


「そんな事があるんですね、まるでお伽話を聞いているみたいです」

「ユーリオン様、どうして俺達にその話を?」

「うん、今後の事を考えると隠しておくより、話しておきたくて」


 何か言われたり、質問されるかと身構えていたのだが、ピエリスとアイリスは納得していた。

 エレナは別の世界から来たと言われても、想像ができないようで、よく分かっていない。


「難しい事は分かりません。でも、私を助けてくれたのはユーリオン様です。

 だから、私の気持ちは変わらないし、一生を懸けて恩を返します」

「ダウト!」

「嘘じゃありません!!」


 アイリスが、また宣言を失敗して手札を増やす。

 やたらダウトを宣言するが、宣言が楽しいのか、疑心暗鬼なのか。

 

 この後も七並べや神経衰弱、ポーカー等で遊びつつ、僕の事を話した。 

 遊びながらなので気楽に話せたし、受け入れてもらえた事は嬉しかった。


 エレナがウトウトしだしたので、終わりにしようと思ったら、まだ3人は遊び足りなそうだ。

 トランプをそのまま預けると、僕とエレナは先に寝る事にする。


 翌朝、3人とも眠そうだったので、遊ぶなら時間を決めるべきだなと思いました。





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