表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
第1章 プロローグ~誕生日パーティー
5/216

世界観と家族構成などを知る


 父「ユリウス」が許可をくれたおかげで、王城にある図書室の本を読めるようになった。

 使用人の誰かが図書室で本を借りてきて、色々教えてくれる。

 

 それから1月程過ぎると、家庭教師が教えてくれるようになった。

 教科に当てはめると「国語」「算数」「社会」だろうか。


 勉強は元々嫌いではなかったし、「算数」の授業に関しては1日で終わった。

 「算数」の授業内容が足し算引き算、応用で簡単な掛け算割り算だけなのである。


 元大学生の身としては、流石に学ぶ事がない。

 よってこの世界独自の情報を学べる授業だけとなった。


 先生も毎日教えてくれるわけではなかった。

 だが、専門家になる訳でも無い、小さな子供が相手なのだ。

 一般常識を教えるだけでは、半年もかからなかった。


 なので、2歳になる前には付き添いがいれば、図書室への入室を認めてもらえた。

 自分で図書室へ入れるようになり、学びたい事を学べるのだ。

 1年以上たった今では、この世界についての知識もだいぶ増えた。


 まずこの世界について神学で学んだ事をまとめようか。


 最初にこの星を創ったのが「創造神」である。

 「創造神」は次に星を支えるために「太陽神」と「月神」の2柱を創造した。

 「創造神」は次に世界を支えるために「火神」「水神」「土神」「風神」を創造した。

 そうして神々は、空に海に大地にと様々な種族を創造した。

 

 どれだけの時が過ぎた頃だろうか。

 創造神が満足できるほど、星に生まれた種族たちは進化せず、世界も発展しなかった。

 この世界は神が全て用意してしまった為、ほとんど争いも無く、住人は満ち足りていた。

 満ち足りていて争いも無いのであれば、進化の必要は無く、発展もしなかったのだ。


 創造神は自ら創った世界とはいえ、住人に危険を与える変化を与えて良いものか悩んだ。

 賛同してくれる神もいたが、反対する神もいたからだ。


 しかし、停滞した世界を嘆き、別世界から自らと同格の「魔神」を呼んだ。

 「魔神」は最初に住人を襲うモンスター(魔獣や魔物)を用意した。

 すると頻繁に戦いが起きるようになり、必要に迫られて技術も発展した。

 戦いの中、環境に適応するように進化する種族も現れ始めた。

 

 そして時が経つと、またも世界は停滞してしまった。

 「神」をこれ以上増やすと星への影響が強く危険だと考えたが、世界は発展させたかった。

 「創造神」は別世界から神ではなく、その世界の住人を連れてくる事にした。


 その住人には、神のような特別な力は無かったが、神をも驚かす知識があった。

 知識を得て刺激を受けた神々は、世界に大きな影響を与えた。


 世界中に「ダンジョン」を創造し、住人達の欲望を刺激する宝を用意する事で呼び寄せた。 

 「ステータス」の魔法のおかげで、住人達は自分自身について、より理解できた。

 「レベル」の概念を設定することで、進化が起きやすくなった。


 諸説や細かい部分を除き、簡単にまとめるとこんな内容だ。

 創造神様は常に進化と発展を求めているのであろう。


 気になるのは、呼ばれた別世界の住人のくだりだ。

 その住人が呼ばれてから、ゲームっぽい影響が出てるし、地球人だったのかもしれない。


 ちなみにダンジョンは神様が用意した為、「神々の試練」とも呼ばれている。


 僕を転生させてくれた神様が誰なのか分かるかと色々調べたが、確証は得られなかった。

 創造神様が最初に別世界の住人を連れてきてはいるが、他の神様も可能なようだ。

 実際、創造神様以外の加護を受けた転生者や転移者の名が歴史に刻まれている。 


 魔法についても詳しくなった。

 基本的な属性が「光」「闇」「火」「水」「土」「風」の6種類である。

「太陽神」が「光」、「月神」が「闇」のように、神にならったそれぞれの属性魔法がある。

 この6つに当てはまらないものは「無属性」として1つにまとめられている。


 誰でも使用できる「ステータス」なんかは無属性だ。

 僕は存在を知らなかったので、自分のステータスを知ったのは最近の事である。

 

