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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
第8章 フェニックス領編
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コロシアムの建設


 side:ユーリオン


 今日はコロシアムを建設予定地に建てに行く。

 1人では大変なので、ギルド経由で、土魔法が使える者を集めてもらった。


 土魔法は使えなくても、護衛という事でピエリスと、現場指揮にジェードも一緒に来てくれる。

 

「それじゃ行ってくるね」

「行ってらぁ~」

「………」


 土魔法を使えるヴィルトが見送る気満々なので、縛って無理矢理連れて行く。

 働かざる者、食うべからずだ。

 

「あ、糸が肉に食い込む! 痛い、痛い!」

「行くよ、後、手伝ってもらうからね」

「働きたくねぇ……働かずに食う飯が一番美味い」

「ニクス」


 あまりにもクズな発言をするので、少しお仕置きが必要だ。

 名前を呼んだだけでも意図が伝わり、ニクスがヴィルトに火を吹く。


「熱い熱い! チャーシューになっちゃう!!」

「……こんなのを側に置くのですか?」

 

 ピエリスが心底理解できないという表情だ。

 偏見の無い土地を目指す為にも、色々な種族に居てほしい。

 それに同じ異世界人という事で、シンパシーを感じている部分もある。


「……まぁ、長い目で見てあげて」


 土魔法が使える者達と合流し、移動する。

 あまり人数は集まらなかったが、人が少ないので仕方ない。


 完成予想図としては、古代ローマの円形闘技場コロッセウムをイメージしている。

 現場に着いたので、土魔法でコロシアムを小さくした物を作り、皆に見せる。

 これで、イメージは伝わったはずだ。


 この中だと、僕が一番レベルが高いので、まず大雑把にそれっぽい物を作る。

 その後、手分けして形を整えていく予定だ。

 中央の舞台と、それを見る観客席があれば良いので、そこまで難しくは無い筈だ。


 最初は大雑把に作るから大丈夫かと油断していた。

 これまでに無いほど大きい物を作った為、かなり魔力を消費してしまった。

 貧血に近い感じで、少し眩暈もする。

 ちょっと休ませてもらおう。


 後の指示はジェードに任せ、仰向けで倒れこむ。

 ごめん皆、後は頼んだ。


「………これは、驚きましたな」

「ユーリオン様、頑張りすぎですよ」

「土魔法使い数日分の働きを、1人でこなしてしまうとわ」


 驚いてばかりもいられないと、ジェードが指示を出し始める。

 ピエリスも寝ているユーリオンの護衛に専念しようとする。


「……おい、何をしている?」

「いや、こういう時には作法ってものがあるだろ」


 ヴィルトが寝ているユーリオンの顔に落書きしようとしていた。

 当然、そんな事をピエリスが許すはずもない。

 脅しか本気なのか判断に困るが、ピエリスが剣を抜く。


「お前もとっとと働いてこい!」

「わ、わかったよ」


 ヴィルトも皆と同じように働き始めるのだった。

 やろうとした事は最低でも、そんな様子を見ていた他の者は、オークに興味を持ち始めた。


「なあ」

「あ?」

「領主様に悪戯しようとするなんて、命知らず過ぎんだろ」

「俺は誰が相手だろうと、退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」

「ハッハハ! あんた意味は分からないが、面白いな!!」

「まあ、俺は『面白いの擬人化』または『面白いが服を着て歩いている』と言われているからな」

「なんだそりゃ、しかし、気に入ったよ、今日の仕事が終わったら一緒に飲まないか?」

「………考えておく」

「おう」

「そこの2人、サボっているようなら、給金は無しですよ」

 

 ジェードの言葉に2人は顔を見合わせる。

 ただ働きはごめんだと、2人して1度笑うと、仕事に戻るのだった。



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