酔っ払い
side:ユーリオン
次の日の朝食の時間になっても、ヴィルトは帰ってきてなかった。
うーん、大丈夫だとは思うが、少し心配だ。
朝食を食べ、お茶を飲みながら今日の予定を確認する。
午前中は時間があるので、庭で身体を動かそう。
準備運動から筋トレ、大鎌や格闘術の型を身体に馴染ませていく。
だいぶ汗をかいてしまった。
服が肌に張り付いて気持ち悪いし、汗を流して着替えたい。
いつも貴族が着るような服を着ているのだが、当然運動には向かない。
貴族の服は一種の武器でもあり、鎧でもある。
自らの財力や権力を他者に示し、見栄を張る事で、ある意味戦っている。
まあ、そんな服は邪魔になるので、身体を動かす時は脱いでいる。
こういう時、ジャージのような服が無いのが残念だ。
ジャージ作れないかな?
気配を感じたので振り向くと、ヴィルトがいた。
ようやく帰ってきたようなのだが………なぜか、変なお面を付けている。
お面はヒューマン用の物らしく、オークである彼の顔を全く隠しきれていない。
似合っていないどころか、サイズすら合っていない。
ゆっくりと近づいて来るのだが、変なプレッシャーを感じる。
「……なに、そのお面?」
「ユーリオンよ、ヴィルトが性欲に支配され、女を襲った時お前はどうする?」
「殺します」
「判断が速い!」
左手でビンタされ、吹っ飛ばされる。
滅茶苦茶痛いし、耳がキーンって鳴る。
理不尽な暴力に腹が立ったので、ヴィルトの腹に本気の拳を叩きこむ。
その結果、ヴィルトは汚いマーライオンになっている。
「……で、なんなの?」
「お、おみやげ」
汚いゲ〇まみれのお面を差し出してくる。
悪意しか感じないので、殺意すら覚えるレベルだ。
なんなら、次に会う時は法廷でも構わない。
「もう、ちゃんと片付けておいてよ」
「……うす………酒あんがとな」
「……はぁ………お帰り」
まぁ、朝帰りするくらいなので、楽しんできたのだろう。
ちゃんと処理してくれるなら、許してあげよう。




