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スケルトンの奴隷商  作者: ぎじえ・いり
エイディアスの骸骨商会
15/67

戦い終わって

「よう、若造」


戦いを終えた翌日、軍司令部へと呼び出された。

やがて現れたのはワグナー将軍と前にもいた警護の男だった。


「俺のスケルトン達は役に立ちましたか?」

「ああ。立ったとも。お前の話した通りにな」

「それは何よりです」

「だが悪いが、残ったスケルトンは返品させてもらうぞ」


数にして43。

無事に残ったそれを返す。

書面にして渡された。


本来であれば、契約が交わされた時点で返品は絶対に受け付けない。

そう言った所で、軍の訓練か何かに使い潰されて終わりだろう。

既に代金は貰っている。

返してくれるというなら返してもらうだけだ。


「やはり軍での運用は非常時のみですか」

「ああ。所詮はモンスター。平時に人を守るのは人でなければ民は安心しない」


カルヴァ国は比較的、アンデッドの奴隷運用に寛容ではあるけれども、やはりいい顔はされない。

ましてや領主が直接納める街の防衛にアンデッドを常用するなど、決して認められないだろう。


あくまでも、今回は非常時につき仕方無く行う。

それは将軍との最初の会談でも確認されていた事だった。


将軍個人の考えとしては、使える物はいつでも何でも使う主義だとは思うが、軍の運営とは別の話だろう。


「分かりました。これからどうなるんです?」

「ラグボーネは撤退。完全撤退後、補償の話になるだろう。それと、お前に与えた小隊長の位も外しておくぞ。平時にはあっても邪魔だろうしな」


念のために最低限の指揮権を貰っていた。

事態がスムーズに運んだので必要無かったが、戦況によっては兵を借りる事態も想定していたからだ。


実際、そのままにされては戦が起こる度に便利に使われる事にもなりかねない。

あっさりと受け入れる。


「ああ。後、あのでかいのを領内に置いておくのは許可出来ない。よって、このまま塀の外で封印処置をした上で厳重監視だな」


まあ、それも当然だろう。

俺がトチ狂ったりして暴れさせたり、コントロールを失って暴れたりしてはせっかく勝ったのに目も当てられない事態になる。


「当然の処置です」

「しかし、その赤いのは何だ?儂はでかいのよりもその赤いのを領内に入れておくべきではないと感じたがな」


今も後ろに立つエキオンを顎で指して言う。

エキオンには前回同様、しゃべるなと命令してある。

仕草ひとつすら見せずに棒立ちしていた。


「ただのスケルトンですよ。少しばかり特別に魔力を込めはしましたが」

「ふん。今回助けられたのは確かだ。そういう事にしておいてやろう」


評判通りの義理堅い人物か。

俺も余計な事は言わない。


「それで今回の報酬は?」

「勝った暁にはって話だったな。それも勿論やろう。ただ、その話は儂からじゃない」


将軍でなければ誰がするのだ?

疑問が顔に出ていたらしい。

将軍が皮肉げな、しかしあまりにも力強い笑みでもってその疑問に答える。。


「無論、儂よりも上の人間がだ」

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