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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
第5章 旅への準備
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サイドストーリー/アメリア


 side:アメリア


 今日は珍しく、アイリスではなく、ピエリスが屋敷に残っている。

 アイリスとエレナが出かけるのに、ユーリオンも付いて行った。

 なので、普段はユーリオンの護衛をする事が多いピエリスも、今回はお留守番をしている。


 私は、昔から外に出て遊ぶより、家でのんびりと過ごす方が好きなタイプだ。

 だけど、ピエリスとアイリスは外で遊ぶ方が好きなタイプだった。


 そんな2人だけど、昔から仲良くしてくれて、この国にも一緒に来てくれた。

 私は屋敷に居る事が多いのに、護衛として常にどちらか1人は居てくれる。

 本当に感謝している。


 ユーリオン達が出かけた後、ピエリスは庭で素振りを始めた。

 前は、身体が鈍らない様にという意味合いが強かったようだが、今は違う。

 ダンジョンから帰って来てからは、素振りにも真剣みが増した気がする。


 ピエリスはダンジョンで己を鍛え直したいのだろうが、それを口にする事はない。

 長い付き合いなので、アイリスも私もなんとなく分かる。

 せめて、もう1人実力があり信頼できる護衛がいれば、行かせてあげれるのだが。

 

 フォレスティアへ戻ったら、そろそろ彼女も連れて来ようかしら。

 彼女は、私が生まれた時から面倒を見てくれている。

 実力もあるし、嬉しい面もあるのだけど……私の事が好きすぎるのだ。


 この国に連れてこなかったのも、確実に問題を起こすと思ったからだ。

 私が嫁に行くと決まった時、それを聞いた彼女の殺気は恐ろしかった。

 連れてきていたら、ユリウス陛下を殺していたかもしれない。


 あれから時間も経っているし、流石に彼女も落ち着いているだろう。

 もし、彼女が了承してくれるなら、一緒に来てもらおう。

 家族や彼女に会えるのが楽しみだ。


 夕方になると、ユーリオン達が帰ってきた。

 大丈夫だろうと思っていても、無事な姿を見ると安心する。


 エレナは実戦を経験した事で、少し凛々しくなったように見える。

 ハクアも出かける前より、少し大きくなっている。

 

 ユーリオンは帰ってくるなり、部屋に閉じこもってしまった。

 あの子は常に何かをしているので、一緒にのんびり過ごす時間が無い。

 母親として淋しくはあるが、邪魔はしたくない。


 夕食後になると、ユーリオンがエレナに髪飾りを贈った。

 部屋に閉じこもっていたのは、あれを作っていたからかな。

 本当に優しい子だ。

 

 でも、少し妬けてしまう。

 息子が女の子にモテるのは、母として誇らしくもある。

 だけど、母親が息子を独占できるのは、子供のうちだけなのだ。

 

 既に婚約も決まっているので、そう長くは一緒に居られない。

 ユーリオンには、もう少し私に構ってほしいし、甘えてほしい。

 これは親の我が儘なのだろうか。


 フォレスティアへ帰ったら、お母様に聞いてみよう。


 エレナが飛び出していくと、ユーリオンがお酒の話をする。

 蒸留酒を造ったから、飲んで欲しいそうだ。

 これには、お酒が好きなピエリスが目を輝かせる。

 

 ピエリスは、あまり手を加えず、ロックで飲むのを気に入ったようだ。

 私とアイリスは、果汁などで甘めにしたものを、ちょっとずつ飲む。

 一般的なお酒に比べ度数は高いが、ちょっとずつなら、楽しんで飲める。


 アイリスが酔ってきたのか、色々混ぜたお酒を造る。

 それが意外なほど美味しく、飲みやすいのがいけなかった。

 試飲だけのつもりだったのに、予定より酔ってしまった。


 頭がボーっとするのに、不思議と気分はとても良い。

 いつの間にかピエリスは泣いていて、アイリスは楽しそうに笑っている。


 ユーリオンが戻ってくる。

 また、私を置いてどこかに行っていたようだ。

 一緒にいてくれない事が凄く淋しい。


 どこにも行けないように抱きしめると、本当に小さい。

 大人びていても、まだまだ小さな子供なのだ。

 私が護ってあげないと。


 ずっとこうしていたいのに、離してほしいだなんて、悲しい事を言われる。

 私が母親として不甲斐ないから、嫌われてしまったのだろうか……。


 とても怖いけど、確認しなければならない。

 嫌ではないと言われた事で、凄く安心できた。

  

 心配したせいか、のどが渇いた。

 でも、手を離したら迷子になってしまうかもしれない。

 椅子に座らせておけば、大丈夫かしら?


 テーブルに置いてある飲み物を飲むと、また気分が良くなる。

 なぜか、ユーリオンの頭がいつもより高い位置にある。

 ……子供が成長するのは、親が思っているより早いと聞いた事がある。


 もう、こんなに大きくなってしまったのね。

 でも、背は伸びても顔は幼く、私の可愛いユーリオンのままだ。


 きっと私は、この子の為なら何でもできる。 

 世界中を敵に回したとしても、この子だけは護りたい。


 私は愛しさを我慢できず、ユーリオンにキスしてしまった。




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