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スケルトンの奴隷商  作者: ぎじえ・いり
遠い遠い話
60/67

遠い未来・遠い過去

この1話のみをもとにした長編「スケルトンの述懐」完結しました。

ハルモニア・ナー。

それが少女の名前。


ナー家はかつては軍の中でもその名前を知らない者はいないと言う程の名家だった。

そんなナー家の威光も既に過去である。


彼女の曾祖父、そして曾祖父の妹はかなりの上の地位まで昇りつめた俊才だった。

しかし、彼女の祖父も、そして彼女の父も凡才であり、その能力はありふれた兵と変わらなかったという。

それでも血縁を元に彼女の父も、一応の指揮官にまではなった。

それも、度重なる失態で降格。

そして軍を辞してからも久しい。

今では数ある武門の家のひとつ、その程度の家柄だった。


少女にそんな俊才である、曾祖父の妹の名前が付けられたという事。

それはつまり、かつての威光を取り戻して欲しいという事に他ならない。

直接言われた事が無くとも、そんな重圧を日々、感じて少女は育った。


少女はその期待のままに軍学校に進学。

魔法科において、魔法を学ぶ。


学んだのはかつて、生まれ育った街を繁栄させた領主が使っていたというネクロマンシーだった。



「ようやくの帰省ね」


魔法科には寮から通い、休みは10日に一度、しかも山のように出された課題を平日も休日も関係無しにこなすのに忙しく、ハルモニアにはこの1年間、まともに遊ぶどころか、心休まる休日を味わった記憶が無い。