 この「ステータス」は何らかのスキルやアイテムがなければ、自分以外見れないようだ。

 明らかに個人情報の塊なので、簡単に見られずホント良かったと思う。


 魔法の適正については絶対ではないが、自らの種族に影響される事が多い。

 エルフならば「風」や「水」、ドワーフならば「火」や「土」といった感じだ。

 ヒューマンは親の属性を引き継ぐ場合が多いが、両親のどちらとも違う場合もある。


 適性の無い魔法は使用できず、適性があっても数値の高低で威力や内容が変わる。 

 ひとまず魔法については、こんなところだろうか。


 2日後に僕は誕生日を迎え、3歳になる。

 その日にお披露目会なるパーティーが開かれる。


 僕は転生する時に執事になる為、貴族に生まれるように神様にお願いした。

 ……なのに何を間違えたのか、僕は王族に生まれてしまった。

 貴族と王族とでは、まるで違う。

 人間社会の話だし、神様には難しかったのだろうか。


 僕の家族構成もまとめておこうか。


 【グランファーレル王国】

 国王:『ユリウス・フォン・グランファーレル』 

 王妃:『アリアノール・フォン・グランファーレル』

 第一王子:『アーサー・フォン・グランファーレル』

 第二王子:『ルシウス・フォン・グランファーレル』

 第一王女:『シャルロット・フォン・グランファーレル』


 第2王妃:『アメリア・フォレスティア』

 第三王子:『ユーリオン』


 以上である。

 一目見れば分かる通り、王族とは思えない程少なすぎる。

 これには理由があり、王妃であるアリアノールがとても嫉妬深いのだ。

 

 2人の結婚は政略結婚の意味合いも大きかったが、それ以上に愛し合っての結婚だった。

 アリアノールが自分以外の女が近づくのを嫌がる為、ユリウスも妻を増やせなかったのだ。

 

 なのに、何故僕の母であるアメリアとユリウスが結婚する事になったのか。

 それは人さらいや資源の強奪等が繰り返し行われた為、

 隣接するエルフの国『フォレスティア森聖国』と戦争になりかけたからである。

 

 国王が止めるように言っても、罰するようにしても効果は薄かった。

 しかし国王がエルフを正室として迎えた事で、両国の関係が深まり強まった。

 両国で協力し、取れる対応策も増えた事で、人さらいも森を荒らす者も大幅に減った。


 当初はアメリアも王城に住む予定であった。

 だが、アリアノールとの間で問題が起きる可能性が高く、国王もそれを警戒した。

 なので、エルフの住みやすい屋敷を、王城の近くに別で建てる事にしたのだ。


 立派な屋敷ではあったが、城に住んでいるわけではない。

 これが自分が王族であると気づかなかった原因の一つだ。


 そして結婚したにもかかわらず、母が「グランファーレル」ではなく「フォレスティア」を

名乗っているのにも理由がある。


 この世界のヒューマンの寿命は平均80前後だが、エルフの平均寿命は500前後なのだ。

 つまり、ヒューマンの国王であるユリウスの方が先に寿命で死ぬ。


 なので、アメリアが「グランファーレル」になると、その子供も「グランファーレル」になる。

 万が一にもエルフの血を持つ子が王となり、エルフを正室として迎えればエルフの血が濃くなる。


 ヒューマンの国家「グランファーレル王国」がエルフに奪われると危険視する者もいるのだ。

 アメリアは第2王妃ではあるが、国家の権力をほぼ持たず、関らないようにしている。


 確認したわけではないが、おそらくユリウスの死後は祖国に戻るのではないかと思う。 

 確実に微妙な立場となるわけだし、理由もなく好き好んで残りはしないだろう。


 ……まぁ、一番微妙な立場なのが僕だ。

 ユリウスの血を引いている為、一番低いが王位継承権を有する。

 そして半分とはいえ、エルフの血を引いているので、寿命もヒューマンより長くなる。


 僕自身は王に興味は無いし、なる気はない。

 母であるアメリアも権力なんか興味も無い。 

 だが、周りがどう思うかは別だ。

 ……邪魔になるからと暗殺されないか不安に思う。


 とりあえず、王にも権力にも興味が無いアピールは大事な気がする。

 後、いざって時に母と自分自身を守れるように日々の鍛錬を頑張ろう。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公の寿命はどのぐらいになるんだろう? エルフの平均寿命と人間の平均寿命の平均かな? 290年ぐらいになるのかな? エルフの血の方が濃くなる? まぁ、それも含めて楽しみます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