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[01:幼なじみで同室者]

僕、中村涼一は幼なじみの高橋斎のことを好ましく思っている。


爬虫類が好きで、愛蛇であるカナエと常に行動を共にする涼一を嫌悪したことは今まで1度もない。

「蛇を放し飼いしている奴と同室なんて嫌だ!」

という人が多い中、同室でいてくれる斎に好意以外持つはずがない。

寮には1人部屋というものが存在しないため、できれば卒業するまで同室でいたいと思っている。



そんな高橋斎のことはどんなやつなのか、と聞けば大抵の人間が「ふしぎくん」や「少し変わったやつ」と答える。



例えば朝。

斎は要が起きる前に起床していることが多い。

習慣なのかと思ったが、それにしては朝の5時に起きることもあれば6時に起きることもあり、時間がまちまちである。また、起床直後の「うーん」と何処か不機嫌な声を出している様子は、実家にて父が母にたたき起こされている姿を思い起こされる。しかし部屋には斎と涼一、そして蛇のカナエしかいない。


例えば勘の良さ。

くじは絶対にハズレをひかないし、ドッキリにひっかかることもない。

また先生の抜き打ちテストについても事前に教えてくれる。先生が

「お前ら、今日は抜き打ちテスト…ってなんで勉強してんだよ!」

と叫ぶのはもはや恒例行事だ。予知と表現してもいいかもしれない。


例えば注意力散漫なところ。

授業中・休憩時間を問わず、斎はいつもぼんやりとどこかを見ている。斎の視線を追ってもその先には特になにもないことが多い。



「・・・あ、涼一」

「どうかしたか?」

「あのね、これから雨がふるんだって」

「わかった。早く部屋に戻ろう、今日は布団を干していたはずだ」

うん、と頷く斎と一緒に早足で寮に戻る。



数分後、辺りが真っ暗になるほどの雨が降った。


<登場人物紹介>


*高橋 斎

通称”ふしぎくん”。

生まれた時から幽霊や妖怪といった類のものがはっきりと見える。そのため世界の一部として認識している。わりと危険なことに巻き込まれたりするが、対処法をなんとなく理解しているため、危険を回避したりしている。霊感が強いためか勘が鋭く、もはや予知レベル。

幽霊や妖怪の中には友好的なものも多く、一緒に遊んだりお話をしたり、お菓子を上げたり。

霊感があることを周りに伝えてはいないけれど、周りはなんとなく理解している。どこかフワフワしているけれど、人懐っこいため可愛がられている。

中等部2年A組。風紀委員会。


*中村 涼一

通称”ふしぎくんの保護者”。

斎とは幼なじみ(幼稚園から)で、幼・小・中と同じ。

現在、寮が同じ部屋でもある。

爬虫類好きで、ヘビを飼っている。愛蛇の名前は”カナエ”。

斎がぼーっとしたり、意味不明な行動をしたり、突拍子もない事を言ったりするのは、些細な問題だと思ってる。それよりも”カナエ”を受け入れてくれた事実のほうが大切。

たまに斎が噛まれたりすると、斎自身があまり頓着しないためものすごく焦る。

中等部2年A組。生物委員会。



*月見ヶ丘学園

小学校・中学校・高校・大学一貫の教育機関。

小学校は初等部、中学校は中等部、高校は高等部、と呼ばれている。中等部・高等部は同じ校舎だが、初等部と大学は少し離れたところにある。

委員会は、生徒会、学級委員、風紀、美化、放送、保健、給食、体育がある。

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