季節はちょうど植えた麦が伸び始める頃。

道の左右には一面の緑。

新緑が目に眩しい。

ハルモニアは目を細めてそれを眺めた。


「あら、あなた。久しぶり」


道の向こうから1体のスケルトンが歩いてきた。

それを目にしてハルモニアは思わず目を細めた。


いつ見ても可笑しい。

鶏のトサカがついたような妙に大げさなヘルム。

その頭が右に、左に規則正しく揺れていた。


畑を見回っているのだろう。

がちゃり、がちゃり、と音を立てて首を振る様はまるでバネ仕掛けのおもちゃそのものだ。


ハルモニアが声をかけると、スケルトンはおおげさに敬礼をした。

ハルモニアはそれに、既に体に染み付いてしまった敬礼を返す。


「がんばってね」


笑んだまま声を掛けると、スケルトンは顎をゆらしてそのまま歩き去った。

何も変わらないな。

スケルトンのその様を見て、少女は帰ってきたんだ、そう改めて思った。



家へと帰り、家族に挨拶を終え、やっとハルモニアは自分の部屋で一息ついた。

家だけは無駄に大きい。

維持費が掛かって仕方無いんだから、処分してもっと小さい家に引っ越せば良いのに。

そう思うだけで、口にした事は無い。


口にすれば、父は烈火の如く怒るだろう。

久しぶりに帰ってきた家で、わざわざ怒られるような事を言って貴重な休みを浪費したくはない。

ハルモニアの母が掃除をしていてくれたのか、部屋は綺麗だった。

しかし、何となく久しぶりの自分の部屋というのが落ち着かないのだろう。

ハルモニアは気を紛らわせるように、掃除を始めた。


掃除はすぐに終わってしまった。

実際には部屋の隅々まで見て回って、「ああ、こんなモノがこんな所にあったのか」というような確認をしただけに近い。

1冊だけ、自分の物では無い本が見つかった。

それはハルモニアが寮へと入る前に、倉庫から出してきて読んでいた本だった。


『英雄は兵を率いて、邪悪なドラゴンへと立ち向かう』


『しかし、奮闘むなしく、英雄を残して兵は死んでしまう』


『それでも英雄はひとりで勇敢に立ち向かう』


『剣を振るい、跳び、そしてまた剣を振るう』


『戦いは夜になっても終わらず、そして暁が訪れる』


『茜色の輝きが世界を照らす』


『いかなる奇跡か』


『倒れた仲間がひとり、またひとりと立ち上がる』


『ドラゴンの吐く炎に焼かれて、骨だけとなった体で』


『骨だけとなって尚も戦う不死の仲間と共に、英雄はドラゴンを打ち倒す』


『ドラゴンを打ち倒し、英雄が振り返るとそこに仲間の姿は無い』


『そこにあったのは茜色に輝く太陽だけだった」


ハルモニアは本をぱらぱらとめくり、文字を読む事無く絵だけを追う。

子供の頃から好きな絵本だ。

子供向けにしては嫌に描写がリアルで、ドラゴンに焼かれる兵の姿は今見ても恐ろしく思う。

英雄が孤独に剣を振る描写には切なくなった。

そして。


「そういえば、ここに描かれてるのってさっきの子に似てるかな」


朝になり、再び仲間が立ち上がる。

このシーンにハルモニアはどうしようもなく胸が震える。

それはぱっと開いて見る今もそうだった。


客観的に見れば不気味なシーンだ。

真っ黒な灰の中から1体、また1体と骸骨が立ち上がるその様は。

そんな様も、小さな頃からスケルトンの姿を街で見慣れていたハルモニアには嫌悪感は微塵も湧いてこない。

そこに描かれた1体が、畑であったスケルトンに似ている事に気付いて、微笑んでしまったくらいだった。


「そうか。ネクロマンシーを学ぶ事に決めたのも、この本が理由だったのかもしれないな」


ぱたりと、本を閉じ、「よし」と声に出すとハルモニアは立ち上がった。

本を手に向かった先は倉庫だった。


ほこりとかび。

倉庫に入ったハルモニアを迎えたのは空気中を漂うそれらの臭いだった。

家族の誰もずっと入っていないのだろう。

小さな頃から冒険と称して入っていた彼女にとっては自室の次に落ち着く場所だった。


何度怒られても、鍵をかけられても、隠された鍵を探して入り込むハルモニアに呆れ、いつからか何も言われなくなった。

いや、祖父に厳しく叱りつけられたのは覚えているものの、父に怒られた記憶はあまりない。


そういえば祖父が亡くなった頃から、この倉庫に入る事を何も言われなくなったような。

懐かしむようにあれこれ考えながら、書棚を目指し、そしてそこに本を仕舞う。


そのまま倉庫の中の雑多な物を見て回っている内に、ハルモニアは気付いた。


魔法の気配がする。


実際には魔力が働いている気配が、だ。


この倉庫には何かある。


何か、アーティファクトのような、価値のある魔法の品でも隠してあるのだろうか?


だから、祖父はここに立ち入る事をあんなにも怒ったのだろうか?


ハルモニアの父は魔法には疎い。

才が無かったようで、一切魔法には関わらなかったようだ。

もしかすると、父すら知らない何かがあるのでは無いだろうか?


