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スケルトンの奴隷商  作者: ぎじえ・いり
アーレスの村
37/67

再編

あれからサストレはきちんと成果を上げている。


スケルトンの指揮にも問題は無い。

水路から入り込んだモンスターを確実に排除していた。


カタブツとサストレは、ひとりと1体でひとつの兵として、そこらの冒険者にも負けない強さを発揮していた。


カタブツとの相性も悪く無いようだった。

わりと大ざっぱな性格かと思っていたので、ガサツの方が良いか、と思ったがどうやらカタブツを気に入っているらしい。


何やら下ネタ的な言葉で指示を出して、反応が無いカタブツを豪快に笑い、話しかける姿を良く見かけた。


カタブツがどう思っているのかは知らないが、まあ、奴隷の身で上官を選べるとは思っていないだろう。


サストレに問題行動は無く、功績も上げているので、付けていた普通のスケルトンを戻し、代わりにソリアのダンジョンで加わった新顔のスケルトンソルジャーを渡す。


名前をつけるのなんて出来ない、と言うので俺が代わりにグンソウと付けてやった。


ちょうど良いので、スケルトンの再編をする事にした。






村の中の警備はスケルトン2体を当てた。

これは既にあまり置く意味は無くなっている。

塀が機能を果たし、村の中にモンスターが入り込んでくる事は無い。

村人から不満があれば外して良かったが、特に文句は入って来なかった。

もう既に慣れきってしまったという事だろうか。

中にはスケルトンに挨拶する者もいるほどだった。


村の外の見回りはガサツとゴキゲンとドジッ子それにスケルトン3体だ。

不意にどこからともなくゴブリンやオーガ、オークがやって来る事は今でもたまに起こる。

これは外す事は出来ないだろう。


畑の警備はサストレとカタブツ、グンソウ、スケルトン5体に任せた。

これはほとんど今まで通りだった。

心配された大物の襲来は無い。

無いからと言って、兵力を下げて良いという判断を簡単にするのは俺の主義に反する。

しばらくはこのままだろう。


後はデカブツの封印小屋の警備にスケルトン2体を当て、ルークにはこれまで通り補佐にバンザイを当たらせた。


隊長は基本的にナーに付けさせた。

普段の警備体制としては、既にどこも十分な余剰戦力を含めている。

最も強力な隊長を何か起こった場所に急行させれば、と考えたが、今の所はそういう事は起こった試しが無い。


後は村の外にモンスター討伐に向かう時には隊長達、精鋭スケルトン組を状況に合わせて動かす事にして、再編を終えた。


本音を言えば、後ひとりかふたりは、スケルトンを指揮出来る人間が欲しい所だ。

しかし、サストレには軍から退役手当を貰っているからという事で、無償でやってもらってるくらいなのだから贅沢は言えないだろう。


ひとまずはこれで体勢が整った。

後はこれからの発展を目指すだけだ。






サストレが来た事で村のスケルトンの動きが変わった。


今までは村の中をスケルトンがただ歩き回っていた。

今は、人と出会うと、必ず一度立ち止まり、敬礼するようになっていた。


規律を守らせ、軍人のように立ち回るようになったのだ。

時間を掛け、1体1体に指示を徹底させた結果だった。


万が一、外から襲来したスケルトンが村人に害をなすような時に、すぐに見分けがつかないようでは困る。

いくら首から認め印の入った札を掛けているからと言って、実際にそうなった時に札の有る無しに気が付くとは限らない。


言われてみれば、たしかにそうかも知れない。


サストレのその主張は的を射ていて、俺自身はもとより、ナーもルークもあまりにもスケルトンに慣れ過ぎていたが故に気が付かなかったことだったので、賛成する。


他にもバラバラの装備もきちんと統一して、絶対に安心出来るスケルトンとそうでないスケルトンの見分けが付くようにしておくべきだと言われたが、村の財源がないために、それは先送りになった。


エキオンに造らせようにも、今のスケルトン達の防具は革だったり、鉄だったり、合金だったりで、バラバラなので統一させようが無い。


やはり残った村の問題は財源だった。

ここからは何をしたくとも、それが必要になる。


これは一朝一夕ではいかないだろう。

その辺から金が掘り出せたり、温泉みたいに湧いて出る訳でも無しなのだから、これから時間を掛けて解決するしか無い。


普通はここまでの開発に何年も掛かる事を考えれば、性急過ぎる悩みだ。

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