命の重さは何グラムですか?
死だけは平等に訪れるからな
この声で目がさめる。
またか…
3月も半ばになり、九州地方は桜の開花もはじまり、東京も4日に一度は暖かくなる
『依存』そんな文字がこの夢を見ると頭を駆け巡る
まぶたは、花粉と目やにですぐには開かない。
口の中もカラカラで、舌の感覚がない。
ここ2ヶ月、気分も体調も優れない
恐らくだが、理由はわかっている。
病院に行けと妻に言われるが、金もないし、もう少しでこの夢も終わる事は分かっていた。
ただ、事が解決してもこの夢を見たらその時は覚悟を決めている。
夢の中では、聞き覚えのある声だが、起きるとその声が誰なのかは思い出せない。
聞き覚えのある懐かしい声だが、恐怖感が頭の隅に残っている…
死ということをなんとなく理解したのは、小学校2年だった。
学校帰りに近所で、身なりが乱れた、身体中の毛穴という毛穴から発しているであろう酒の匂いと独特な臭いが入り混じった見知らぬおじさんに『ウチに遊びにこないか?』と近寄ってきて掴まれ掛けた手を振りほどき無我夢中で家の方向に逃げた。
家につくとすぐに鍵を閉め、電話機の前で大声で泣き叫んだ。
衝撃的な出来事は、幼少期に起きた事でも忘れない。
『死ぬ事はボクは怖くないよ。だって死んでも絶対ボクは力を入れて目を開けるんだ』と周囲に言っていた幼少期が終わった瞬間だった。
"明日死んでも後悔しない一日を送りなさい"と祖父に言われた日、ふと夜中に尿意で目を覚まし、トイレに向かう途中、祖父の書斎の扉から漏れた光。
目を擦りながら少し開いた扉から中を覗くと、身体中には大小大きさの違うシミや切り傷の痕だらけの全裸の祖父立っていた。
なにしてるの?と扉を開こうとした時にハッと驚かされた。
そこには、床に四つん這いになった、お手伝いの美佐子さんの姿があったからだ。
背後から腰をひたすら振り続け、今まで見たこともない顔で天井を見る美佐子さんの口に手を入れる祖父。
僕が見ていることに気が付いたのか、こちらを見て更に腰を振る速度があがり、美佐子さんの声のボリュームも上がる。