そう思い、日が暮れるまで探したけれども、果たして彼女に分かるような何かは見つけられなかった。



ハルモニアが寮へと戻り、また1年が経った。

再び長い休みを迎え、気がかりだった倉庫をまた調べる。

知識を1年分、上乗せした彼女には、それが結界である事が分かった。

それは何かを封じている。

そうは言っても、何かの力を押さえ込んでいるのではないようだった。

地下を何者も入れないように密室にして、ただ閉ざしてある。

それとなく父に確認しても、父は何も知らないようだった。


家に家族の誰も知らない何かが眠っている。

それがハルモニアには気になって仕方が無い。


祖父なら何か知っていたのかもしれない。

しかし、祖父はハルモニアが小さい時に、突然の死を迎えていて何も書き残してはいなかった。


ハルモニアが封印を解くには、それから5年がかかった。


「なるほどね。地脈をいじって囲っていたのか。これは普通じゃ分からないって」


結界とは普通は境を作り、そこに楔を打ち、外と内とを強力に分ける。

少ない魔力でも効率的に構築するために、普通は境をはっきりと作るのだ。


所が、倉庫にかけられていたそれには、楔も無く、そして境が無かった。

あったのは、地脈を流れる魔力。

それをうまく循環させていただけ。


ただし、それは流れをつくる。

まるで床に開けた穴に水が流れ落ちるように、ひとつの位置に向かって。

それは強力に。


やはり、何かを封じているという事ではなさそうだ。

魔獣や何かの類いにそんな事をしたら流れ込んだ魔力で大変な事になるだろう。

封じるというよりも、閉ざしているという方が印象としては正しい気がした。


四方八方から押し寄せる形の魔力で固定されていたのは書棚だった。

書棚はよく見れば普通の鉄ではない。

おそらくは何らかの貴重な魔力を通す金属だろう。

これを壊すのは見るからに大変そうだった。


既に地脈をいじって魔力の流れは変えてある。

書棚から本を全てどかし、壁との間に手近にあった錆びた剣を突き入れ、そして倒した。


派手な音と共に書棚は倒れた。

倒れた書棚の下にあったのは地下へと通じる縦穴とハシゴだった。



家からランプを持ち出し、それを手にハシゴを降りる。

中に入ってハルモニアは気付いた。

中には別の結界が作動している。

それはあの書棚の下から以外は決して入れないように強力な境を作っている。


縦穴は深い。

もしも、今、上を閉じられたら。

そんな埒の無い事を考えては、心の内で打ち消し、穴の底へと潜っていく。


そうして辿り着いたのは、狭い玄室だった。


玄室。

死者を埋葬する墓。


周囲は真っ黒な岩で囲まれている。

切り出されたそれはひとつひとつが大きく、大理石のように輝いている。

3人が両腕を広げて手をつないだらそれでいっぱいになりそうな狭さだった。


かびのにおいすらせず、ただただ静謐な空間。


そしてその中央には1体の骸骨が横たえられていた。


「……」


ハルモニアは息をのんで観察する。

空気の心配があるから、あまり長居しない方が良いかもしれない。

しかし、それに目が吸い寄せられるのを止められない。


おそらくは男性のものだろう。

大柄で、そしてその骸骨には左手が無かった。

肘から先が無い。


胸の上には何かの牙が置いてあった。

手の平よりも大きい。

いかなる魔獣のそれだろうか。

想像しようとして、あまりの途方の無い大きさを想像して溜め息をついた。


「ばかばかしい。ドラゴンじゃあるまいし」


しばらく観察した後、ハルモニアは外に戻る事に決めた。

骸骨が誰なのかは分からない。

それを知る手がかりも無い。


ならば長居をしていても意味は無い。


上へと戻るために、はしごに手を置いて気が付いた。


「しまった。棚をどうしよう」


倒した棚は重かった。

それをハルモニアひとりで元に戻すのはどうにも不可能である。


家族に言う?

そう考えて、即座に否定する。

見てはいけないものを見てしまった。

どうにもそういう思いが打ち消せない。


出来れば、自分のした事を家族の誰にも知られたくない。

それでもここへと至る穴を塞ぐには力のある誰かが必要で。


そこまで考えて、1体のスケルトンの姿が思い浮かんだ。

街の中を歩き回り、人々を守るあのスケルトンが。


「あれにそういうお願いってきくのかしら?」


ネクロマンサーであるハルモニアにとって、スケルトンがどういう存在なのかは十二分に分かっている。

初等部、中等部を経て、既に高等部へと移ってから久しい。

知識だけなら第一線の魔法兵にも劣らないはずだ。


依り代があれば可能なのは間違い無い。

しかし、スケルトンの依り代は街の警備兵が厳重に管理しているはず。

それを手に入れるのは難しい。


街のスケルトンはある程度は街の住人の声を聞くように命令されている。

困った時に助けてもらえるように。

問題は街の住人のお願いをどの程度聞くように命令されているか、だ。


それは当然、万能ではない。

街の住人が悪用できないように、命令は幾重にも渡ってしてあるはずだ。

あまり私的な事には力を貸してくれないように命令されているかもしれない。


「何かうまく頼む方法は……」


考え、巡らす視線が自然と横たわる骸骨へと止まった。


「いや、それは」


思いついた考えがあった。

しかし、それはさすがに気が引ける。


「問題ある……けど、後で返せば良いか」


魔法の研究は進んでいる。

謎だらけだったネクロマンシーも今ではかなり解明された。


かつては作ったスケルトンは、滅ぼすより他にもとの死体に戻す方法は無かった。

しかし、今では別の魔法を使う事で、もとの死体へと戻す事が出来る。

他にも、自己の分け身たる存在しか造れなかったのが、今では死体そのものに残った意志により造る事すら出来た。


そう、元に戻せるのだ。

つまり無かった事に出来る。

それならば問題ないだろう。


首から下げていた指輪を手に取る。

それは中等部へと上がった時に父からもらった物だった。

それを依り代に、魔法式を展開する。


最初はただのイメージ。

脳裏に思い浮かんだそれを固定し、魔力を流す。

樹が成長するようにイメージは広がり、やがてそれは式となる。


構築したイメージは力となり。


「我が求めに応えよ!」


魔法式を展開した瞬間、いつもとは違う感覚に驚く。

体中の生気が吸われていた。

重くなる体。


不意に気が遠くなる。


玄室は茜色の輝きに包まれていた。

その中央には黒い炎が燃え盛っている。


激しく、妖しく。


ハルモニアはそれを見ていられない。

既に目を閉じ、それでも一心に念じていた。


下れ。

下れ。

下れ。


「お願い!下って!ネクロドライブ!!」


どれほどの時間が経ったのか。

どれほどの魔力が吸われたのか。


ハルモニアは耳鳴りとめまいに襲われ、放心していた。

何も見えず、何も聞こえない。


ぼんやりと思ったのは、ここに地脈が無ければどうなっていたか分からないな、という事だった。

地脈の魔力に救われた。

それだけは分かる。


自分はいったい何を呼び出したのか?

