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第18話「アルバイト』

 レオ『ん、アルバイトを手伝ってくれないかって?』

 ヴァルゴ『うん、どうしても今週末までに人を集めたいんだ。誰か、時間が空いている人はいないかな?』

 サジタリウス『ああ、ごめんなさい。私は無理ね』

 タウラス『私も、夜までシフトが入ってます』

 ピスケス『……………………』

 レオ『高校生組は休日もバイトがあるからな。そのバイトは、年齢基準とかはあるのか?』

 ヴァルゴ『店長に聞いてみないとわからないけど、一日限りの移動販売だからね。お仕事もそう難しい内容じゃあないし、年齢は問わなくて良いかも』

 タウラス『でしたら中学生組。あの二人なら暇そうですし、問題ないでしょう』

 リーブラ『ええーーー!! 何で私が働かなくちゃならないのよ!? パス!!』

 レオ『お前ら普段から何もしていないだろうが! こんな時くらい役に立て!!』

 リーブラ『上等よ!! なら私はアリエスを生贄に捧げるわ!!』

 アリエス『スヤァ〜』

 ヴァルゴ『まあまあ、これはただのお願いだから無理強いはしないよ。クラスの子や部活仲間にも聞いてみるつもりだしね。皆んなが無理をする必要は……』

 スコーピオン『あら? じゃあ私がお手伝いさせてもらおうかしら。丁度暇を持て余していたのよ』

 キャンサー『なら私も参加するよ。同じく暇だしね』

 ヴァルゴ『い、良いの?』

 キャンサー『良いも何も、私達が一番時間に余裕があるんだから、これくらい当然でしょう?』

 スコーピオン『洋菓子店のアルバイト……。読書にも飽きてきたことだし、良い経験になるとかもしれないわね』

 ヴァルゴ『あ、ありがとう!』

 ジェミニ's『『わたし達もー!!』』

 アクア『あら〜残念。二人はもう少し大きくなってからにしましょうね?』

 優姫『ムゥ〜っ! 子供扱いしないでちょうだい! ねえ、愛姫?』

 愛姫『そうだよアクア姉。わたし達だってやれば出来るんだから!』

 ヴァルゴ『ははっ。ごめんね、流石にキミ達がアルバイトじゃあ、店長も困っちゃうから』

 ジェミニ's『ムゥゥ〜〜〜っっ!!』

 キャンサー『二人は家でお留守番ね。これで手伝いが二人出来たけど、小学生だけじゃ心許ないかな?』

 レオ『中学生二人もいるぜ! 精々働かせてやってくれ!!』

 タウラス『同意です。彼女達にも貢献する義務があります』

 リーブラ『はぁ!? ちょっと待ちなさい! 私、働くなんて言ってないんだけど!? 働かせるならアリエス一人にしてよ!』

 アリエス『スヤァ〜』

 サジタリウス『……リーブラ、アリエス。リーダーとしての命令です。週末、ヴェルゴのアルバイトをお手伝いしなさい。出来なければ今後、貴女達に出すトーストのみ人参を練りこみますからね』

 リーブラ『人参……だと!? こ、こいつ本気ぃ!?』

 サジタリウス『どうしますか?』

 リーブラ『わ、わかったわよ……。働けば良いんでしょ、働けば!』

 ヴェルゴ『やった、これだけ居てくれれば十分だよっ! 皆んな、本当にありがとう!』

 スコーピオン『ふっ、お礼を言うのは仕事が終わってからね?』


 こうして、ヴァルゴ含め魔法少女五人が、洋菓子店のアルバイトをする事になった。




 *****




 そんなこんなで週末。

 魔法少女五人は、商店街に来ていた。

 平日はサラリーマンや学生服を着た若者が多いこの場所だが、今日は私服姿の人や家族連れの人が多く見える。

 魔法少女達が、約束場所に集まると、そこには小さなスペースがあり、お菓子が積まれてカウンターの奥で数人のスタッフが開店の準備をしていた。

 すると、一人の女性が彼女達に気づき、近づいてきた。


「貴女達が今回のお手伝いさんね! 私は村田。今回のイベントの責任者よ、今日は協力感謝するわ!」


 出て来たのは気が強そうな大人の女性だった。

 話を聞く限り、どうやらヴァルゴの先輩にあたる人らしい。

 今日ここに集まったメンバーは、キャンサー、スコーピオン、リーブラ、アリエス、ヴァルゴ、そして……キャンサーの友人、博多百華が居た。

 何故、彼女がここにいるのかというと、先日、キャンサー親戚のバイトを手伝うと言う話をした際に、百華も一緒に働きたいと言い出した事がきっかけだった。何でも、百華はこの洋菓子店の常連らしく、是非働く様子を知りたいのだそうだ。

 その事をヴァルゴに尋ねた結果、店側の許可も降りたという事で、こうして百華も魔法少女達と一緒にバイトをすることになったのである。


「しかし、聞いてた通り小さい子が多いみたいだけど……本当に大丈夫なの? うち、力仕事もそれなりにやるんだよ?」

「大丈夫です村田さん。この子達、結構力持ちなんです」

「まあ、このくらいの荷物なら……」


 そう言って、キャンサーは焼き菓子がいっぱい詰まった入れ物を軽く持ち上げた。

 その様子を見て、村田さんは呆気にとられた表情になった。まあ、明らかに10キロ近くある大荷物を小学生の女の子が簡単に運んでいるのだから、驚くのも無理はないだろう。


「それで次郎。今回、私達は何をすれば良いのかしら?」


 スコーピオンがヴェルゴに尋ねた。

 因みに言うまでもないが、魔法少女達は全員、人前では本名で呼び合っている。

 ・魔法少女キャンサー (本名:蟹谷幸枝)

 ・魔法少女リーブラ (本名:天馬計)

 ・魔法少女アリエス (本名:西園寺鈴鹿)

 ・魔法少女スコーピオン (本名:井島胡桃)

 ・魔法少女ヴァルゴ (本名:戸倉次郎)

 これが、それぞれの『魔法少女名』と『本名』である。忘れた方は居ればご確認ください。


「皆んなにお願いしたい仕事は、売り子さんと仕分け作業かな」

「じゃあ私は、裏で働くわ。一番ラクそうだし。鈴鹿は?」

「計ちゃんと一緒〜」


 リーブラとアリエスは、仕分け作業を希望するようだ。

 力仕事はともかく、細かい作業などもしなければならない。

 この二人で大丈夫だろうか、とキャンサーは不安になったが、それを追求するまた文句をつけられそうなので黙っておくことにして。


「じゃあ、この子達は私が仕事を教えるわ! 次郎くん、売り子の仕事をこの子達に教えてくれる?」

「はい! わかりました!」


 ヴァルゴは、元気よく返事をした。

 という訳で、売り子さんはキャンサー、スコーピオン、百華、ヴァルゴ。

 裏方の仕分け作業は、リーブラとアリエスが行うことになった。

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