オークとの再会3
side:ユーリオン
醤油の方にも文句を言われつつ昼食を終える。
元の味を知っているだけに、どうしても比較してしまう。
味噌も醤油も、まだまだ改良しなければ。
食後のお茶を飲みながら、今後の予定を話す。
せっかくなので、何を建設すべきかヴィルトにも相談してみる。
「闘技場かレース場なら、レース場にするべきだな」
「理由は?」
「俺に良い考えがある」
渾身のドヤ顔に、逆に不安になるが一応聞いてみる。
もしかしたら、参考になるかもしれない。
「馬人族の女を連れてきてレースをさせるんだ」
馬人族は獣人種の一種だ。
見た目はほとんど人と変わらないが、馬の耳と尻尾という特徴がある。
獣人種なので、ヒューマンに比べれば身体能力が高いし、馬人族なら走るのが速い。
「レースなら、馬人族より魔族のケンタウロス族の方が速いよね?」
「確かに速さだけならケンタウロス族の方が上だ」
「じゃあ、なんで?」
「レースの後に、歌と踊りもやってもらうからだ」
「ストップ! ストーーーップ!!」
「なんだよ、ここからが良い所なのに?」
「怒られる! いや、怒られるどころか、消されるよ!! 世界の破壊者になるつもり!?」
「あ? 俺はディケ〇ドより、ディエ〇ド派だぞ?」
「そんな話はしていない!!」
このオーク、とんでもない事を言う。
参考になるかもと思ったが、参考にしたらとんでもない事になる。
「なんだよ、不満なのか?」
「むしろ、不満しかないよ……」
「分かった。じゃあ、代案だ」
「……大丈夫な案にしてよ」
「馬人族は止めて、兎人族の女を連れてくる」
「……もういいよ」
「ウサ娘プリンセスダービー」
「100%アウトだよ」
「んだよっ、せっかく、うさぴょん伝説って曲まで考えたのに」
「なんでそっちが不満そうな顔なんだよ……」
これ以上この話題を掘り下げると、取り返しがつかない。
縛ってでも黙らせないと。
「まあ、真面目に考えるなら闘技場の方が良いんじゃね?」
「……理由は?」
「ファンタジー世界だぜ?
ドラゴンとかのレースならともかく、普通の馬が競っても盛り上がらないんじゃね」
まともな意見だし、一理ある。
確かに目玉になるような種でないと、そもそも人に興味を持たれないかもしれない。
闘技場ならば、賞金や賞品で参加者を集めやすそうだ。
ひとまず、そっちの方向で進めてみようかな。