スケルトンとの間の繋がりを感じるから、失敗はしていないはずだ。

いきなり襲われたりはしないはず。


やがて、視界が戻ってきた。

にじむ世界に髑髏が浮かぶ。


「ああ、成功したんだ」


分かっていても、それを見て安心した。

骸骨は膝を付いて、座り込んでしまった私の顔を覗き込んでいるようだった。


「大丈夫か?」

「ええ。大丈夫……」


髑髏の問いかけに答え、そして彼女は固まった。


「じゃない!?スケルトンがしゃべった!?」

「ああ。良いから落ち着け。マナポーションがあるなら飲め。魔力が枯渇しているぞ」


ハルモニアの顔を覗き込んでいた骸骨は茜色で、そして暗く、真っ黒なオーラを発していた。



「ふん。穴を塞ぐのに造ったって」


ハルモニアの説明を聞いて、スケルトンは呟いた。

表情が無く、疲れきっていたハルモニアには分からないが、スケルトンの言い方は「馬鹿か」と言っているようだった。


スケルトンは自らの体をまじまじと観察する。

右の手を広げ、そして左の手がそこに無い事を。


ハルモニアも自身を確認した。

右手に不思議な紋様がある。

指輪はそのままだった。

そして、周囲を見回して気付いたのは、あの大きな牙が無い事だった。


「なぜだ」

「何がです?」


スケルトンが呟く。

自分が造ったスケルトンに敬語で尋ね返してしまった事にハルモニアは、あっ、と思いながらも答えを待った。

ややあってスケルトンは答える。


「俺には記憶がある。生前の記憶が、だ。いくらスパルトイやデスナイトでもそんな事はありえん」

「ああ、昔はそうだったらしいですね。今では普通の事ですよ」


ハルモニアは説明する。

ネクロマンシーの研究の進歩を。


このスケルトンがいつ頃に死んだのかは分からない。

ただ、自分の祖父の頃に既にこの場所にいたのなら、相当に昔の人のはずだ。


簡単に今のネクロマンシーの事を話しつつ、ハルモニアは首を傾げた。

自分が使ったのは、自己の分け身たる方だったはず。

それが記憶を持った方になってしまったのは、ビックリして式を書き換えてしまったのだろうか?


「えぇっと、スケルトン……さんは、スパルトイ?なんですか?」


彼女は自分が初めて耳にする名前を言いながら聞いた。

デスナイトは分かる。

それは恐怖の代名詞だ。

リッチと並ぶ恐怖の存在。


スパルトイ。

それは彼女にとって聞き慣れない名だった。


かつての領主が片腕としたスケルトン。

軍の一部には勿論、記録として残されている。

しかし、領主が最期を迎えると同時に、それは隠された。

今では軍でもほんの一握りしか知らない存在。

それがスパルトイだった。


「知らないのか?いや、俺が死んで色々隠した奴がいるんだろうな」


俺がした事を考えたら、当然か。

そう呟く声は小さく、未だ耳がおかしいハルモニアには聞き取れなかった。


「はい?なんですって?」

「いや、いい」


それぞれが、それぞれに自らの考えに没し、沈黙が玄室を支配する。

やがて、舌打ちがもれた。


「ちっ、まあいい。出るんだろ?なら行くぞ」

「えっ?あっ、はい」


舌がなくても、舌打ちが出来るのはどういう訳だろう?

ハシゴを上っていくスケルトンに、どうでも良い事を考えながらハルモニアが続いた。


穴から倉庫へと出ると、スケルトンはいとも簡単に書棚を起こした。

そしてそれを穴のすぐ側まで移動する。


「隙間を開けて、閉じるぞ。後は俺を死体に返して、隙間に放り込んどけ。それですぐにはバレないだろう」


隙間は自分で何とかしろ。

そう言うと、スケルトンは書棚の脇に腰を下ろした。


「それで良いんですか?」


せっかく意志を持ち、そして喋る事が出来るのに。

怖そうな喋り方ではあっても、それも軍学校の教官に比べたら大した事は無い。

むしろ、聞きたい事は山ほどあった。

どうしてこんな所に隠されるように死体が置かれたのか。

祖父の事どころか、曾祖父の事すらも知っているかもしれない。

そして、自分と同じ名の俊才の事も。


問う、ハルモニアの声に、スケルトンは一瞬黙り、そして再び顎を揺らした。


「未練など無い。死体は死体らしく死んでいるのがお似合いさ」


悲しい響きがあった。

諦めたような。

嘆くような。

それを聞いた瞬間、ハルモニアは決めていた。


「駄目です。あなたは私が造ったんだから、私の命令に従う義務があります」

「何言ってんだ?お前は?」

「あなたには聞きたい事がたくさんあります。あなたにはしばらくここに隠れてもらいますので、ひとまずは、うまくここを開けたり塞いだりする方法を私と一緒に考えてください!」


スケルトンは頭をかく仕草をした。


「分からない奴だな。穴を塞ぐためだけに造ったんだろう?なら、さっさとそうして死体に戻せ」

「良いじゃないですか。あなたの事を知っているのは私だけなんですから。そうすぐに死体になんて戻らなくても良いじゃないですか。死体に戻すのはすぐに出来ます。その前に、少しくらい遊んでも罰は当たりませんよ」


