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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
第8章 フェニックス領編
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 side:ユーリオン


 明後日には、ルナマリア神聖国に向けて出発する予定だ。


 まだまだここでやりたい事はあるのだが、相手が相手だけに予定より遅れるのも問題だ。

 またしばらくは、ジェードに頼らせてもらおう。


 情報ではなく、実際に自分の目で見た事で、問題や改善点も見つかった。

 

 ネットもテレビも無い世界なので、情報の伝達スピードが遅い。

 なので、大きな問題は伝わって来ても、小さな問題は伝わって来ないのだ。

 まさに〝百聞は一見に如かず〟である。


 夕方になると、ヴィルトがコロシアムの建設作業から帰ってきた。

 最初は文句を言っていたが、なんだかんだで毎日働いている。


「明後日、ルナマリアに向かうけど、ヴィルトはどうする?」

「どーっすかなぁ」


 以前、今後の予定を話した時は、ルナマリアにも同行すると言っていた。

 しかし、今はここで上手くやっているようだし、気が変わっているかもしれない。

 仲良くなった者もいるようだし、ここに残って建設作業を続けるのも有りだと思う。


「僕達が行った後も、ここの部屋は使ってくれて構わないし、後から合流でも良いからね」

「あぁ、明日までには決めるよ」

「うん」



 side:ヴィルト


 自分が借りている部屋に戻り、寝っ転がりながら考える。


「ほんと、どーっすかなぁ……」


 今日、一緒に作業している奴らの中で、1つの提案があった。

 一緒に冒険者パーティーを組まないかというものだ。

 魔大陸にいた頃、パーティーには良い思い出が無かった。

 だが、こっちでなら、それも悪くはないかもしれない。


 ユーリオンに負けた後、なんかもう、色々とどうでも良くなった。

 今でも残っているのは、黒い光に対する怒りくらいだ。

 忘れる事なんて出来る筈も無いが、少しくらいは目を逸らせる。


 嫌な事から顔を背けたり、逃げ出す事は、悪い事だろうか?

 誰もが皆、立ち向かわなければいけないのだろうか?

 

「あー、考えるのもめんどくさい!」


 明日の事は、明日の俺に任せよう。




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