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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
第5章 旅への準備
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便利な錬金術


 まずは銀鉱石から銀だけを分離する。

 銀鉱石を買ってきたのは、銀より鉱石のまま買う方が安いからだ。


 面倒な作業も『錬金術』で省略できるし、不純物も混じらない。

 銀は用意できたが、バレッタの形が決まっていない。


 細工が細かすぎると壊れやすくなるし、使いづらい。

 しかし、せっかくの贈り物なのに、シンプルすぎるのも面白くない。


 頭の中で紫色の花を思い浮かべ、その中から花言葉や見た目で選ぶ。

 よし、アヤメをモチーフにしよう。

 アヤメの花言葉は「良い便り」や「希望」だ。

 

 銀に『錬金術』を使用し、アヤメの形となるように整える。

 少し大きい気もするが、エレナが成長しても使えるし、良いかな。 


 次は鉄にクロムを含ませ、ステンレスを作る。

 これで髪を留める部分もできた。

 

 最後に髪留め部分と、装飾である銀のアヤメをくっつける。

 接着剤なんかではなく、『錬金術』でくっつけたので、外れる事は無い。


 我ながら満足のいく一品ができた。

 きっとエレナも喜んでくれるはずだ。


 次は木材等からケント紙を作り、トランプを用意せねば。

 まずは1枚、紙をお試しで作ってみる。


 それなりの材質でできた。

 インクを合わせて錬金し、イメージ通りの模様になるか試す。

 スペード、クローバー、ハート、ダイヤ、1~13の数字は問題ない。

 

 裏面の絵柄をどうしよう?

 白のままでは汚れが目立ってしまうし、真っ黒なのも味気ない。


 あまり複雑なのはイメージしづらいので、チェック柄にしておこう。


 ケント紙に漂白処理を行い、形を均一になるように整える。

 裏面にチェック柄、表にスペード、クローバー、ハート、ダイヤ、1~13をイメージする。


 ……よし、できた。

 時間はそんなに使ってないが、細かい作業だったからか、頭痛がしてきた。


 できたトランプを1枚1枚確認していく。

 裏面を見比べても、差異は見当たらないし、これなら使えるだろう。


 ……52枚しか無い。

 完全にジョーカーの事を忘れていた。

 

 ジョーカーはピエロの絵柄で良いかな。

 2枚追加し、今度こそ完成だ。


 丁度いい感じの木箱を作り、トランプを入れるケースにする。

 中身は紙製トランプだけど、木箱に入っていると高級感がある。


 ……頭痛いし、疲労感が凄いので、これは1日1セットが限界だ。

 後6日あるし、自分用と贈り物用で最低3つあればいい。

 無理せず、のんびりと作ろう。


 蒸留酒も作ってみたかったが、今はそんな気になれない。

 ベッドに倒れこむと、様子を見ていたニクスに声をかけられる。


「……もう錬金術だけで生きていけるわね」

「EXスキルなだけあって、本当に便利だけど、錬金術師になりたいんじゃないんだ」

「まぁ、1度きりの人生なんだし、好きに楽しく生きると良いわ♪」

「……1度きり……か」


 僕にとっては神様のおかげで得られた二度目の人生だ。

 執事になりたくて転生し、頂いたチートや魔法のおかげで、地球では不可能な事もできている。


 予定とは違い、少し面倒な立場に生まれたが、周囲には恵まれた。

 セバスチャンには弟子入りできたし、最短距離では無いのだろうが、夢に向かって進めてもいる。


 そういえば、5年経つが、神様から連絡を受けた事は1度も無い。 

 何かあれば連絡すると言っていたので、連絡が無いという事は良い事なのかな?


 疲労状態で考え事をしていたせいか、眠くなってきた。

 こんな半端な時間に寝てしまっては、夜眠れなくなってしまう。


 あぁ、だめだ、まぶたが重い……。 


「ねえ、蒸留酒は? かなり楽しみにしているんだけど」 

「お酒飲むの!?」


 ニクスの驚愕の発言に眠気が吹き飛ぶ。

 鳥にお酒は飲ませちゃいけないけど、フェニックスは大丈夫なんだろうか


「産まれ直してからは飲んでないけど、飲めるわよ」

「……本当に大丈夫?」

「馬鹿にしないで。少し飲んだくらいじゃ酔わないわよ」


 まあ、ニクスにもお世話になっているし、本人(?)が飲みたいと言うなら、用意するか。

 トランプほど、複雑な錬金をする必要は無いので、早速準備する。


 買ってきた酒から、エタノールを集めて冷やす。

 本来なら気化させて集めるのだが、錬金術様様だ 


 やはり高級品と言われている蒸留酒。

 1本のお酒から10分の1もエタノールが集まらない。

 もっと多めに買っておくべきだったかも。


 このままでは美味しく無いと思うので、果実とかで味を調整しなければ。

 しかし、5歳のこの身体で飲酒する気にはなれない。


 母様やピエリスに試飲してもらいながら調整しよう。


「できたの?」

「蒸留酒はできたけど、味の調整ができてないから、味は微妙だと思うよ?」

「少し飲んでみても良い?」

「……良いけど、ちょっとだけだよ」


 ニクス用のグラスに蒸留酒を注ぎ、ステンレスのストローを刺して渡す。

 気に入ったのか、こちらの心配をよそに、どんどん飲んでいる。

 

 鳥が蒸留酒をストローで飲むという絵面が面白過ぎるのだが、本当に大丈夫だろうか。


「……ひょら……しゃけなんぺ、ぜんじぇん……じゃいじょーうひょ」

「…………」


 やっぱり駄目だった。

 呂律が回っていないし、鳥だけに千鳥足になっている。

 飲む絵面だけでも面白かったのに、千鳥足まで加われば笑いを堪えるのが辛い。


 おかわりを要求されたが、グラスには水を入れておく。

 心配なので様子を見つつ、残りのお酒からも蒸留酒を作る。

 

 タイミング悪く、寝ていたハクアが目覚める。

 ハクアもお酒に興味を持ったようだが、これ以上酔っ払いが増えると困る。

 

「もう少し大きくなってからね」

「わかった ハクア 大きくなる」


 聞き訳が良くて助かる。

 ハクアと話している間にニクスは寝ていた。

 暴れ酒とかじゃなくて良かった。


 片付けを済ませていると、夕飯の時間になっていたようで呼ばれる。

 ニクスの事はハクアに頼み、夕飯に向かった。






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