俺には俺の意志が。

造った私の命令に。


まるで子供の口喧嘩のような問答が続き、やがて諦めたようにスケルトンが呟いた。


「分かった。ひとまずはこうしてやる」


依り代によって魂を縛られるスケルトンに、もともと勝ち目などない。

スケルトンが書棚に手をやり、そして離れた。

何かしらの魔法を使ったようだ。


ハルモニアはその事に驚く。


やはりただのスケルトンではないのだ。


関心していると、スケルトンはハルモニアの手を取った。

そしてその手で書棚を押す。

すると。


「え?ぁ、うそ、簡単に動く!」

「自分でやってみると、想像以上に便利だな」


創造魔法。

自らの意志によって物を作り替える。

スケルトンが行ったのは、それだった。


「これでお前でも塞げるだろう」


そう言うと、スケルトンは書棚をどかし、ふたたび縦穴を降りるべく、ハシゴへと手を掛けた。


「俺は今更、外になんて出るつもりはない。俺はここにいる。何か聞きたい事があるなら、気の済むまで付き合ってやろう。それが済んだらまた死体に返せ」


良いな。

そう言って、降りるスケルトンにハルモニアは声を掛けた。


「ぁ、待って、名前!あなたの名前は!」


スケルトンの動きが止まった。

ややあって。


「人に名前を聞く時は、分かるだろう?」


ハルモニアは、あぁ、と小さく呟く。


「ごめんなさい。ハルモニア!ハルモニア・ナーよ!」


スケルトンはその名前を聞くと、黙り、そしてそのまま動かなかった。

ずっと。

ずっと。


「ちょっと、名乗ったんだから、教えてよ」


ハルモニアの催促に、スケルトンは。


「俺は死んだんだ。死んだって事は、名前も無くなったって事だ。名前は無い。それで良いんだ」


そして、スケルトンは闇の中へと消えていった。



おじさん。

おじいさんと呼ぶのもおかしい気がしたので、ハルモニアはスケルトンをそう呼ぶ事にした。


休みの間中、出かけると嘘をついては玄室の中へと向かい、スケルトンと話す。

ぶっきらぼうに、ぽつりぽつりとスケルトンは語った。


ハルモニアの知らない魔法の話。

世界のすべてが戦乱の業火に包まれた遠い過去の話。

砦へとたったひとりで攻め込んだ少年の話。


そして、ハルモニアの知らないひとりの女性士官の話。


やがて休みも終わりが近づき、スケルトンは死体へと返る事を望んだ。

ハルモニアは拒み、変わりに学校で使わなくなった教本や歴史書、魔法書、ありとあらゆる本を残して学校へと戻った。


帰省する度にハルモニアは話をせがみ、スケルトンは語る。

話す事が無いとスケルトンが言うと、ハルモニアは戦術について、戦略について聞く事が多くなった。


人と人とが戦う場合。

人と魔獣とが戦う場合。

地形効果。

陣形効果。

不利な状況での奇策。


ハルモニアが軍学校へと戻る時には、決まってスケルトンは言う。

死体に戻せ、と。




それをハルモニアはいつからか、とても悲しい目をして聞くようになった。



ハルモニアは軍へと正式に入り、やがて頭角を現す。

そして、かつての名門の名を取り戻すかのような活躍を見せた。


スケルトンの軍勢を率いて功績を上げるハルモニア。

それはスケルトンから聞いた知識の成果でもあった。




スケルトンは変わらずに地下の玄室にこもり、そしてハルモニアが残した最新の魔法書を読む。

帰省した彼女の話を聞く。

ただそれだけの存在でも良いかと思い始めていた。


魔法書を読むのは、ただのひまつぶし。

最初は確かにそうだった。

何しろスケルトンは眠らない。

眠りのない1日のなんと長い事か。

しかし、それは何かしらの研究を行うのには向いていた。


魔法は本当に進歩していた。

それはスケルトンを死体へと戻す方法だけではない。


目的を持ち、スケルトンは探していた。

自分自身では死体へと返せない。

そもそも、スケルトンが自らを死体へと返す、そんな前提から研究など行われていなかった。

自分自身では最期まで魔法式を維持できない。

それでは死体へと返る事など不可能だ。


方法を。


スケルトンは魔法書を読みふける。


そしてスケルトンはついにそれを知った。



街に危機が迫っていた。


鋼の肌の巨人。


遠い国で発生したおそるべきモンスターは、周辺諸国の一切の攻撃をはねのけ、災厄を振りまき、そしてハルモニアの国へと迫っていた。


ハルモニアは故郷の街へと急ぐ。


グレンデル。


その話は玄室のスケルトンから聞いている。

彼ならば、対処する方法を知っているはずだった。


辿り着いた玄室でハルモニアを迎えたスケルトンは静かだ。


「おじさん。教えて。グレンデルはどうしたら倒せるの?」


現れた巨人はスケルトンの知るそれよりもはるかに大きい。


「ふん。7メートルのグレンデルか。まさしく神話クラスの大災害だな」


その赤褐色の肌はまるで鉄。

普通の武器ではどうにもならない。

とにかく魔法をこれでもかと浴びせ続けるしか無いのだ。


「体が大きい、という事はそれだけ抵抗力も大きくなる。小さな魔獣よりも大きな魔獣の方が魔法耐性があるのと一緒だ。そんな事は俺に言われなくても分かっているだろう?」

「分かってる。でも、おじさんはアレを倒したのでしょう?」

「俺が倒したのはただの4メートルちょっとの奴さ。その倍近い奴に同じ戦術がそのまま通じるとは思うな」


7メートルの巨体から踏み出される1歩は驚異的に広く、そして早い。

それは馬の全速力と比べても、遜色無いだろう。

下手したら力押しで簡単に踏みつぶされてしまう。


「俺が行く」

「え?」

「俺には経験があるからな。お前が行くよりも、よほど確実だろう」


ハルモニアの目が言われた言葉を受け止め損ねて虚空をさまよう。

それはひとつところに定まらず、そして何かを口にしかけては言葉にならずに消えた。


「幸いな事に戦術の拠り所にすべき当てもあるしな」

「なら私が!」


スケルトンがハルモニアの頭に手を置いた。

その手には肉も皮も無く、そしてぬくもりもない。


「スケルトンとはただの奴隷さ。その奴隷を使い潰すのをどうして恐れる?」


スケルトンの言葉に、ハルモニアは決然とした視線を返した。


「おじさんはいつも私を待っていてくれた。私はいつもどきどきしていたの。あなたの話す私の知らない話を。あなたには存在する価値がある。ただの一兵卒に過ぎない私とは違う」

「生者の価値と死者の価値を同列に並べるな。馬鹿者」

「いいえ。違わない。命じます。あなたはここで待っていて」


指揮官として、そしてネクロマンサーとしてハルモニアは成長していた。

その命令はかつての彼女の命令とは違う。

依り代へと流された魔力は絶対的にスケルトンの魂を縛り、そして従わせる。

しかし。


「カドモス・オストワルト」

「え?」

「覚えておけ。それをある程度の地位についたお前が調べれば、俺が話した事なんてすぐに書物の情報程度だと知れる」

「何を?」


スケルトン、カドモスはひとつの魔法式を展開した。

ハルモニアの頭に乗せた手が輝き出す。


ハルモニアはそれを最期まで見ている事は適わなかった。

意識が遠くなる。


「それなりに楽しかったが、お別れだ」


そして、意識は闇へと落ちた。



カドモスは玄室を出、そして倉庫を出ると、真っ先に街の外へと向かった。

そこは彼が生前に戦争工作を行った場所。

一見して何も無い平地のまばらに生えた樹の根元へと向かう。


そして魔法式を展開し、周囲の土を吹き飛ばした。

現れたのは赤く錆びた鉄の扉。

迷わず彼は開き、中へと入る。


セーフハウス。

彼が何かあった時用に、生前に用意していた秘密の隠し倉庫。


中には剣が、鎧が、そして棺があった。

それらをすべて開け、中の骸骨へと片っ端から魔法を掛ける。


死体をスケルトンへと変え、自らの移し身として兵とする魔法を。


生まれたスケルトンはすべてスケルトンソルジャー。

依り代はカドモス自身。


今では、兵たちはボーンタグと呼ばれる認識表が渡され、そこに死後、スケルトンの兵として再利用しても構わないという同意書を持っているらしい。

勿論、拒否も出来るようだった。


しかし、カドモスが生きていた頃にはそんなものはない。

カドモスが戦争の時に私的に隠した死体だった。

それももうとっくに時効だろう。


「死体が死体を操るとはな」


自嘲するように笑うカドモスに、どこかの婆が笑いかけた気がした。


「ふん。不吉な事この上ない。鎧を着ろ。剣を取れ」


スケルトン達に命じると、彼らは言われるままに動き出す。

その間にカドモスは別の死体にも魔法を掛けた。

それは、すべて馬の死体だった。


魔力が枯渇していた。

今のカドモスはスパルトイであり、そしてデスナイトでもあった。

そんなカドモスでも、さすがにこれだけ連続して魔法を使い続けると、魔力がもたない。

このままでは足りなくなった魔力のせいで、強制的に封印状態に陥りかねなかった。


セーフハウスに置いてあったマナポーションは全て腐っていて使い物にならない。

自嘲的に笑ったつもりが、ただ顎をがりがりとすり減らしているだけな事に気付いて余計に笑えた。


鎧を身にまとい、最期に自らの剣を取ろうとして、気が付いた。

剣にはほこりひとつついていない。

まるで誰かが手入れをしていたように。


そこまで思った所で、扉が開いた。


「ナーか?」


不意に、名前を漏らしてしまった。

決して呼ばなかった少女の名前を。

そしてかつての配下の名前を。


二度と口にする事は無いと、あの日、あの時から思っていたその名前を。


しかし、そこにいたのは1体のスケルトンだった。


頭にはまるで鶏のとさかのようなヘルム。

そして手には真新しいマナポーション。


「お前か……」


カドモスは差し出されたそれを受け取り、自らの体へと振りかける。


「まったく、お前は」


表情のないカドモスの言葉には、スパルトイとして、そしてデスナイトとして再生してから決して浮かぶ事のなかった感情が見えた。


それは楽しげで、はっきりと笑っているように聞こえた。



ハルモニアが玄室で目を覚ますと、ただのひとりだった。

そこにカドモスの姿はない。


「どうして……」


依り代を使って命じたのに、その命令は果たされなかった。

確認するように右手を見ると、そこに紋章は無かった。


ハルモニアの顔から血の気が引いた。

依り代がどういう訳か消えていた。

カドモスが魔法を使って何かをしたのだろう。


それはつまり、ハルモニアとカドモスの繋がりが切れたという事。

繋がりがあるからこそ、カドモスは魔力切れの心配がいらないのだ。

ならば、今のカドモスは何から魔力を得ているのか?


外で動き回るカドモスが魔力を得る方法などほとんど無いはずだ。

マナポーションでの回復にも限りがある。

そんな状態で外に出たのは自殺行為に他ならない。


「どうして!」


ハルモニアは玄室を出ると、急いで馬に乗り、軍へと戻った。

直近でどこに向かったのかは分からない。

しかし、最終的な目標は分かる。

彼の願いは死体へと戻る事だ。

そしてその願いを叶えてくれる相手がすぐそこまで来ている。


止めるにせよなんにせよ、それには兵力が必要だった。

自分の迂闊さを呪う。

どうしてグレンデルの位置まで話してしまったのか。


ハルモニアは軍へと馬を走らせた。



カドモスはセーフハウスで考える。

ハルモニアから聞いた話でグレンデルのおおよその居場所は掴めている。

後はどこへ向かうかを考えれば良いだけだ。

あれが向かうのは人の多い村や街、呪詛のたまった場所、魔力の湧く泉のような場所だ。


さすがに今いる場所に呪詛がたまっていたのは昔の話だ。

ここで待っていても、何も現れないだろう。

考え、そして馬を走らせた。


そこは聞いていた場所からは少し遠い。

そして近くにはダンジョンが口を開けていた。

何もグレンデルが襲うのは人だけとは限らない。

モンスターからでも魔力は補える。

小物が数多く湧くダンジョンは、グレンデルがおやつを食べるのにはもってこいだった。


時は夜。

辺りを暗闇が覆っているが、アンデッドであるカドモスには関係がない。

遠くに巨人の姿をはっきりと捉えていた。

時折かがんでは、何かをつまみあげていた。

ゴブリンか何かでもいるのだろう。

飽きればそのまま南下して、やがては街を襲うはずだ。


周囲には騎乗したスケルトンソルジャー。

そして、なぜかついてきた、とさかヘルムのスケルトンが1体。


「バンザイ。お前はここまでだ。そもそもお前は……いや、いいだろう。良くついてきてくれた。礼を言う」


軽く敬礼をすると、それにバンザイと呼ばれたスケルトンはおおげさに敬礼を返した。


「さて。あいつには偉そうに勝算があるように言ったが、分の悪い賭けだな」


普通の馬に騎乗しても、アレの足の速さの前には無力化されるだろう。

より早い馬に乗らなければ。

今、カドモスが乗っているのは骨の馬だ。

その重さは普通の馬とは比べるべくもなく軽い。

そして力強さは普通の馬以上だ。


つまり、本気で走らせればその早さは疾風そのものと化す。

その分、軽いため戦では突撃力に劣るという難点もあるが、今必要なのは機動力であって、突撃力ではない。

これなら多少なりとも翻弄できるだろう。


そして手にするのは茜色の輝きがともる、かつてのカドモスの半身たるアンデッドが創造した剣だった。


これがアレの肌を切り裂けるのは既に実証済みだった。


風のように接近し、そして一撃で脚を落とす。

次に首を。

魔法の援護無しに、ただの7体の騎乗したスケルトンでどこまで出来るのかはカドモスにも分からなかった。


魔力もすでに枯渇しかけている。

いつ自身の体がその機能を止めるのかもわからない。


それでも。

死者の命であがなえる生者の命があるのなら。

考えるまでもない。


そしてその生者の名前は……なのだから。


カドモスは剣を振り上げた。


「行くぞ」


カドモスは笑った。

実際に髑髏たる顔ではそれは分からない。

しかし、彼は笑った。



ハルモニアがその場所に辿り着いたのは暁が昇る頃だった。

ハルモニアの周囲にはスケルトンの兵たちがいる。

それはカドモスと同じ結論に辿り着いたのだろう。

スケルトンの騎兵の後ろには生身の魔法兵。


スケルトンの兵で引きつけ、魔法で叩く。

数は200。

街で封印保管してあったスケルトン兵を起こし、連れてこられるだけ連れてきていた。


対するグレンデルは弱っていた。

右足がずたずたに切り裂かれている。

それでも、断ち切るには至らなかったようだ。


グレンデルは血の跡を、川のようにずるずると引きずりながら、そして足を引くようにして歩く。


ハルモニアの目に、そのグレンデルの胸のぽつんと残る点が映った。

双眼鏡を手に取り、覗いて見えたのは、その胸に刺さる剣と、そしてその剣を掴んで離さない茜色の腕だった。


腕だけだ。

腕から下は無い。

腕だけだった。


双眼鏡を降ろした目は冷え冷えとした輝きを放っていた。

表情は無い。

それはどこか、かつての女性士官の顔に似ていて。


「前進。スケルトン。私に続け」


傷ついたグレンデルはやがて、呻きを上げ、悲鳴を上げ、そして倒れ、最期は首から血を流した。



国ではじめての女性将軍がパレードを行く。


彼女の首元には茜色に輝く綺麗な首飾り。


それは人の指のようであり、そしてそこには指輪がはまっていた。






以下、プロットです。

だいたい、書く時にはこの程度のものです。

終わった話をだらだらとしても良くないと思ったので、さっくりと、肉付けほとんど無しです。


かつては軍人として家名を馳せ、名門と謳われたナー家の威光も遠く、それでも軍学校に入ったハルモニア・ナー(かつてのカドモスの片腕と同名同性)は、魔法を習う。かつての領主と同じ死体を操る魔法を。魔法を覚え帰省したある日、家の倉の地下室で奇妙な品々を発見する。曾おじいさんの手紙、手のひらよりも大きな牙、そして片腕の無い骸骨。ナーは興味本位で魔法を使う。それはかつての領主よりも進んだ魔法。それは自己の分け身たる存在を作るのではなく、死体そのものに宿った意志によりスケルトンを生み出す。死体は名乗る。オストワルト。それは茜色の骨身に暗く真っ黒なオーラを身にまとった不気味なスケルトンだった。


スパルトイでありながら、デスナイトでもある彼はナーの部屋で、ナーの話し相手として日々を過ごす。ナーの知らない魔法の話、すべての世界が戦乱の業火に包まれた遠い過去、そしてナーの知らないひとりの女性の話。


ナーは成長し、軍で頭角を現し、かつての名門の名を取り戻すかのような活躍を見せる。スケルトンの軍勢を操り功績を上げるナー。オストワルトは相変わらず彼女の部屋にいた。表には出ず、ナーから渡される最新の魔法の知識を得(これによりカドモスと彼女とのリンクを切る方法を知る)、帰省した彼女の話を聞く。ただそれだけの存在。


魔獣が街を襲う。それはオストワルトから聞いていた伝説に近い災害の魔獣。ナーは再び彼から話を聞くために故郷へと戻る。オストワルトは言う。それなら私が戦う、と。ナーは命令する。あなたは今まで通りここで私の帰りを待っていてほしい、と。


命令を拒否し、自らスケルトンの軍勢(残っていたセーフハウスから。とは言え、たったの6体の)をつくり出し(ただ1体、滅びずに残っていたかつてのスケルトンが現れ、被っていた兜を彼へと渡し、軍勢に加わる。「お前か。まったく。お前は……」)、魔獣へと向かうオストワルト。前準備無しで戦いに挑んだ隻腕の彼は苦境に立たされる。そして彼は倒れる。魔獣に死へと至る一撃を加えて。


軍へと戻り、兵を集め、ナーがその場所を訪れた時には全ては終わっていた。既に死にかけの魔獣にとどめをさすナー。ほとんどの彼の軍勢が土に帰っていた中、ただ1体残ったスケルトンは差し出す。それは茜色に輝いて。


国で初めての女性将軍がパレードを行く。彼女の首元には茜色に輝く綺麗な首飾り。それは人の指のようであり、そしてそこには指輪がはまっていた。


ボーンタグ=「死体を兵に」サイン。拒否も出来る。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いなぁ。何年経っても面白い。本当に良い小説だと思う。
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